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【子連れロンドン】ホッブルダウン・ヒースと絶好の飛行機ビュースポット

ロンドン近郊には、子どもの遊び場が併設されたファームがたくさんある。今回は中でもお気に入りのHobbledown Heath(ホッブルダウン・ヒース)を紹介しようと思う。

ホッブルダウン・ヒースはロンドン近郊に2箇所(ロンドンのハウンズローとサリー州エプソム)あるが、わたしたちが行ったのは前者のほう。夏休みの終わりごろに下の子たちを連れて訪れた。ここで飼育されているのは、ウサギ、リクガメ、ミーアキャット、キツネザル、プレーリードッグなどの主に小型の動物とウシ、ヤギ、ウマなどの家畜系動物だ。

ミーアキャットは大抵の動物園にいるが、ここは個体数が多く、また飼育場が開放的なのでとても見ごたえがある。ピタゴラスイッチが好きなうちの子どもたちは、ミーアキャットを見ると「どうしてミーアキャットみんな同じ向き?」と歌いたがるのだが、ここではみんな同じ向きのミーアキャットを見ることができる。(数が少ないと群れている様子がなかなか見られなかったりする。)

ところで、ミーアキャットとプレーリードッグって似てるよなぁと思っていたのだが、今回両方をいっぺんに見ることができたので改めて違いを観察してみた。そしたら、見た目も生息形態も全然違った。
まず、ミーアキャットはマングース科で雑食。鋭い2本の犬歯があり、鼻は尖っていて黒く、また目の周りも黒い。対して、プレーリードッグはリス科で植物食。齧歯類特有の出っ張った前歯があり、鼻は丸く、目の周りも鼻も黒くない。生息地域も前者はアフリカから東南アジアにかけて、後者は北米とまったく異なる。後ろ足でちょこんと立つ姿だけが似ていただけだった。

プレーリードッグ、確かにリスっぽい

さて、先ほどのピタゴラスイッチのミーアキャットの歌の答えは「寝ている間に冷えた体をおひさまに当てて温めるため」だ。なので、みんな太陽のほうを向いている。でも太陽に向いていて眩しくないのだろうか?その答えは、目の周りの黒い色にある。野球選手が目の下に黒いシールを貼るように、あの黒色は眩しさを軽減させる効果があるんだそうだ。一方のプレーリードッグが立つのは、単に天敵が近づいてこないかを見張るためらしい。そんな習性の違いが体の色の違いにもつながるなんて面白い。
あと、全然関係ないけど、ミーアキャットは猫じゃないのにキャット、プレーリードッグは犬じゃないのにドッグってのも面白い。

こちらはおなじみのミーアキャット

あ、そもそもなんでここを訪れたのかを話していなかった。一番のはお目当てはカピバラだ。うちの末っ子は、ロンドンに来てまもないころに訪れたロンドン西部のハンウェル動物園で見かけたカピバラに一目惚れして以来、カピバラが大のお気に入り。通い始めたナーサリーでまだ慣れずに泣いていたときも、先生からカピバラのフィギュアを与えてもらってずっと握りしめていたし、サンタさんにもカピバラのぬいぐるみをもらっていつも一緒に寝ている。そんな大好きなカピバラが何頭もいるというのだから、いつか訪れてみたいとひそかに温めていたのだ。でも子どもたちにはカピバラがいることは伏せておき、順路も考えて最後のサプライズにした。こちらの思惑どおり、彼らは大いに喜んでくれた。

カピバラは5~6頭いただろうか。そのうちの2頭が仲良しで、柵越しに鼻と鼻を付け合わせてずっと同じ方向を行ったり来たりしているのが可愛かった。まるで一緒になれない運命を嘆くロミオとジュリエットかのようなふたりだったけれど、柵で仕切られたこの2つのスペースは小屋を共有しており、自由に行き来できる仕様になっている。そういうプレイなのだろうか。

ずっとミラーリングしていたふたり

改めてカピバラの生態も学んだ。のんびりもっさりした動きと半分寝ているようなお顔で癒やし系のカピバラだが、実は敵から逃げるときは時速50キロの速さで走るんだとか!カピバラの捕食者はジャガーやピューマなど俊足の猛者たちらしいから、もっさり動いていたら一瞬で捕まってしまう。
また、敵から身を守るために最大5分間も潜水できるそうだ。ジャガーらも泳ぎは得意だが、さすがに5分間も潜られてしまうと見つけられずに諦めるらしい。いやはやカピバラさん、見かけによらず頼もしい。普段はのんびりもっさりしているのに、やるときはやるっていうのがますます魅力的だ。

またまた動物の話が長くなってしまった。
ホッブルダウン・ヒースには大型遊具がたくさんある。わたしが秀逸だと思ったのは、どの遊具も迷路のようになっていて、外から見えるすべり台に簡単には辿り着けないところだ。あっちもダメ、こっちもダメ、子どもたちはいろんなルートを試し、次第に周囲の子どもたちと協力し合ってすべり台のすべり口を探していた。
ひとつ文句を言わせてもらうと、段差が大きくて小さな子どもひとりでは登れない箇所も多いのに、天井が低くて大人仕様にはなっていないところ。大人はものすごく疲れるので要注意。そして、荷物があると身動きが取りにくいので、大人は複数名いた方がいい。
大型遊具の他に、トランポリンや屋内のソフトプレイもあったので、小さな子も楽しく遊べると思う。

こんな遊具がいくつもある

最後に屋外のコーヒースタンドで串に刺さったマシュマロを買って炭火で焼いて食べた。マシュマロを焼いていると「どこで買ったの?」と聞かれ、客が客を呼ぶ現象であとに続く人が続出した。ただのマシュマロなのに、火で焼くと特別な食べ物になる。子どもたちは大喜びだった。

マシュマロを焼くだけにしては立派

ホッブルダウン・ヒースを出たところで、運転手の夫に「もう1箇所行きたいところがある」と告げ、ある場所へと向かった。車で5分強の場所にある原っぱだ。Myrtle Avenueという住宅街の通りの先にある原っぱには人がたくさんいて、路上にもたくさんの車が停まっている。道を挟んで反対側に見えるのは、ヒースロー空港。そう、ここはロンドン随一の飛行機ビュースポットだ。付近に車を停めることができなかったので、夫に車内で待機してもらって子どもたちを連れて飛行機を見に行った。時間はちょうど16時。1分おきくらいに到着する飛行機を間近に見ていたら、ちょうど16時04分着(定刻は16時20分)の全日空機を見ることができた。

ものすごく近い!

日本でも成田空港や羽田空港近くのビュースポットを訪れたことがあるが、これほど間近には見られなかった。飛行機好きの人に超おすすめのスポットだ。電車の場合は、ピカデリーラインのハットン・クロス駅から徒歩10分ほどなので、電車のアクセスもよい◎
子連れならわたしたちが行ったホッブルダウン・ヒースとセットで訪れてもいいし、さらに近距離にハウンズロー・アーバン・ファームというファームがあるのでこちらとセットでもよいかと。


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