お局様をやっつけたい
女性労働者をやってると、年上の女性からいじめのターゲットにされる事がままある。私は気の弱いタイプなので、その経験が豊富だ。
お局のターゲットになる人は
基本的に年下の新人女性がイビリの対象になる。なぜなら、新人はその能力に関わらず必ず先輩よりも職場についての知識が少ないので、お局にとって絶対的弱者であり、圧倒的格下と言える。つまり口答え(反撃)を心配せずに虐める事が出来る。
私は今まで5人のお局被害に合っている。すべて違う職場で、中には男性も居た。
男性の場合は古狸とか老中と呼ぶらしいが、あまり馴染みのない言葉なのでここでは男性でもお局と呼ぶ。
ターゲット診断
まず前提として私の初対面での性質は、大人しくて言い返さない,真面目,地味。つまりよく道を聞かれるような、無害そうなタイプ。我ながら虐めやすそうだ。この逆で、声と態度が大きい派手なタイプは虐められにくい。反発されそうだからだろう。ただ、プライベートでどんなに態度と声がでかいギャルでも、新しい職場のしょっぱなくらいはしおらしいフリもする。そうなるとどんな人でもお局のターゲットになりうる。対処を間違うと後戻り出来なくなるので気をつけたい。
お局のレパートリー
具体的にお局がしてくる事と言えば、無視、邪魔者扱い、暴言、陥れ、文句、奴隷扱い、八つ当たり、ミスの吊し上げ、悪評を流すなど。
これをされると、新人は精神的にも仕事のキャパ的にも参ってしまい、ミスが増えたり仕事に行きたくなくなってくる。ひどい時は鬱や退職に追い込まれる。
一方お局は、隣の芝生は青いから燃やす、若い芽は刈り取る、自分のために他人を踏みつける、そういう思考の持ち主だ。
お局はどうしてそんなに酷い人間に育ったのだろう…。親に愛情をかけてもらえなかったのか、出来の良い兄弟に自分の居場所を取られたのか。はたまた甘やかされ過ぎたのか、人格障害があるのか?一説には人を虐める遺伝子があるらしいが…。
お局対策
以下に私が悩み、苦しみ、考えながら実際に行った対応を紹介する
ケース1、ひたすら言う事を聞く
…私が新卒入社した会社で、初お局にやたらとキツく当たられた時にとった対応。怒鳴られたり、テメエ!と呼ばれたりなかなか暴力的なアラサー女性だったが何をされても服従しますという態度を続けた。辛い仕事を押し付けられても、怒鳴られても黙って耐えた。気まぐれに優しい事もあったが、殆どの日と時間サンドバッグにされ、私は円形脱毛症とうつ病に片足を突っ込んで辞めた。
ケース2、距離をとる。おだてる。
…2社目のお局は、クラブ遊びが好きなウェーイ系ギャルで、年齢も2つ年上と、近かった。私の性質が地味な方だったので、派手でお洒落好きな彼女とは趣味も話も合わなかったがとりあえず無難に褒めておだてて、貴女を尊敬し認めていますという態度をとった。彼女は前社のお局と同様、月の8割はイライラしていて、私は理不尽に休みを減らされたりバカにされたりディスられたりで、過労とストレスでアレルギーを発症して辞めた。
ケース3、上司に相談する。戦う
3社目のお局は、自己愛性人格障害の特徴を備えていた。ネットでよく見る特徴程度だが。
「人から愛されたい、尊敬されたい、その為には周りを蹴落とさなければ!!」の一心で新人の仕事全てに難癖をつけ、無駄なやり直しをさせるお局。技術職であったが、技術についての知識とレベルが一部私の方が上だったので、難癖をつけられた部分に対してこういう理由でここはこうなりますよと反論すると、余計に態度を硬化させ驚くほどの長文ダメ出しメールとやり直しの指示がきた。彼女のダメ出しは例えるなら、二等辺三角形の三辺はすべて同じ長さだ!というような間違いぶりであったが、うちの部署だけが専門性があって、会社全体や部長などの上役はその理屈を勉強していない不理解者だったので放置された。
明確に技術が下の人間に間違ったダメ出しをされて私も苛ついたので、長文説教メールに長文メールで言い返したり、態度を悪くしてみたり、相手の真似をして対抗した。その前には部長に相談したり、本人を呼び出して改善要求したこともあるが、新人を次々に虐めて辞めさせ周りに牙の抜かれた犬を残していくお局のやり方と、それを改善する気のない部長に耐えられず、同じくお局に参っていた後輩らと共に辞めた。
ケース4、社長に相談する
これは男性のお局であった。私がトップの男性社長に気に入られていた(スタッフとして。優遇や依怙贔屓もされていないが、新人ゆえに質問したり指示を受ける回数が多かった)のが嫌だったのだろう。突然してもいない事に言いがかりをつけて叱責してきた。以降、挨拶も全て無視された。私以外の人間にはへいこらして差し入れを配ったりして好かれていたが私だけに理不尽に当たった。
しばらく我慢していたが、社長が人の扱いに長けた人だったので、お局に嫌われていてやりづらいと訴えるとほぼ仕事が被らないように配置してくれ、この男性お局に会う仕事は月に1〜2度くらいに減り会話も必要なく円滑に進むこととなった。
ケース5、無視する
自慢話ばかりするお局だった。仕事出来る自慢、モテ自慢。周りは仕事出来なくて困る、男が言い寄ってくる、など嘘か本当か分からない事を毎日喚いていた。この人には初めは嫌われていなかったので、お局様の話を愛想よくフンフン聞いていた。ところがある日、私が仕事で表彰されるとぱったりとガン無視されるようになった。私物も勝手に捨てられたし、私のした仕事に文句をつけたり、勝手に手を入れてきた。挨拶をしても無視されるので、仕方なく私は彼女を居ないものとして扱った。物が移動されていれば戻したし、私物は彼女に見つからぬように片付けた。幸いこの仕事は短期かつ、お局と業務範囲がまるきり別だったのでギリギリ全うして無事に終了した。
乗り切れるかどうかは、運
以上の経験から、なんとかなったのは社長が動いてくれた時だけで、自力での対応が必要になる環境では攻撃を避けるのは困難な事がわかる。
お局には正論で言い返しても、無茶苦茶な因縁でつけ込んでくるので、恐らくよほど頭の良い人でないと撃退出来ない。もし自分が狙われていなくても、お局が誰かをいじめている職場なら必ず自分の順番が回ってくる。
まともな感覚を持った優しい人であれば、クズに対応するためにクズの演技をするのは至難の技だろう。
辞めるのが一番早いが、もうひとつはまともな上司(できるだけトップ直属)の下で働くことだ。事なかれ主義の無能でなければ、お局の仕打ちを相談すれば配置を変えてくれるだろう。お局は権力に媚び弱者を挫いて自分の座を守るので、こちらも権力を動かして対処する他ない。
しかし残念ながら殆どの場合、権力者は自分に媚びるお局を悪く思わないし、売り上げのない新人に手間を取られたがらないので我慢を勧めてくる。そのような組織では新人が育たず辞め、自分がいくら耐え忍んでもずっと最下位扱いになって先が無いので、やはり辞めるしかない。何度かお局の悪事を説明をしてから辞めると言えば運が良ければ、貴方を引き止めてお局をクビにする会社もあるだろうが、中間管理職の事なかれ主義の上司ならばまず新人を犠牲にする方を選ぶだろう。どんなにデキる優しそうな上司でも、部長程度ではそんなものだ。残念ながら求人票にはそれらの情報もない。
お局は自分の地位を守る事には手段を選ばない。プレゼント、性的なサービスなんでもしている。そんな社内の女廊に後から来たあなたが対抗するには、社長の愛人にでもなる覚悟(もしかしたらお局はもう社長の愛人かも知れない)が必要だろう。しかしそこまでして他人の会社に尽くしたいか?
我慢も手だが、確実に自分の健康を犠牲にするので勧めない。
就職に費やした労力は勿体ないが、逃げるのも勝ちだ。
いじめられたときの心持ち
仕返しをしようがしまいが、いじめられるのは辛い。どうすれば改善出来るのか自分が何か悪いことをしたのかと悩むし、どうして嫌われたのか、裏でもっと酷いことを言われてるのではないか気になって通勤が辛くなる。
気にしない事しか出来ないが、スルーしているとお局側が気にしてほしくていじめイビリが激化することもあるので何らかの対応は必要だと思う。辞めるのが一番いいが生活もあるし責任ある仕事だとそうもいかない。マジで辛い。
一番のおすすめは無視&チクリ
一度お局のターゲットになってしまうと、こちらが我慢しても関係が改善することは無い。ターゲットにならなければ良いがそれも新人側で選べるものではない。
求人してる会社なら我慢すればそのうちターゲットは次の新人に移るが、その新人が逃げて辞めればまた戻ってくる。なので被害を減らすためにまずは、挨拶を止めよう。どうせ無視してくる相手に話し掛けても仕方ない。無駄だし、何度も無視されたのだから挨拶をしなくなるのも当然だろう。あの子は挨拶もしない、と陰口を言われるだろうが、お局以外にはきっちり挨拶をしておけば問題無い。なぜならお局が放置されるような職場は、自分にだけ都合が良ければいいというような上役しか居ないのだから。
チクリは、自分をお局よりも気に入っていると思われる上の者にする。社外の人間でも良い。地位がある人間にだ。いじめられてるなんて脈絡なく自分から言うのははばかられるかも知れないが、それとなく、例えば「こんど飲み会しようよ。お局さんも呼んでさ」と言われたとき「お局さんが来るなら私は行けないです」と言えば大抵は「なんで?」と聞いてくる。そこで「ずっと無視されているし嫌われてます…」としおらしく言う。これはお局に対してどんなに怒りが勝っていても、弱々しく言わなければならない。同情して貰う必要があるからだ。
しかしこれらは殆ど、中間管理職に言っても解決しない。トップに言わなければ状況は動かないし、トップがお局の媚びを気に入ってたり、頼りにしていれば無駄だ。どんなに仕事内容や給料が良くてもあなたが辞めるしかない。悔しいだろうが、他人の作った会社に雇われるとはそういう事だ。だから私は今は個人事業主である。めちゃくちゃ楽だ。
どこにでもお局はいるのか
結論から言うと、居ない職場はある。だけどそれは1度や2度の転職では出会えないかもしれない。私はアルバイトも含めると10社以上は経験しているが、お局様が見当たらなかった(お局が発生する仕組みではなかった)会社は1社のみ。あとはお局が居るものの権力をふるいにくい仕組みの職場が2社ほど。殆どの会社にはお局が居る。理不尽なお局が居る確率は低学歴が多い職場ほど高かったが、下手に頭の良いお局は言い訳の効くようなテクニカルな精神戦でくるので本当にやっかいである。
お局が発生しにくい仕組みの仕事
①出張が多い仕事(取材記者やカメラマン、検針、訪問営業、訪問介護など一人〜少人数で現地へ赴く仕事)
単独での出張が多く、会社へは報告書を提出する程度という仕事はお局に会いにくく、居ても長時間共にしないためほぼ無害。
しかし、移動先で仕事をするという構造上、体力が必要な仕事が多い。
②現場運営など(警備、運営、案内など)
イベント現場での運営は持ち場が一人になる為、上司や先輩の干渉を受けづらい。また、休憩時間もズレるのでお互いにいい人の仮面を保ちやすい。
③研究職
大学院の教授や施設の研究員は、単独でそれぞれの仕事分野があるので良さそうだ。
とにかく単独での仕事が多いこと、コミュニケーションがほぼ必要ない事が必須である。
お局が大発生する仕事
①コミュニケーションや引き継ぎ必須の仕事(看護師、介護士、ネイルサロンや美容室、オフィス事務)
②独特な文化が残る閉鎖的な仕事(教師、農業、スポーツチーム、TV、政界、劇団など)
③女好きの社長の会社(お局が生きやすい)
以上が現時点での私の経験と考察である。
これらの考察が誰かの参考になれば幸い。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?