医療現場より。
相変わらずサボり気味ですみません。
自粛のGWですね。元来自宅が好きなので普段から休みの日は必ず外へ出るタイプではありません。休みの日にスーパーへ行く以外は外に出ないことが正義となる日がくる素晴らしさ…。
さて、先の日記にも書いておりましたが、私は大阪市の医療機関に勤務しております。
ミクロ・メゾ・マクロ視点から率直に現場で思うことをお話します。
まず、ミクロ・メゾ視点。
私の業務である退院支援にあたっても多くの支障が出ています。
大阪市から地方への転院を断られるケース。
病院から施設への新規入所も制限がありやむなく自宅に帰るケース。
介護施設に退院するには2週間自宅で過ごしてからでないと不可、なんて言われたケースもありました。
「自宅でみられないから、施設に預けているんです…」
家人の悲痛な訴えです。まったくもってその通りです。
他の利用者さんを守るための案なのだとは思いますが、施設退院ではなく自宅待機を要請する合理性が不明です。
まだまだわからないことも多い感染症ですので、不安から受け入れ側が鎧を必要以上に着込む気持ちもよくわかります。
しかし正しい知識をつけて、正しくこわがることが必要だと思います。
現場としては、患者や患者家族をとりまく、そのような鎧を対話によって必要な量にしていただき不利益を被らないようにしないと、と感じています。
次にマクロ視点。
国の対策については批判の声も多く出ておりますが、現場で働く人間のひとりとしては、感染症に係る防護服ほか色んな装備を備蓄する時間をよく稼いで下さったというのが正直な感想です。
当院ではふだん医療材料を届けてくださる会社様の尽力もあり、なんとか少し余裕を持った備蓄ができつつあるようです。
大阪市についても雨合羽のことなんかが取り沙汰されていましたね。
三島由紀夫の言葉にこんなものがあります。
「傷を負った人間は間に合わせの包帯が必ずしも清潔であることを要求しない」
これは現在の医療現場にも当てはまることで、緊急事態なのだから完全な整備を急に、など無理だと思うのです。
雨合羽は確かに間に合わせの策かもしれない、しかし無いよりずっとまし。
誰しもが未知の領域に飛び込んでいく世界。
リーダーたちの舵取りはもちろん行く末を見定めるなかで大きな位置を占めています。
現時点ではリーダーたちの策は成功とも失敗ともいえないと思います。
私にはリーダーの策を批判することはできません。
彼らはきっと私よりも多くの時間を割いて多くの人の意見を聴いて前に進もうとしてくれているのだろうと思うから。
ただ、リーダーに声を届けることは大切なことなので、それを批判する気もありません。
最後に。
JR環状線の車内、桜ノ宮駅のあたりから大阪市立総合医療センターが見えます。
私も仕事柄時々訪れる場所であり、現在新型コロナ対応の最前線のひとつです。
同職種の仲間もおり、本当に普段からお世話になっています。
今このときも、あのなかでは多くの医療者が一生懸命患者のために戦っていると思うと自然となみだが出てきます。
どうか、ご無事で。
また笑って、会いたいです。
それでは今回はこのあたりで。
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