松尾歩八段【将棋のこと】
私は将棋を観るのが好きだ。
そして山崎八段ファンです。
今年のアベマトーナメント、山崎八段がなんとリーダー。
指名→重複→抽選と、やっとのことで獲得したのが松尾八段でした。
髪型や着こなしがワイルドながら、かなり控えめなその態度。
皆が褒めるいい声なのに、張らずに穏やかなその口調。
佐藤会長が「将棋界の隠れた実力者を表舞台に上げたい。」との理由で、
指名が重複したのもよくわかります。
静かな人柄に確かな実力、秘めた闘志が松尾八段の魅力。
そんな魅力がチーム動画の段階から見れました。
激痛で有名な足ツボ企画。
誰に頼まれたわけでなく、ひたすら耐えると松尾八段。
リアクション第一の企画なのに、度返しで静かな試練に挑む松尾八段。
耐えると言わずに始めるから、より強く押されて苦しみ悶える松尾八段。
せっかくのいい声で叫ぶ姿が欲しいのに、自身の決め事を全うして黙する。上着を脱ぐほど身体が火照り、我慢が溢れて吐息が漏れる。
吐息は美声よりも貴重なので結果的には最高のリアクションで、
企画を成功へと導く松尾八段。
耐え切ってしばらくしても、水を飲む手が激しく震える。
その収まらない震えの長さに、耐え抜いた痛みの強さが知れる。
ようやく落ち着き安堵して、何かを嚙み締めるように静かにほほ笑む。
自ら黙って課した試練をやり遂げて、ひそかな達成感すら漂わしてる。
”そういう企画じゃないんだけどなぁ…”
正直、そう思って笑ってしまいましたが、秘めた人柄に触れた気がして、
それはそれで感動しました。
静かでいることで激しい戦いを制した松尾八段、
さすがは鬼の棲み処で13期、戦い抜いた番人です。
対して、企画通りにあっさり痛がる、明け透けな阿久津八段がまた良く、
膀胱のツボで痛みを感じ戸惑い恥じらう山崎八段も、らしさ爆発。
三者三様の人柄が、不惑の年齢となって居並ぶ絵面の中で映える。
それぞれで戦い続けてきた同世代が、ここで交わり共闘する感慨に、
戦う前から胸が高鳴りました。
我が家では、解説が松尾八段の時だけ、声で妻が気づきます。
「今日の解説って、マッツォなの?」
画面も見ずに当ててきて、そのうえ親しげに「マッツォ」と呼びます。
松尾八段は、いまいち遠慮がちにされていますが「セクシー」とのあだ名は仕方がないのかもしれません。小泉進次郎さんのおかげで知りましたが
「関心を引く魅力的なもの」ならば艶っぽさの無い真面目なものに対しても「セクシー」という言葉を使うそうです。
ならばやっぱり、松尾八段は「セクシー」に違いない。
真面目なうえで艶っぽいのだから、違う要素が見つからない。
穏やかなのに激しくて、真面目さゆえにセクシー。
これだけの魅力は、どれだけ控えめにしていたって隠しようがありません。
自虐的なチーム名は頑なに拒んだという松尾八段。
前向きな歩みで、セクシーな大舞台に出てくることを心から期待します。