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【イタリア・スイスの旅】7日目:ミラノから国境を越えてツェルマットへ

【7日目 8月3日(土)】
10:00 ブレラ絵画館
14:00 ミラノ中央駅発
18:00 ツェルマット着
19:00 ディナー@Du Pont
 
今日は午後にミラノを発ち、スイスのツェルマットに移動する予定だ。ホテルで朝食を済ませると、ブレラ絵画館へと向かう。有名な美術館だが、こちらも三度目のミラノにして初訪問だ。美術館のある敷地に入る門をくぐると意外な人物に出迎えられた。中庭に堂々と立つナポレオン像だ。元々はマリア・テレジアが入手してオーストリア・ハプスブルク家が所有していたこの建物に、ナポレオンがイタリア各地から集めた美術品を展示して公開したのがこの美術館のはじまりらしい。
美術の教科書に載るような有名な絵がゴロゴロあるが、ウフィッツィ美術館のように予約しなくても並ばずに入れて、中も全然混雑していない。ウフィッツィほど大きくなく、展示室の作りもシンプルで順路も分かりやすい。ほぼすべての作品がイタリアの画家の手によるものということも大きな特徴の1つだ。また、古い絵画には付き物である修復作業の様子も修復途中の作品と共にVTRできちんと見せてくれる。修復師さんへの畏敬の念が高まるばかりだ。
普段からわたしたちは子どもたちを連れてよく美術館に行くのだが、子どもにとって美術館はあまり楽しい場所ではない。似た絵を2枚選んでどちらが好きかを考えさせたり、宝探しのように特定の絵を探させたり、何とか飽きさせないように毎回工夫するのだが、結構大変だ。(今回はチケットに印刷された絵を探させた。)だが、ロンドンに来てから約2年、地道な取り組みのおかげか、子どもたちがだんだん絵を好きになって美術館を楽しめるようになってくれたのがうれしい。
最後にわたしの目を引いたのは、終盤のアイエツのコーナーだ。一番有名な「接吻」以外にも素晴らしい作品がたくさんあり、中でも彼の自画像が強く印象に残った。こちらを見つめる眼差しと絵筆を握る指に力がある。アイエツと言えば、ロンドンのナショナル・ギャラリーにも終盤の部屋に「スザンナの水浴」という作品があるのだが、こちらもまたインパクトがあり、観る者の心をざわつかせる作品だ。

ドキリとさせられるアイエツの自画像

周辺のエリアも素敵だったのでゆっくり散策できたらよかったのだが、バスの時間が迫っているので荷物を取りにいったんホテルへ戻り、中央駅へと向かう。昼食は中央駅構内のフードコートで済ませた。
ミラノからまずドモドッソラというイタリア北部の町に向かうのだが、この区間の電車が工事のため運休とのことで、まずはバスでドモドッソラへと向かう。(心配だったのでバスの乗り場は朝出掛ける前に確認しておいた。)ドモドッソラからは電車で国境を越え、ブリッグで乗り換えてヴィスプへ。そこから先はまた電車が運休していたため代替運行のバスに乗り、最後に1駅分だけ電車に乗った。乗り換え4回、合計4時間以上かけて18時過ぎにようやくツェルマットに到着した。
<MEMO>スイスの鉄道に関してはSBB(スイス国鉄)のアプリが使いやすくてチケットの購入が簡単だったが、唯一国境を跨ぐこの区間だけはアプリでは購入できず、ブラウザから購入する必要があった。スイス国内の移動はすべて鉄道を利用したが、ハーフウェアカードの利用でかなりお得にチケットを購入することができた。めんどくさくなって途中で正規料金との差額の計算をやめてしまったが、1000フランくらい得したと思う。ハーフウェアカードが素晴らしいのは、スイスパスが対象外(割引はある)の登山鉄道やロープウェイも半額になることと、同伴の子ども(5~15歳)が無料になることだ。(4歳以下は元々無料)我が家の場合は、スイスパスよりも圧倒的にお得だった。
 
ツェルマットは大気汚染対策でガソリン車の乗り入れが禁止されており、市内には馬車かEV商業車(タクシーなど。自家用車はEVでも禁止)しか走っていない。そんなこともあって、空気がとてもきれい!そして、標高が高いこともあって空気が冷たくて気持ちいい。イタリアの猛暑を経験した後だと、この涼しさが尚更ありがたく感じられる。

宿の近くにエーデルワイスが咲いていた

夕食はスイス名物のチーズ・フォンデュをいただくことにした。「とりあえずビール」と思ったら、メニューにビールが載っていない。チーズ・フォンデュと一緒に冷たいビールを飲んだらお腹の中で固まるからよくない、というのは本当だったの!?と思い、やたらと感じのいいウェイターのおじさんに聞いてみたら「まさか!」と言われ、普通によく冷えたビールを提供してくれた。チーズ・フォンデュは野菜や肉などもチーズにつけて食べるイメージだったが、具材はひと口サイズに切られたパンのみだ。本場のチーズ・フォンデュはそういうものらしい。鍋に残ったチーズに指を突っ込んでフランベする演出までしてくれたおじさんにチップを払い、楽しい気分でお店を出ると、外は暗くなっていて肌寒かった。

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