中村修九段【将棋のこと】
私は将棋を観るのが好きだ。
そして山崎八段ファンです。
毎回、この書き出しで始めていますが山崎八段の何が好きかと問われたら正直よく解らない。独創的な棋風に魅力は感じますが、私の棋力が乏しいので、その凄さは理解できない。人柄や口調も楽しくはあるが、他の棋士の方が好みだったりする。じゃあ何でってことになるんですが、とにかくもの凄く好きなんです、理由もないのに… ファンってそういうものではないでしょうか?
同じように理由がよく解らないのに惹かれる棋士がいる、中村修九段です。
前言を翻すようで申し訳ありませんが理由はハッキリしてます、カッコイイからです。でも、カッコイイ理由がよく解らないんです。解らないという表現は中村九段に失礼な気がするので、理由を言葉で説明できないと言うべきでしょうか。もちろん二枚目の先生だとは思っています。でも俳優さんレベルかというと、そういうカッコ良さではない気がする。ただ、雰囲気はそこらへんの俳優さんより断然カッコイイ!近年、特に良くって「渋い!」って思います。どなたか同じように感じる方が居らしたら、ハッキリと言葉で表現してくださると助かるのですが、私では力不足ですみません。
昔、何かの番組で女流棋士の女子会模様を流すというほのぼの企画を観たことがあります。その際に「好みの棋士」だか「カッコイイ棋士」というお題がありまして、弟子の香川愛生女流が中村九段を推していました。当時は30も年上の師匠を使って面倒な質問から上手に逃げたものだと思っていました。次々に賛同する他の女性陣にも安全な回答が出たので皆で逃げ込もうとしているとみていましたが、案外本心だったのではと今になって思います。仮に逃げだったとしても、愛弟子や若き女性陣がこぞって口にできる大先輩なんですから、その懐は深くて温かいものなんでしょう。YOUTUBEにもちょいちょい顔を出し、師弟関係はずっと仲睦まじい様子。800勝の次は、そろそろの還暦のお祝いもされるような気がします。
最近、思うところがあるのか番組出演には和服で挑むことが多い中村九段。
これがまた似合う。将棋の魅力には、和の様式美といったものもあると思うんです。だから和服の人が居ると絵が映える。とはいえ、和服は誰でも似合うものじゃない。似合う人が見合う人生を歩んで似合う頃合いに着てこそカッコイイ。中村先生一人と言わず谷川先生あたりにも和装をお願いしたいところですが、ただ谷川先生はスーツが異常に似合うからなぁ… でも時には和服で重みを増した解説もお願いしたいものです。
今年還暦の中村九段は、まだまだB2で踏ん張っている。
今年のB2のメンバーは10年前に観始めた私から見るとA級の印象が強い名前で目白押し。王将二期と実績十分ながら、順位戦の星運が悪くA級には届かなかった中村九段。それでもB2で留まり続けてA級で活躍した猛者やこれからA級に上がるであろう才能を迎え撃ってきた。受ける青春とは意味が違うかもしれませんが、長年受けては踏ん張り続けて気づけばクラス最年長。まだまだこのクラスに留まって頂きたいし留まるものだと信じています。
阿部七段と共に次の師弟トーナメントに出て欲しかったなぁ。案外フィッシャールールは受け将棋の棋士が向いてる傾向にあります。和服姿の中村九段が還暦ながら超早指し戦で若手を相手に奮戦するなんて、それこそ青春だと私なんかは感じるんですけどね。