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大きな変化

今年のバンドでのことを振り返ろうとこの文章を書き始めました。
ここに書くには書ききれないほどのことがあった1年間だったと感じています。
なのでわたしの中での1番の変化について綴りたいと思います。

この変化は10月のこと。
わたしはそれまで自分の「歌」に自信がありませんでした。
歌が下手だと言われたこと、他のメンバーばかりが褒められること、理由は沢山ありました。
自信のある振りをしていたけれど、自分の歌がコンプレックスで仕方がなかったし、怖くて怖くて仕方がありませんでした。
活動休止期間中にバンド解散の話が出たことも怖さの理由でした。
メンバーを楽しませていたい、まず自分たちが楽しまなくちゃ、また解散の話が出たらどうしよう…
そんなことがずっとずっと心の中にありました。歌うときもメンバーの顔色を伺ってばかりだったと思います。
「調子の良い歌」を決めるのはメンバーの言葉であり、わたしではなかったのです。

その日も誰かと比較して自分の良さがわからなくなっていました。
弱音を吐いたわたしにつるちゃんが掛けた言葉は優しい言葉とは言い難かったです。
最大の味方を失ってしまった様な気持ちでした。たくさんたくさん涙を流しました。
けれどおかしな話なのです。
つるちゃんが良いと言わなかったらわたしの歌は良いものじゃないのだろうか?
わたしが歌を歌おうと思ったのは誰かの為だったのだろうか?


答えは否でした。
わたしはわたしの為に音楽を始めました。
下手くそでも歌うのが好きだったし、自分の言葉で感情を歌っていたかったのです。
歌はわたしを愛すため手段であり、それは誰かにとやかく言われるものではないのです。
誰かのおかげでしか自分を愛せないなんて馬鹿げた話で、たとえ誰もわたしの歌を愛してくれなくてもわたしがわたしを愛していたらそれでいいんだ。
そう思ったら今までわたしの「調子の良さ」を決められてきたことに腹まで立ってきました。
わたしが楽しくて何が悪い?
勝手に良いとか悪いとか決めんな!
いつだって最高の歌歌ってるだろ!
なんて。

今までも別に誰にも決められてなんかなかったことはわかってはいます。
とても当たり前なことなのも今ならわかります。それでもそれに気づけるのに長い時間がかかってしまいました。
恐らく、24年間生きてきた中で1番大きな心の変化だったと感じています。

そこから沢山の変化がありました。
スタジオで歌った時、メンバー全員が変化に気づいてくれました。
わたしに合わせようと変化してくれました。
楽しいと言ってもらえました。
新しい事を始めようと思い、イラストを更新するようになりました。
そこから新しい繋がりが出来ました。
自分の歌が好きになりました。
自分のことも少し好きになりました。
自信を持って聴いて欲しいと言えるようになりました。
わたしを知って欲しい欲が出ました。
そうしてこの文章を書いています。

ここまで読んでくれた優しいあなたに伝えたいことは、あなたを救うのはいつだってあなただということ。
わたしの歌や音楽では誰のことも救うことなんてできないと思っています。
ただ、あなたがあなたを愛してあげるお手伝いが出来たなら、わたしはとても幸せです。
簡単ではないことはわかっています。
だからこそ諦めて欲しくないと強く思ってしまうのです。
あなたがあなたを愛せたら、少しだけ素敵な明日になると信じています。



【追記】
わたしはわたしの歌を誰よりも愛しています。
そしてわたしの次にわたしの歌を愛しているのは、つるちゃんだと思います。
とても幸せなことですね。

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