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ふつうの東京会社員が経験した、生のコロナ禍時系列:前編

自分が生きていて、今後こんなにも人と会わない時があるのだろうか。行動を制限されるときがあるのだろうか。そう考えると、ものすごく貴重な時な時間な気がする。いつかこの時を振り返るときのために書きとめておく。

【2月:遠いデキゴトから身近な問題へ】

2月頭からなんとなく、世間がざわついているのを肌で感じた。けれど私はダイヤモンドプリンセスの事件を横目で見つつ、映画館にもいくし、大好きな銭湯のサウナで汗をながし、ホットヨガで身体をほぐすいつも通りの日々。周りの人もちらほらマスクをしはじめ、「やばいですね~」なんて軽口をたたくレベルだった。(平和だな……)会社も時差通勤を推奨するようになり、不謹慎だけど「自分に使える時間増えたな~」なんて思っていた。実際に『ミッドサマー』を観た後にヨガにいく、というホワイト企業真っ青のアフター5(死語)を過ごしていたわけである。

2月末、少しずつ緊張感が高まってきた。マスクをしない人が非難されるようになってきたのを感じる。私が気づいたときには、コンビニでマスクスペースがぽっかり無くなり、買い占めとかあるんだなあ…とぼんやり思っている間に、ドラッグストアから完全に消えた。買いそびれた私は、人からもらったり両親が送ってくれたマスクでやり過ごしていた。トイレットペーパーやティッシュが品薄になるというデマが流れ、買い占めが殺到。実際に店頭は空になっていた。

2月27日、安倍首相が全国の小中高校などを翌週の3月2日から一斉休校にするよう要請。(要請っていうのがズルい、と今でも思う。自治体に丸投げするというわけだから)子持ちの同僚が慌ただしくなりはじめる。

【3月:本格的にざわつきはじめる】

いきなりの休校要請、到底すんなり受け入れられるわけはない。独身のわたしにだってそれはわかる。会社も対応を取らざるをえず、一部、在宅勤務が許されるように。これはコロナ対策というより休校対策だったと思う。しかし、それから「なぜ子持ちだけ」と不安の声も一部から上がるようになり、結局選択制で在宅勤務が許されるようになった。私は、自分の性格上「在宅だと仕事はかどらないだろうな…」とわかっていたので、普通に通勤していた。

こんな状況でも政府は「オリンピックは絶対にやる」と言っている。いや、無理じゃね? と危機感の著しく低い私でもわかる。でも、国の一大事業として絶対にやらなくては、という気持ちもわかる。しかしオリンピックをやる人がいなければ、見る人がいなければ、できるわけないのがオリンピックだ。その間に入国拒否対象が増え、TDLやサンリオピューロランド、USJ等のテーマパークが続々と休業。ずっと前から楽しみにしていた舞台もミュージカルも休演。推しのアイドルイベンドも延期(のちに中止)。大学主催のOB会イベントも中止。会社帰りに立ち寄っている図書館も縮小営業となり、少しずつ身の回りの日常が崩れていった。

【推しごとが中止になっていく】

このころ、いちばん辛かったのは推しごとが続々と中止になっていったこと。特に私の最推しは期間限定ユニットなので、活動期間が限られている(本来、2020年3月末に卒業だった)。本来であれば、2月~3月は卒業イベント目白押しの涙涙、1年で最も「エモい」とき。彼女たちも今までの活動の集大成として、いつも以上にきらきらと輝く。そんな彼女たちの限りある活動が次々と無くなっていったことが、その姿を見守ることが、最後のお見送りをできないことが、本当に辛かった。

花見の自粛、歓送迎会の自粛、卒業式中止、いつも3月に行われるいつものイベントが続々と世間から無くなっていく…。最後に友人と会って出かけたのも3月下旬が最後。その頃はまだ買い物もいけたし、飲み屋もカフェも普通に営業していた。

【2020年3月25日】小池都知事、「感染爆発の重大局面」週末の不要不急の外出自粛

個人的に、やはりここから一気に緊張感が高まった気がする。その前にも、トイレットペーパーが無くなったり、スーパーの買い占めで棚が空っぽになってるのも見た。3.11のときに「今後の人生でスーパーがこんなに空になることないんだろうな」って思っていたのに、それを上回る勢いで棚が空になっていくのも見た。特にパスタやパスタソース、缶詰を凄い勢いでカゴに入れている人の姿を見て、哀しいというより、ものすごく嫌悪感を抱くような、辛い気持ちだ。

けれど、それ以上だった。
まず、小池都知事の会見で会社から翌日(26日)自宅待機が命じられた。27日から原則全員在宅勤務がスタート。いきなりだったので在宅の準備もしておらず、結局会社にいって必要なものを持って帰ってきた。

いきなりの在宅勤務、連日流れる物々しい報道。
そうこうしてる間に3月は終わったが、本格的な自粛生活は4月からだ。

後半へ続く


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