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【イタリア・スイスの旅】4日目:古都パドヴァと水の都ヴェネツィアへ
【4日目 7月31日(水)】
9:25 パドヴァ着
10:30 スクロヴェーニ礼拝堂
12:30 ヴェネツィア着
15:00 ヴェネツィア散策
16:30 サン・マルコ広場、鐘楼
18:00 ゴンドラ
20:00 ディナー@Sora Al Ponte
ここで姉たちとはお別れだ。姉と姪はフィレンツェからローマへ、わたしたちはパドヴァへと向かう。この日の最終目的地はヴェネツィアだが、その前にどうしても寄りたいところがパドヴァにあるのだ。
パドヴァはフィレンツェとヴェネツィアの間(ヴェネツィア寄り)にある。イタリアの人気観光地トップ3に入るこの両都市間を移動する観光客は大勢いるだろうが、パドヴァに立ち寄る人は多くない。小さな街だ。この街に降り立つ観光客の大半は、世界遺産にもなっているスクロヴェーニ礼拝堂のジョットのフレスコ画が目当てだろう。
礼拝堂は10時半に予約していたのだけれど、チケットに30分前に到着するよう注意書きがあったので、余裕を見て9時半にパドヴァ駅に着く電車に乗った。余談だが、このときに乗った電車はItalo(イタロ)という高速列車。イタリアの長距離列車には旧国鉄トレニタリア社のフレッチャロッサとNTV社のイタロがあるのだが、電車が大好きな6歳の息子の「両方乗りたい!」という夢を叶えてやるために、この旅ではフィレンツェ→パドヴァ間をイタロ、ヴェネツィア→ミラノ間をフレッチャロッサで移動することにした。イタロはワインレッドの車体がかっこよくて息子は大喜びだった。
さて、10時前に礼拝堂のビジターセンターに着いたところ、予約していた10時半ではなく10時15分の回に案内された。スクロヴェーニ礼拝堂は15分完全入れ替え制で人数は各回25名までと厳しいルールが設けられているのだが、当日券で入場している人も見かけたので、時間帯によっては空きがあるようだ。
<MEMO>リュックやスーツケースなどの大きな荷物はクロークに預ける必要があるが、無料で預かってくれる。30分前じゃなくても大丈夫そうだが、入場前に解説ビデオを見るので15分前には到着していた方がよさそう。
礼拝堂に入る前に10分ほどの解説ビデオを見たら、いよいよジョットとの対面だ。小さな礼拝堂の壁いっぱいに38連もの聖書の物語が、そして天井には星空が描かれている。この礼拝堂が完成したのは14世紀初頭。今みたいに町中にビジュアルが溢れているわけでなく、遠近法も自然な人物描写も確立されていなかった時代に、この壁画を見た人たちの驚きは、現代人にとってのVR以上に大きかったんじゃないだろうか。子どもたちは、当時の人たちがそうしたように、絵本の絵を見るように聖書の物語を読み解いていく。わたしたちはクリスチャンではないが、英国国教会系の小学校に通う子どもたちにとって、キリスト教は身近な存在なのだ。1枚1枚じっくり見ていたら15分ではとても足りない。15分が経ち、係の人から外に出るよう促されると、普段さして絵画鑑賞に興味を示さない子どもたちさえも「時間が足りない」と言っていた。だけど、ルールなのだから仕方がない。700年以上も前に描かれたフレスコ画を守るためのルールなのだろうから。
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次はパドヴァから電車でヴェネツィアへ向かう。ヴェネツィアまでは30分ほど。車窓に海が見えてくるとそれだけで興奮する。海辺の街に来るとシーフードが食べたくなる。ランチはシーフードがたっぷり入ったペスカトーレを美味しくいただいた。
その後、どこを切り取っても絵になるヴェネツィアの街を散策した。400以上も橋があると学校で習った息子は橋を数えながら歩く。フィレンツェよりは涼しいが、それでも暑い。ジェラートを買って食べたが、味はいまひとつだった。フィレンツェで舌が肥えてしまったようだ。とにかく人が多いと聞いていたが、繁忙期のヴェネツィアは確かに人が多かった。オーバーツーリズムが問題視され、今年から入島税が導入されたわけだけれども、ヴェネツィアには観光客を惹きつける魅力がありすぎる。
<MEMO>ヴェネツィア本島に宿泊する人は入島税が免除されるが、事前登録が必要。(滞在中に提示するよう求められたことは一度もなかった。)
リアルト橋を渡ってサン・マルコ広場へ。ここでは鐘楼に登ろうと思う。300段以上の階段を覚悟して行ったらエレベーターがあった。(というか、階段は閉鎖されており、エレベーターしかなかった。)鐘楼の上から見下ろすヴェネツィアの街はどの方角も絶景だった。
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30分ほど景色を堪能してから地上に降り、広場のカフェでパフェを食べた。ロンドンではなかなかお目にかかれないパフェに子どもたちは大喜び。欧米人の感覚だと、小さな子どもでもアイスもデザートも1人1つが当たり前だが、1つ買ってみんなで分けるのが我が家のスタイル。競うように食べて一瞬でなくなった。高かったけど、こんなに喜んでくれるならよいではないか。旅行も4日目ともなると、「観光地なのだから仕方ない」と金銭感覚が麻痺してくる。
そんな麻痺してきた金銭感覚でも高いと感じるゴンドラだが、せっかくヴェネツィアまで来たのだからゴンドラに乗りたい。ゴンドリエーレのお兄さんから、港だけコース、運河半周コース、運河一周コースという具合に3つのコースを紹介される。一番人気は真ん中の半周コースだよ!とうまく誘導され、まんまと180ユーロのミドルクラスを選択。現金で支払って早速ゴンドラに乗り込む。海風が心地よい。巧みに船を操りながら、時折さりげなく観光案内をしてくれるゴンドリエーレのお兄さんもカッコよかった。ひたすら陽気なおじさんがカンツォーネを聴かせながら船を漕いでくれる、というイメージとはだいぶ違った。
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海風が気持ちよかったので、宿の近くのレストランのテラス席で夕食を食べた。ウェイターさんがイケメンぞろいで感じがよく、家庭的な食事も美味しかった。
たった半日の観光だったけれど結構満足した。ドゥカーレ宮殿だとかティツィアーノの聖母被昇天の祭壇画があるサンタ・マリア・グロリオーザ・デイ・フラーリ聖堂だとかアカデミア美術館だとか、行けなかったところはたくさんあるけれど、芸術鑑賞はフィレンツェで十分楽しんだので、明日は島巡りをしよう。