白く燻んでしまっても

君が教えてくれた曲を聴きながら

跳ねるピアノと悲しい歌詞と

くたびれた22時過ぎの

田園都市線に身体を揺らして



神様
どうか我儘なんて言わないから

平穏無事なこの瞬間に

今にも見過ごしてしまいそうな

なんにもないこの瞬間に

ただただ今は

こうして揺られていたいのです

神様
どうか我儘なんて言わないから



君が教えてくれた曲が鳴りやんで

停車駅を告げる白く燻んだ機械的な電子音

くたびれた22過ぎにて終わりを告げた

なんにもないこの目の前に
緩やかに引き戻されてしまうから


神様
どうか我儘なんて言わないから





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