フリーゲーム作者からインディーゲーム作者への移行ガイドライン 契約編

◆つづき
この記事の続きです。
概念や世界観などを説明していきましたが、
今回は具体的な話にシフトできればと思います。

◆パブリッシャー
パブリッシャーというのが具体的によくわかっていない方も多いと思いますが、パブリッシャーはいわゆる出版社であり、デベロッパーである開発スタジオの作品を宣伝して売ったり、資金を提供し、制作してもらい、売るといった役割があります。
もちろん、開発支援は状況によりますが、いわゆるインディゲームのパブリッシャーというのは出版社であるため、フリーの専門職の方やパブリッシャー内部の専門職の人たちに受発注することはしますが、基本的に開発をしてくれる方々ではないです。

何をやっているかというと、宣伝やサポート周り、翻訳やPV、場合によっては資金提供など、開発者の手が届きづらい場所をサポートする役割を持っています。

サポート内容によってはやってくれるパブリッシャーもいれば、
そうでないパブリッシャーも中には存在し、
さらにいうと、得意不得意も存在します。
もちろん、不得意だらけなパブリッシャーも中には存在します。

さらにいうと、相性が存在し、
相性次第ではあまり良くなかった的なことが起こるケースも多々あります。

ここまで書いておいて何をどうすればいいんだ!

って話になると思います。

まず、パブリッシャーの探し方なのですが、
・リファラル(紹介)
・ミートアップや展示会などのイベント
・コミュニティ
・自己推薦
・お誘い
といった方法があります。

遭遇する確率を上げるにはどうすればいいか。
なるべく目立つ他ありません。
「ミートアップや展示会などに頻繁に顔を出し、
 コミュニティに積極的に参加し、横のつながりを増やす」
これが最適解となります。
パブリッシャーと契約している方に酒の席でパブリッシャーどう?と聞きましょう。NDA(秘密保持契約)以外はきっと教えてくれると思います。

逆にパブリッシャー的に見るところでいうと、
・会社のカラーに合っているかどうか
・パブリッシュする価値があるかどうか
・翻訳費用などの開発周りにかかる値段
・やる気
・自分がパブリッシュしたいかどうか
などとなります。
もちろん、パブリッシャーによっては価値観は大きく変わりますし、
状況や状態によってがらりと変わったりする場合が多いあります。

大体翻訳をお願いする場合は文字数を聞かれる場合が多いです。
多量であればあるほどお金がかかります。

また、誘われたからといってつい契約書を読まずに
割印を押すのはやめにしましょう。
大事なことが書かれています。

契約書は大事に保管しておいてください。
破り捨てたら収集つかなくなります。
あと、契約内容も基本はNDAに該当するものになります。
あまり人に見せるものではないです。

サンプルで海外パブリッシャーが提示してくれているので、
暇な方は読んでみるのもおすすめです。

資金提供を受ける場合があるかもしれませんが、
相応のデメリットも準備されていることが多いので、
注意しておいたほうが良いと思います。

詳しい内容は過去記事に記載しております。
もしよければ。

◆翻訳
ゲームを販売するにあたって、
翻訳も大事なファクターの一つになります。
翻訳するしないによっては海外ユーザーに広げられるか否かが決まります。

もちろん、有志翻訳はありますが、知名度が必要ですし、
有志翻訳は翻訳した当人の著作権がかかっており、
他プラットフォーム展開やパブリッシャーと契約する際に
権利的にトラブルになる確率が高いです。

もちろん、文字数やクオリティや人によって値段はそれぞれ異なりますが、
日英翻訳で10円/文字と考えると良いと思います。
ですので、10万文字となると、100万円になります。
高いですね。

さらにいうと、翻訳されているかどうかのチェック(Linguistic Quality Assurance)があり、さらにお金がかかることになります。もちろん、翻訳しないという選択肢も後から翻訳追加ということもできなくはないです。

また、翻訳するにあたってはExcelシートでやりとりすることになります。
なので、テキストをエディタに直接打ち込んでいる人はなんらかの形でシートにする必要が出てきます。でないと翻訳の仕事ができないからです。エディタから直接翻訳かけてくれる方も中にはいますが、なかなか稀な存在になります。

お金
お金は大事な存在です。
生活資金もそうですが、
他の専門家に依頼する際の資金も大事です。
油断しているとあっという間に資金を溶かすことになります。
(中には500万を平気で溶かした方々も中にはいるとかなんとか)

お金は大事ですが、生活は大事です。

◆悪い人
フリーゲームを作っている方々はすでに体感しているかもしれませんが、インディーゲームもまた開発をしていると悪い人たちと遭遇する機会が増えてきます。

・有名タイトルに関わったことをやたらちらつかせてくる
・有名パブリッシャー出身者もしくは大企業出身であることをちらつかせてくる
・やたら著名人の名前を出してくる

これらの条件が揃った方になんらかの勧誘をされた場合は要注意です。
遭遇されたことや聞いたことあるかたも少なくないかと思われます。
また、企業であるケースもあるので注意が必要です。

横のつながりを作っておくと回避できるケースがあるので、
横のつながりは大事です。

◆リリースタイミング
リリースタイミングはとても重要です。
Steamにはサマーセールとウィンターセールの2つが存在し、
どちらもセールで埋もれてしまうので、
公式直々にやめておいたほうがいいと言われているほどです。

有名作が出てきたから埋もれちゃう!という考えの方も居るのですが、
実際体験してみるとそうでもなく、
逆に相乗効果が狙えたりしますし、
販売戦略の一貫としてはアリなかんがえかたです。

準備はしっかりしておきましょう。
いきなりリリースではなく、
ストアページを年単位で宣伝し、
ウィッシュリストなどを十分に貯めてからリリースしましょう。
あと、数ヶ月ぐらいサポートが必要なゲームも中には存在するので、
そこまで体力を持たせないと結構きついです。

アーリーアクセスは要注意です。
そこまでの評価でレビューされてしまうのと
完成までのアップデートを要求されてしまいます。
Steam編なるものがあれば、
解説できればと思います。

◆まとめ
横のつながりはとっても大事です。
次回はインディーゲームイベントについて書こうと思います。

おすすめの資料紹介をして今回は締めようと思います。

インディーゲームのほしかった情報がのっている書籍です。
共通項目が多いですが、一読しておくと良いと思います。

インディーゲームを題材にした漫画になります。
美少女2人をおじさんにするとあらリアルに…
綿密に取材がされているだけあって、
考証がよく描かれている漫画となります。
(私もかくいう闇の部分で取材を受けましたが、
私が教えた闇の部分が深すぎたせいか出てきてはいません)


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