休むことに大切さ。人間には自然治癒力が備わっている
小3の息子はASD。
不安と緊張が強く疲れやすい。
年々成長して少しずつ強くなっているけど、まだまだ定型の子に比べたらデリケートだ。
楽しく過ごした夏休みだが「明後日から学校が始まる」と意識したとたん緊張し始めた息子。
その日は食欲不振で夕食も食べられずにそのまま就寝。
新学期前日は3食きちんと食べられたが、「明日緊張する」「楽しみになってきたかも」と揺れ動く心。
新学期初日は「緊張する」と表情をこわばらせつつ朝食をしっかり食べて登校し無事帰宅。
次の日も普通に登校したが、新学期3日目から始まる給食にまたまた緊張。
息子は緊張すると食欲不振になるため、学校生活では給食が最も緊張が高まる時間なのだ。
もちろん、ずっと担任には合理的配慮として「給食は息子のペースで。一切口にできなくても家庭で食べてるのでご心配なく」とお伝えしている。
休職中息子が食べようが食べまいが、何も言わずに見守ってくれている。
それでも、息子はやっぱり緊張してしまうのだ。
で、給食初日は泣きながら登校して行った。
その次の日は泣かずに行けたが、毎日緊張の連続でクタクタ状態。
今年の新学期は初日が月曜日。
のんびり過ごした夏休み明け、いきなり5連続登校という過酷なスケジュール。
息子はついに5日目「なんだかお腹が痛い」と言い出し、朝食が一切食べられず、金曜日は学校を休むことにした。
学校を休んだ息子は9時過ぎくらいまでベッドでゴロゴロ。
その後、お腹が空いてきたようで朝食を食べ、昼食もしっかり食べ、午後にはすっかり元気になった。
土日も楽しく過ごし、そして本日月曜日は元気に登校していった。
金曜日無理矢理学校に行かせてたら、きっとこうはいかなかったんじゃないかなと思う。
私は元々頑張らないダラダラ気質。
疲れたら休めばいいと思っている。
特に息子の場合はASDなので「頑張った後の反動」については常に意識している。
頑張り過ぎて二次障害が出ないようにずっと気をつけてきたし、「不登校」はいつでも頭の片隅にある言葉だ。
だから、息子の「疲れたサイン」はしっかりキャッチして、早め早めに休養を与えて元気チャージしている。
私も社会人時代「今日はなんか会社行きたくない。心が風邪を引いたのだ。風邪をひいたら会社を休むべきだ」と、1年に1~2回突発的に会社を休んでいた(もちろん連絡はきちんとしている)。
別に頑張れば会社に行ける余裕はあるが、そこで頑張りたくないから休んだ。
不思議なもので、たった1日休むだけで「さて、また仕事頑張るか」と精神が復活するものだ。
人間には心身の自然治癒力が備わっているのだろう。
「自然治癒力」を大きく実感したのは、2年前に急性腸炎で入院したときだった。
深夜に突然の腹痛からの下痢になった私。
最初は「お腹冷やしたかな?」と思っていたのだが、終わりが見えない。
これはおかしいと次の日朝一でかかりつけを受診し、軽い脱水で点滴を受け、念のため血液検査を受けて帰宅。
一旦は点滴でやや復活したものの、ずっとトイレとお友達状態で自分が衰弱するのがわかり、その日の夜に救急相談→救急車判断され救急車呼んで病院に運ばれるも、頼りない夜勤勤務医師がなにもしてくれず家に突っ返され血便→次の日朝一で病院受診即入院、という経緯をたどった。
出産以外で初めての入院生活。
大腸が酷く炎症していて絶食(飲料はOK)で24時間点滴治療を受けた。
医師の診断は大腸炎で「とにかく大腸を休ませるために絶食して安静にすること」と言われ、点滴は生理食塩水のみ。
第一子出産後、約1週間上げ膳据え膳でひたすら寝るだけの生活を送った。
すると、日に日にグングンと回復していったのだ。
人間、余計なことを一切せず、適切な状態でとにかく休養すると、酷い炎症でも結構な速度で回復するものらしい。
当時40代半ばで「下り坂を転げ落ちるお年頃」と思っていた私は、自分の回復力に驚いた。
そして、「ああ、何もせずに休むって、マジ重要」と実感したものだ。
そう。
人間、ただひたすら休むと、ある程度心身が回復する力を持っている。
ただし、致命的ダメージを追う前というのが重要だ。
休むだけで回復するのは、医療介入せずとも回復する程度のダメージなのが大前提である。
息子のお疲れと私の大腸炎、同じラインに並べるのはちょっと違うのかもしれないが、それでも「ひたすら休むと回復する」という位置づけは同じなんじゃなかろうか。
例えば、息子は真面目なので「熱がないんだから学校に行きなさい」と言えば行くかもしれない。
が、そうやって無理を重ねたらある日ポッキリ心が折れて本格的不登校になりそうだなという予感がある。
あるいは、無理して学校に行って本格的に体調を崩して吐いたり下痢ったり熱出して具合が悪くなったりしたら、次はちょっとした体の違和感でも「学校に行ったら具合悪くなるかも」という不安が増大しそうだ。
ここまでくると「ちょっと休む」どころじゃ元気に学校に行けなくなりそう。
私の大腸炎も人によっては入院を断ったかもしれない。
医師は「入院した方がいいよ」的な言い方だったから、入院なしでもギリギリ回復するラインだったのかもしれない。
でも、私は家にいても良くなる気が全くしなかったから入院を選んだ。
子供たちには寂し思いをさせてしまったけど、入院しなかったら1週間じゃ元気になれなかったんじゃないかなと勝手に思う。
だって、主婦って家にいたら絶対動いちゃうじゃん。
あそこでひたすら休めたのはとても大きい。
コロナになったときも、入院時の経験があったから「動けるからと動くと悪化する」「とにかく万全になるまで休むのだ」と自分と家族に言い聞かせていた。
無理して症状が長引く方が厄介だと考えていたからだ。
おかげさまで、療養期間が明けるころには家族全員万全に回復した。
元々ダラダラ気質の私。
休むのは大得意。
世の中には「動いていた方が楽」という人もいるらしいが、そういう人がある日突然パッタリと倒れるリスクが高いことを知っている。
私の姉が「動いていた方が楽」というタイプで、私より確実に体力がありそうなのに、数年に1度「おいおい、大丈夫?」と心配するような症状に見舞われているからだ。
私は虚弱体質だからこそ早め早めに休むので、大腸炎はイレギュラーだが(結局何かに中ったらしい)、それ以外は細く長くそこそこの体調をキープしている。
だから、頑張る人が心配なのだ。
ツイッター仲間ではコロナになっても早期に動き出す人がとても多いように感じる。
それでも順調に回復していれば安心なのだが、症状が長引いたり後遺症っぽくなったりしているツイートを見ると「とにかく休んでー!」と思わずにはいられない。
無理に無理を重ねて耐えられる人もいるが、同じことをして耐えられない人もいて、その見分けがつかないから余計なお世話になってしまうのだろうけど。
それでも私は言いたい。
疲れたときは休もうよ。
早めに休むと結果的に短い時間で回復できるから効率的かもよ?
私にはアスリートは育てられないだろう。
我が子に頑張って苦難を乗り越える背中は見せられない。
しかし、緩く頑張って適度に休んで、自分を甘やかせながら致命的に病まない背中なら、きっと誰よりも立派(?)に見せていけると思う。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?