プロポーザルを書く時に意識すること①仕様書の読み方
仕事で提案書を書いたりすることは多いかなと思いますが、今回はちょっと特殊な、行政のプロポーザル(特にソフト事業)を書く時に意識していることの覚書です。
これまで自分で書くことも多かったけれど、最近ほか人が出すプロポーザルの相談に乗ったり、他企業のプロポーザルを書いたりして、自分の中でプロポーザルを書く時に意識することが一般化がされたので、忘れないように残します。あくまで自分流なのであしからず。
①事業の実態を正しく理解する
特に委託事業のプロポーザルは、「やりたいことがあるけれど、自分たちではできない」ので国や自治体が外出ししているし、補助事業の場合も「こういう状態を作りたい・応援したい」という理想があって、募集されている。何を目指す事業なのかを正しく理解することが応募する際の前提になる。当たり前のように仕様書の事業目的だけ読んで理解したつもりになっていると、ズレた提案になっていることが良くある。
・相手のニーズを読み解く
こういうことを目指していますというのは多くの場合「仕様書」という形で世の中に公開されている。これが相手が「この事業でやってほしいこと・期待すること」の骨子になっている。なので、まずは仕様書を隅から隅まで読み込むし、仕様書に書いていないことは、調べて想定する。
<仕様書に書いてあることから想像できることの例>
・そもそもどの部署がやっている事業なの?(移住支援・産業振興・教育、など同じような事業名でも出している部署によって、最終的に達成したい目的が大きく異なる)
<仕様書に書いていないけど調べて想定することの例>
・その部署はほかにどんな事業をやっているの?
・同じ役場、近い部門の中にどんな分野があるの?
・今年から始まったの?前からやっているの?
・前にやっていたら、前はどこが採っていたの?その時はなにが優位性だったのか?
・事業全体の中でどのくらいの予算割合を占めるものなの?
・国や県が類似の事業をやっていないか・委員会を開いていないか?その委員会では何が話されていて、どんな論点なのか など
それによって、事業の位置づけや優先順位、仕様書の中でも特に達成したいことがクリアになることが多い。
②それに自分たちは応えられるのか?応えたいのか?
相手のニーズが分かったら、自分たちがそれを満たせるのかどうかを検討していく。補助事業は自分たちが目指したい事業の姿があることがほとんどだと思いますが、特に委託事業は、主体は発注側(行政)にあるので、こちらは出しても出さなくてもよいのです。その時になぜ出すのか?を考えることが、自社にとっても意味ある事業にしていくポイントかなと。
・相手のニーズを満たせる自社の強みを想定する
そもそも相手のニーズを満たせないと始まらないので、自社の強みは先に想定しておきたい。この強みが明確であるほど、この後の提案も書きやすい。
そして、それは求められている金額の範囲内で達成できるのかの意思決定をできること。人員体制、工数、場合によっては外部との連携など必要な金額をこの時点でなんとなくイメージ出来ることが重要。
もし能力的には満たせそうでも金額が割に合わないなら、以下の事業としての投資的判断ができるかどうかで判断するのがよさそう。
・自社にとってやる意味はあるのか?
ニーズが満たせそうなのであれば、なぜ今回この事業をやるのか、を明らかに。行政事業の多くは1年単位での契約更新が多いため、中長期的な計画が立てづらいという特徴がある。とはいえ、自社の事業は基本的にはそれに関わらずどんどん先に進んでいくため、ただお金のためにやっただけではなく、何か次に繋がる新たな発見が得られるとより良い。
例えば、実績になり得るものか、新たな商品のモデルになり得るかどうか、新たな顧客の開拓に繋がりそうか、長期的な信頼に繋がるものか、社内の人材育成に繋がりそうか、など理由は様々あるはず。
金額と多少のこじつけだとしても、自社として、なぜこの一年わざわざこの事業をやるのかを明らかにしておくことは、たとえ想定通りに進まなかったとしても、後に振り返り、判断ができるという意味でとても価値が高い。と思う。(多くの事業は、想定通りには進まないので)
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予想以上に長くなりすぎたので記事を分けました。まずは仕様書の読み方編で力尽きました。(先が長い…)
言語化してみたら、仕様書を読むだけで無意識に気を付けていることがこんなにあったのにびっくり。。そして本当に書きたかった、書く時のポイント編まで全然たどり着かなかった。