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デジタイザペン、折れる。

 電子ノートに使っていた、愛用のデジタイザペンであるMR05がついに折れてしまった。

 このところ何とはなしに書きにくさを感じていて、ついつい筆圧が上がり気味だったせいか中央付近の接合部を基点に曲がり始め、とうとう業務中にポロっと逝ってしまった。「逝く」という字はしんにょうに折れると書くのだが、まさに打ってつけの表現だ。いや上手いこと言ってる場合ではない。

 折れたまま使ってみると、ペン先はおろか尻側の消しゴムまでちゃんと機能する。ボディが壊れただけでボンドでくっつけたら大丈夫なようだけど、如何せん一度壊れたものは手直ししてもまた壊れる。ここは新しいものに替える時なのだ。

 以前も紹介しましたが、私はEMRペンをいくつも取り揃えていて代替品には困らない。何ならMR05を交換用にストックしてあるので棚から引っ張り出せば良いのである。

 駄菓子河岸、MR05がFeel IT Technology最強というわけではない。今夏にMR05をブッチ切る性能のペンを見つけてしまった。
 パイロットの「Dr. Grip Digital for Wacom」がそれである。

 EMRペンを見たら先ずは買え。「ペンに沼って幾星霜」で得た結論です。

 一時は市場から消えかかったEMRペンですが、このところ勢いを取り戻した様で互換品がいくつか見つかるようになってきました。
 今ではLAMYやSTEADTLERなど、高級老舗のメーカーも販売していたり。その中でパイロットが出しているEMRペンが「Dr. Grip Digital for Wacom」なのです。

 Dr.Gripは昨年の夏に発売されていましたが、今年の夏に量販店の店頭で偶々目にして購入しました。ユーザーの間で評判が良く、ちょっと気になっていた処だったので。久しぶりにRaytrek Tabを引っ張り出して試し書き。これが冗談抜きで、本当にすごく良い!筆圧も位置精度もこれでもかって位に思い通りに描ける。SupernoteA6X&NOMADに対しても相性が良くて、何なら今すぐメイン使いにしてもイイ!てくらい。
 でもまだMR05が使えるし、といったん棚にしまっておいたのがいよいよ登板か?!となったのです。

 しかしEMRペンには他のストックが。Wacom純正の「CS310UK」と、Raytrek Tabについてきた標準ペン。この標準ペンていうのが侮れない代物で、位置精度に関してはMR05より高い精度を持っている。そこでDr.Drip、CS310UK、Raytrek Tab標準ペンの3種でSupernoteA6Xを使った描き比べをやってみました。

先ずはDr.Gripから。

 やっぱりDr.Gripの圧勝で、位置精度、線の強弱ともに申し分ない仕上がり。なにしろ描いてて楽しい。これが大事。

次はWacom純正のCS310UK。

 次いで「悪くない」印象を受けたのがCS310UK。少々線がベタっとした感じになるのですが、それでもDr.Gripに「ちょい劣る」ってくらいかな。

Raytrek Tab標準ペン。もうベタを塗る気も起きませんでした。

 残念な結果になったのがRaytrek Tab標準ペン。どうも線がベタっとした感じになって冴えない印象。筆圧検知のカーブがリニアに近いんでしょうか。調整できれば問題は解決するのですが、如何せんSupernoteA6Xには筆圧調整の機能がありません。これがPCでClipStudioで使えば問題なく調整できますから、Raytrek TabがClipStudio Debutをバンドルした時点で帳消しになったのでしょう。

 なにしろこのペンが一番安かったもんね。たしか当時1,600円で売ってた。

 ちなみにEMRペンの筆圧調整ですが、NECとLenovoのタブレットPCであれば「ワコムペン」ないし「Lenovo Pen」というアプリで筆圧と位置検出の調整が出来ます。ワコムペンは工場出荷でインストールされてくるアプリなので入手はできませんが、Lenovo PenはMicrosoft StoreからDL可能。ただしインストール時に「ウチのPCじゃないだろコレ?!」と他社製PCではハネられます。試しに中古で購入したLenovo Tablet 10にはインストールできました。しかしTablet 10はAESペンなので使い物になりませんでしたが。

 で、最終的にどれをチョイスしたかと申しますと、Raytrek Tab標準ペンでした(笑
 だってストック含めて2本持ってるんだもの。ペン先の交換ができないペンなので、擦り切れるまでのお付き合いってことで。

 と、使い始めたところで嫌気がさしてしまいまして。だってRaytrek Tab標準ペンにはサイドボタンが無いものですから。会議などで速記メモするのにサイドボタンで消去できるのがすごく便利なのです。
 となると同じくサイドボタンのないDr.Gripも仕事で使うには厳しいかな。すると残りはCS310UKか、MR05のストックか?

 そこでハタと思い出して筆入れを漁ると、出てきましたのがNECのEMRペン「PC-VP-TS12」。Versa Proの中古品を買ったときに一緒についてきた代物ですが、なんとなく他人の使った跡が気になって常用せず、何かのときの緊急用に保管してたモノでした。

たぶん2048階調のペンだと思いますが、結構イイ。

 あらためて使ってみると、悪くない。

という事で、Raytrekが控えとなってPC-VP-TS12がレギュラー入りと決まりました。これが折れたらMR05を下ろそうか。

 Dr.Dripは自宅でイラスト用に活用することに。サイドボタンないけど。
だってDr.Dripは、シリコンラバーのフニフニ感が良いんですから。(笑

タイトルの猫は、Dr.Gripで描きました。

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