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復活のraytrektab

 年のせいか秋口から右手の薬指に関節痛を覚え、そのうち治るかと気長に構えていたが一向にその気配はない。「デジタイザペン、折れる」でも触れましたが此処のところ筆圧が上がっているようで、殊に筆記では曲がりっ放しになる薬指に負担がかかっている様だ。
 
 そのせいか創作活動も鈍りがちで、特にマンガを描くにあたってモチベーションが上がらない。ぼちぼちマンガではなく小説の創作をメインにしようかと考えていたところで、星新一賞の選考に落ちてしまった。
 
 アカン、やっぱり自分にはマンガみたいだ。
 
 こうなると愛しのSupernote A6Xでマンガ制作は正直しんどい。最近は内容だけでなく、画のクオリティも高いものでないと注目されなくなってきている。もっと指の負担を減らし、且つ作画テクニックの底上げを図っていかねばならない。
 
 そこで目を付けたのが「Dr.Grip for Digital」である。このペンの書き味は目を見張るものがある。Dr.Gripは「WACOM One」という普及版の液タブにも推奨されているのだ。つまりDr.GripはWACOM Oneで使ってこそ性能が最大限に発揮されるということ。でも液タブは、XP-PEN Artist13.3proがあるしなぁ。最近あまり使ってなかったけど、新しいものを買うほどか?
 
 Artist13.3proも悪くはないが、率先して使うほどの気にはどうしてもならない。その理由は、高色域のせいか色が思ったように出せないし、長時間の使用で目が疲れる。他にもレスポンスがイマイチだったり傾き検出がシビアだったりと色々あって、トドメは在宅ワーク用にセッティングしたテーブルにPCともども配置したので、冬場は足が寒くて・・・(それは自己都合ってモンだろう)。
 
 この際サイズが小さくても良いから炬燵で作業できるのがイイネってんで(それが最たる理由かい)、ちょっとWACOM Oneに興味を惹かれておりました。とはいえちょっとお値段が・・・という葛藤の中で、遂にその日がやってきます。
 
  その名は「ブラックフライデー」。
 
12インチのWACOM One、DTC121W2Dが44,800円のところ20%オフで35,800円!?
 
 いや待って。ちょっと落ち着いて。また液タブ買うとか、家にいま何台あるの?と逸る気持ちをどうにか抑えて、もう一度XP-PENを調整して最適化しよう!と足掻いてみることにします。

 レスポンスの件は、ドライバーの更新とクリスタの設定変更でまぁまぁ改善。疲れ目は画面輝度をとことん落として良くなりました。傾き検出は慣れでどうにか改善していくかな?としばらくは様子を見ることに。とりあえず妥協点が見つかったあたりでブラックフライデーは去っていきました。残ったのは小さな後悔。いやいいんだ、あれは酸っぱいブドウだよ、と自分に言い聞かせる間に、WACOMは次の刺客を放ってきた。
 
  アウトレット・セールだ。
 
 外装に傷があるけど中身は未開封で20%オフ、と二発目のブローが繰り出された。残念ながら、それに抗う気力は私に残ってはいなかった。。

堂々とラベル貼ってますが、傷らしいものは見当たらないきれいな状態でした。

 そんな訳で、12月の第3週にDTC121W2Dが届いちゃったのですが、W2Dは本体のみのオプションなし。PCとの接続ケーブルとペンは追加で頼まなければなりません。WACOM One専用ペンは何か安っぽくて気が引けたのですが、実力のほどは使ってみなければわからない。何度も言うようですが「EMRペンは見つけたら先ずは買え。」なのでチョイスしました。
 ケーブルは・・・ああType-Cの3in1ケーブルならXP-PENに付属したのがあるじゃない?と付けないことにしたのですが、これが後になって後悔するハメになります。
 
 ケーブルはそのままでXP-PENをPCから外し、その先にWACOM Oneを繋いでみると反応がない。いや反応してた。WACOM Oneの電源ボタン横のLEDがピコピコピコピコ点滅してる。
 
 なんだ?まさか初期不良か?!と一瞬ビビったのですが、LED表示のエラーモードを調べてみたら「電力不足」とある。なんだバスパワーが足らんのか。
 WACOM Oneは電力確保のため、Type-Cコネクタが2つ実装されている。もう片方に外部電源をつなげば一件落着、にはならなかった。5V2AのUSB電源をつないでみたがピコピコは収まらない。そういえば最近の機器は2A程度じゃ物足りないのが増えたよなぁ、とQC3.0のモバイルバッテリーをあてがって、やっとピコピコは収まった。
 
 そしてその先に、次の壁が待っていたのだ。
 
 やっと動き出したかと思ったら、WACOM Oneは「No SIGNAL」、PC側に「ディスプレイの接続が制限される場合があります。」とお互いを頑なに拒んでくる。初めてお目にかかるエラーメッセージに状況が把握できない。ひたすらググって漸く2つの原因を見つけ出します。
 
 ・ケーブルが実は規格外。
 ・やっぱりWACOM Oneの初期不良。
 
 後者はなんとしても避けたい。この年の瀬にサポセンとやり取りしてる間に正月を挟んでしまう。
 となるとケーブルを換えて様子を見たい。しかしここで使っているのは特殊な3in1ケーブルだ。代用になるものなんて早々手に入らないだろう。
 
 それでは1本ケーブル、Type-C to Type-C接続で確認するには・・・そうだraytrektabがウチにはあった!
 
 XP-PEN Artist13.3proの導入以降、持て余して埃を被っていたraytrektab。raytrektabの入力端子はType-C一本と、男気に溢れたタブレットなのだ。ここから映像出力もできたはず。
 全身全霊の期待を込めて。raytrektabとWACOM OneのType-Cを結線する。が。しかしウンともスンとも。こりゃいよいよ初期不良かなぁ?と肩を落としながらも、一縷の望みをかけてネットで調べると・・・あった!!
 
「Type-Cケーブルには映像対応のモノがある。」
 
 ああこれか。翌朝を待ってジョーシンまで買い求めに行きましたよ。近所のホームセンターには置いてなかった。まぁちょっとお高いケーブルでしたからね。
 
 相変わらず「ディスプレイの接続には制限云々・・・」の表示が出るけれど、WACOM Oneは無事にPC画面を表示した。良かった、初期不良じゃなかったよ。でもよくよく考えたら、「No SIGNAL」の表示がちゃんと出てるんだからWACOM Oneは壊れてないだろう。焦って損した気分だよ。
 
 だが行く手にはちょこちょこ不具合が。raytrektabは縦型タブレットのため、クローン表示にするとペンカーソルの動きが上下と左右、入れ替わってしまうのだ。しかしこれは拡張表示に設定を変えるとあっさり解決。メインメモリが8GBしかないから、あんまりバッファを消費したくなかったけど仕方がない。これでやっと、WACOM Oneのお試しができました。

とりあえず標準ペンで。軽くて使いやすかったです。

 しかしたったひとつのType-C端子が埋まってしまったので、raytrektabにバッテリーが供給されずぐんぐん電力消費される。休憩を挟みながら使えばいいかな?と思ったけど、試しにWACOM Oneの余った端子に電源を繋いでみる。するとWACOM Oneからraytrektabにバスパワーが供給されるじゃないですか。Type-Cの仕様で、ロールスワップというのだそうな。但しつないだ電源というのはLenovoのPC用電源で45W出力。raytrektabの30W電源ではロールスワップには足りなかったのでご注意を。
 この外部電源追加で、「接続には制限が・・・」の警告メッセージは出なくなりました。バスパワーが足りなかっただけみたい。

タッチが使えないので左手デバイスが必要に。でも接続がこれだけでスッキリしてます。

 そんなこんなで、我が家のraytrektabは華麗に現場復帰となりました。もっとも、追加で頼んだ3in1ケーブルが届くまでの間ですが。

 WACOM Oneの購入を検討されている方は悪い事ぁ言わねぇ、ちゃんと純正ケーブルも頼んでおきなさい。見てくれはブサイクだけど、いい仕事しますよきっと。

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