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木露尋亀ノノート
2020年3月23日 11:01
「はあるがきいたあはあるがきいたあ」「カーッ!」 可憐な少女の歌声を遮ったのは禅寺の和尚ではなく、町内でカントクと呼ばれている、自称元映画監督の町内会長だ。ここコミュニケーションセンターの会議室では、毎年四月一日に開催される桜祭りのリハーサルが行われていた。「ハイッ!もう一回!」「はあるがきいたあはあるがきいたあ」「カーッ!もう一回!」 少女の瞳は燃えていた。少女の夢はアイドルになる