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夢の国と憂鬱な通学路

留学中の友達を訪ねて13時間、初めての海外へ

人々が移動してきた歴史に思いを馳せちゃうほどに長い長いフライトを終えて、ゲートを出たらすぐに友達がいた。
感動の再会!みたいなやつをしたかったけど
疲れすぎて、ハグどころかもたれかかった。

曇りの国と聞いていたけれど
「〇〇ちゃん来たから晴れた!」
と言われて嬉しかった。


久しぶりに会う友達は、なんか大学生の娘みたいだった。私も友達も大学生の娘には違いなく、私が親目線なのがまず違う気もするけど

ものを覚えてそれを武器にしちゃうような
私も母親に対して心当たりがあるやつ

これにより、旅行中はどこかで"もやもや"が付き纏うことになる。

人にあげられる優しさは、生活の安定が必要なんだと思う。
今は晴れていても、日が出ていない日も雨の日もこの国で過ごしてきた友達
それを経験していない私が、とやかく言えることは何もないんだけど

私たちはそれぞれ違う道を進んでいるという当たり前の紛れもない事実だけ。

来るまでは夢の国だと思っていた海外
違うのはそこに生活があるかというところで、

二階建てのバス
道にいる大きな鳥
鮮やかな色の花

私の目からはキラキラと輝いて見える景色が、誰かにとっての憂鬱な通学路だったりする。

今回の海外旅行で私が得たものは
Thank you so much! と Sorry…のバリエーション。

英語、頑張る。



ここに来なければ
出会えない人は確かにいた。

エレベーターのないホテルで、ひとりで頑張って運ぼうとしたスーツケースをいつのまにかさっと受け取り、軽々と運んでくれたジェントルマンには、最大級のThank you so muchを伝えた!

帰る前日の出来事だったから
旅行中にたまっていった私の強がりはこの人にはバレていて、隠した気持ちも全て包み込んでさらっと持っていってくれたような気持ちになった。
thank youしかいえないから
この言葉に色んな気持ちを詰め込んだ。

フードマーケットにはThe Beatlesのyesterdayを弾き語っている人がいた。
行きの飛行機、映画yesterdayでThe Beatlesのいない世界を観ていたから、この世界にはちゃんとあの音楽たちが息づいていて嬉しくなった。

初めての場所だけど、帰ってきたような感じ



空港や図書館で日本語をぺちゃくちゃ話しているこちらを珍しそうに見つめる小さい子と手を振り合ったり

アナタハカワイイ
(決まり文句なんだろうけど、とてもキュンとした!)
ゲンキデスカ 
知っている日本語を喋ってくれる店員さんがいたり

行かなきゃ会えない人がいた。
それはどこだって同じだと気づいた。

新しい自分にも会えるかもと思っていたけれど
どこにいたって私は私だった。

寂しさとすこしの安心

✈️

友達が帰ってきた。
地元のイオンモールで待ち合わせる
相変わらずの遅刻ぐせは健在

また交わって一緒に帰るいつもの道

来月のバイトのシフトに迷いながら、
1ヶ月後も決められないのに、将来のことなんて分かるわけないと嘆く。

私たちの道は、もうすでに行き先がわからずうねうねと曲がっているから、また離れることもあるはずだと思う。

歩くスピードが違くても、地面も空も繋がっていることは待ち合わせればまた分かるから
もう大丈夫だと思った。


この歌詞にしてこのタイトル、皮肉めいていて好き。(イギリス人みたい)

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