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"第69回 全国肢体不自由児療育研究大会"におけるおーくぼ先生のただのメモ

村上さんとかめきち先生の分、そして自分の分。
3人分のネームプレートを失くしたのは私です。

てへ。

ほんと、いい加減すべての持ち物にGPS機能付けてもらわないと困るよね(The☆他力本願)目指してもないのにミニマリストになっちまうぜ。

やれやれ。

さて。

先日、沖縄で開催された「第69回 全国肢体不自由児療育研究大会」に参加してきた。とても学びの多い時間だった。せっかくなので自分たちの発表も紹介しつつ講演を聞いて書き留めたメモを吐き出しておくとしよう。

1. ITB療法とSDR

沖縄県南部医療センターの小児整形外科医 金城 健 先生の「小児脳性麻痺痙縮治療戦略と多職種連携の重要性」という講演を聞いてITB療法とSDRというものを知った。以下は、大変忍びないが取り留めもない自分用のメモだ。

① 麻痺と筋緊張治療の現状

・麻痺と異常筋緊張は別のものである。
・麻痺 → 治療不可
・異常緊張 → 治療の選択肢が出揃ってきている

出典:おーくぼのiPhoneのメモ

麻痺と異常緊張を分けて考えて、変容可能な部分にフォーカスしてアプローチしていくようである。

② 現状の問題点

・各科が個別にアプローチしており分断的。
・長期的かつ包括的アプローチが欠落しており経過を追いにくい。

出典:おーくぼのiPhoneのメモ

③ 治療法いろいろ

・ITB療法(髄腔内バクロフェン療法):
重度の痙縮(筋肉が過度に緊張して硬直する状態)や痙性麻痺の治療に使用される治療法。小さなポンプを皮膚の下に埋め込み、バクロフェンを髄腔内に持続的に注入する。患者ごとに適切な量の薬を調整でき、痙縮がよりコントロールしやすくなる。数回のスクリーニングののち、経過を見て腹筋膜下に埋込む。最低3歳,100cm,10kgから。

・SDR(Selective Dorsal Rhizotomy):
脊髄を通る神経のうち、異常信号を発している後根(感覚神経)を選択的に切除する外科手術。手術中に反応を確認しながらどこをどの程度切るのかを決めている。

参考:chatGPTとおーくぼのiPhoneメモ

どちらも痙性や痙縮へのアプローチ。
SDRの「経過報告」や「期待されること」の部分でキャスパーアプローチで表れる変化と重なる点が多かったのが興味深い。

印象に残ったのは「非現実な目標を提示することはしない」とおっしゃっていたことだ。現実的な目標の実現に向けて、沖縄県下3つの療育センター合同で月1回のカンファレンスをしているらしい。そこには外科医、セラピストが保護者や、子ども本人を目の前にして議論を交わし、治療などの方向性が決められているという。

どんな空気になるんだろうと想像しつつも、縦横に柔軟な繋がりのある取組は魅力的だ。ぜひNewPlatformでも参加してみたい。

と、我々の中で話題に。

話の中で紹介のあった書籍 ↓

2. OTと学校教諭の連携

「医療機関に所属する作業療法士の専門性に対する学校教諭との認識の相違」という演題名が強烈にattractiveだった。

認識の相違。

いつだって、どこだってそれは問題になる。
こと特別支援学校においては医療と教育の連携が重要だということは頭では皆わかっている。でもなんかすごい難しい。

その「なんか難しい」に込められた、言葉にはならない暗黙の「でもまぁほら、、、ね?」をきちんと言語化し、問題点をはっきりさせて具体的なアプローチに繋げようという取組をされているのが鈴鹿医療科学大学の濵田 匠先生だった。

濵田先生が活用したSCAT分析では、会話の要素を分析し、それぞれ要素の種類ごとに分類。会話の中に含まれているニュアンスや感情的な背景までを整理整頓していく。いわゆる「暗黙知」が「形式知」に整えられていくのがとても気持ちいい。

このSCAT分析を通して、教員はOTさんのことを単に「身体の動きの専門家」と思っている人が多いけどOT的にはもっと幅広く対応できますよ〜という認識の相違があることを明確にしたのである。

気になる人は「SCAT分析 濵田 匠」で検索したらすぐに論文が出てくるのでぜひおすすめしたい。おもろい。

3.CO-OP

CO-OPはこあっぷと読み、Cognitive Orientation to daily Occupational Performance(日常作業遂行のための認知的アプローチ)の略らしい。

こちらも作業療法に関わるメソッドだが、こちらは「子ども中心(Children centered)」の考え方に徹しているのがなかなかに教育的で良い。子ども自身で建てた目標に、子ども自身が戦略を立てて向かっていく。

踊らされるんじゃなく、自ら踊りたくて踊った方が上達も早いというものだ。実に学びの本質をついた建設的なアプローチだ。会場では大人側のコーディネートの技量による差があることが指摘されており、それは今後の課題としてはあるようだが興味深かった。

読んでみたい書籍↓

5.私たちも発表したんですよ

村上さん
「座位における骨盤角度の多様性による姿勢変化の考察-CASPER APROACH理論を元に-」

かめきち
「座位保持椅子・装置「シュクレシリーズ」を使用した即時的・経時的効果について」

おーくぼ
「自立活動の学習指導要領に対応する道具の開発の必要性」

3人でそれぞれ発表をした。キャスパーアプローチに関する演題は今年度30演題以上になる。それだけ多くの人が多様な分野で注目しているということだろう。

「このキャスパーアプローチの研究というのはどういった形で行われているのですか?」と質問が上がった。

我々の研究チームでもある「New Platform」には本当にいろんな分野の人が、ご自身の現場でどうしたらいいか分からずに途方に暮れてしまうような姿勢の悩みに真摯に向き合っている。その「どうしたらいいんだろう」の先にある試行錯誤の繰り返し。それが質問の答えでもあり、今のキャスパーアプローチなのである。

興味がある人は下記左「New Platform」のQRコード、
もしくは下記右の「Before After集」のQRコードもどうぞ。

事例集とか活動のまとめとか

特に盛り上がりもオチもない文章になってしまったが、備忘録として。学んで、咀嚼して、実践していきたいと思います。

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