ってかどこが好きなの?|日向坂46 10thシングル『Am I ready?』収録曲感想
うさぎからしか摂取できないウサギイオンを浴びています
こんにちは。
バラエティに富んだ種々の活動の中でYouTubeの日向坂ちゃんねるだけが抜群に好調でおなじみの日向坂46ですが、そんな状況でもグループの短期的・長期的目標すら教えてくれなかったり(聖地化はノーカン)となかなか渋めに感じます。
グループの現状の大きな流れとして言われているのは、2022年3月末の東京ドーム公演以降、これまでプロダクトではなく自然に成立した物語性とメンバーのホスピタリティのおかげで売れていたのが、前者を自力で作り上げられないために、これまでメンバー人気に甘えて妥協してきたクリエイティブで戦うことになり箱として苦戦している的なところで、メンバー個人人気の比率の上昇によってファンの求めるものもバラバラになってるっぽい(?)し、もうどうすればいいの〜〜??みたいな感じなんでしょうか(個人的にはプロダクトの質さえ良ければ解決する話にも思えますが)。
普通ならファン含めてエコーチェンバーで同じ狭い方向しか向けなくなってしまいそうなんですが、行き当たりばったりな施策(ノーカンのやつとか)ばかりで壮大な構想が見えないために熱量が分散してしまっている、とかもあるのかしら。
まぁそんな中で新曲の感想を書いていくわけですが、せっかくなので今回はその過程でこういうの見たいな〜、聴いてみたいな〜ぐらいの温度感で日向坂に対する願望もちょっと書いていこうかなと思います。
あと願望に関連して、なんかファンの志向がバラバラらしいので、何が好きかの評価軸みたいな部分がある程度分かるように表題曲ソート(せるふ)も書きます(やりたかっただけ)。やりたかっただけです。
羽生さんも浴びているウサギイオン あなたも…
日向坂46表題曲好きな順
単純に『僕なんか』より前のシングルの評価はnoteで書いてなかったので、ランキングとひとこと感想みたいな感じでとりあえず書いておきます。
1 キュン
2 ってか
3 ドレミソラシド
4 君しか勝たん
5 Am I ready?
6 アザトカワイイ
7 月と星が踊るMidnight
8 僕なんか
9 こんなに好きになっちゃっていいの?
10 ソンナコトナイヨ
11 One choice
『キュン』
結局野村曲はストーリー性のある歌詞が合うと思う。フレッシュなサウンド感の中で調性の揺らぎがグループの物語性とも噛み合って奥深く、サビのメロディ/コード進行(4536→丸サの形)もドンピシャ。あとこさかなが可愛い。
『ってか』
YOASOBIフォロワーとして聴くと野暮ったさも感じるが、そこにヒーローソングという解釈が加わると一気にまとまりが良くなる印象。勝負所として全てを出し切るようなパフォーマンスも噛み合ってる。
『ドレミソラシド』
キュンの勢いそのままフレッシュに夏を駆けぬける。日本レコード大賞2019での雄大なアレンジは素晴らしかった。こさかなが可愛い。
そういえば秋元先生もうこれ以降日向坂への興味失っちゃったんですかね。着想の面白さとかもなくなっちゃった。
『君しか勝たん』
割ともう消去法。曲としては懐古主義的なサウンドが少し気になるけれどループ構造のサビメロなんかは面白くて程よく聴ける印象。歌詞が雑魚すぎるのが難点。史帆さんセンターなのにスケジューリングが終わってて普通に怒りの感情しか湧かなかった。
日向坂の紅白パフォーマンスの中ではしかたんが一番だと思う。
『アザトカワイイ』
楽曲の全要素があんまり好きじゃないんですけど世間的には知られてそうな楽曲。ただ頭を空っぽにして聴くと楽しいのはある。
『月と星が踊るMidnight』
歌詞詰め込みソングで嫌いなんですが京子さんは満足してそうなのでいいんじゃないですか。ジャンプが揃うとこがかっこ良いと思います。
『僕なんか』
淡白すぎるけど好きな人は好きなんじゃないでしょうか。こさかな復帰できてよかった。
『こんなに好きになっちゃっていいの?』
他が薄すぎるだけでビートは悪くないと思う。MVのデニム金村さんは素晴らしい。
『ソンナコトナイヨ』
ひねりが欲しいというか、志が低いのがあんまり好きになれない。パフォーマンスはメンバーの体力面での摩耗に釣り合ってないな〜と思った。
『One choice』
ミスマッチなコンセプトに凡庸な出来で、せっかくの丹生ちゃんセンターを無駄遣いしないでほしかった。ワンハーフでも同じサビが3回でてくるけど披露するたびにファン減ってない?
気づいたらランキング下位に対するコメントが坊主憎けりゃになるキスブサ方式になっていたので結局評価軸とかはあんまり伝わってないような気がします。
10thシングル収録曲感想
『Am I ready?』
・ひなのちゃんがセンターの10thシングル表題曲は、程よくミントが香るような夏の爽やかリフレッシュソング。TikTokとかでウケがちな、とにかくサビにポップネスやエモが濃縮された楽曲群に対するカウンターとも取れるような、ミディアムテンポで玄妙な味わいのお上品エレクトロポップ。
・Aメロからずっと高めなキーがメンバーの適正音域からは外れてそうで、歌声にあまり清涼感が感じられないのは気になる。歌い出しのひなのちゃんとか結構キツそうだし(ひなのちゃんの特徴的な歌い方(昭和歌謡っぽい節回し?)それ自体については、丸顔でホワホワしてて可愛らしい〜感じとのギャップとしてアリだと思う)。
歌唱力のある人たちが2列目に固められてるのは少しもったいないなぁと思う2番Aメロ。
・ヨナ抜き風のメロディや定期的に出てくるマイナーっぽく終わるフレーズでちょっと日本の歌謡曲っぽいテイストも感じる。細かい変化はあれど、Cメロまでは同じようなメロディに、エモが排除された淡白な循環コード(それこそJust the two of us進行とかの対極)で平坦に展開していく印象。聴いてて良いのか悪いのかよく分からない曲です。
・曲想は主にリズムやサウンド感で変化。これまでの表題曲と趣が異なりいつものギターもいないサウンドは新鮮で悪くはないけれど、最終的には卑近な坂道アレンジでまとめられてる印象で、もっとビートも冒険して振り切った感じだったら好きだったなぁと思う。サビ終わりのシンセとかもっと目立って良いんじゃないかしら。
・Cメロが明確に聴きどころなのかなと感じる(聴きどころという言葉はあまり好きではありませんが)。転調に加えてコレオでもギアが上がる部分で、テレビサイズだと本当にサビぐらいの役割を担っている気がします。
・転調するところで鳴ってる不思議な感じのメロディは櫻坂46『Start over!』Cメロ頭のピアノ駆け上がりと同じ音階で、アレンジ次第でここまで印象が変わるのは面白いですね(おもしろ音楽トリビア)。
・歌詞は薄め。具体的な情景描写がなされないタイプの歌詞で、楽曲の核となる比喩表現である「恋の導火線」も周辺のフレーズとの繋がりが見えづらくて(〈準備OK?〉ぐらいですか)、とにかく薄い。〈恋の導火線 点火しないわ〉とか〈宙ぶらりん ねぇ…〉の語呂はそこまで悪くないんですけど……洋楽(ふわっとした表現)意識で楽曲のストーリーよりある程度言葉の響きにプライオリティが置かれているんだろうとは思いますが、どうしてもワードが弱くて冗長的に感じてしまいます(それでもOne choiceよりはマシ)。
今まで日向坂でこういう相手のどこが好きなのか見えてこない恋愛ソングはほとんど評価されてきてないと思うんですが、フィードバックはちゃんと行われているんですかね。
・音楽ナタリーのインタビューで久美さんが「女の子が抱く“恋のワクワク感”を詰め込んだ歌詞」として〈恋の導火線〜〉を軸に話していて、やっぱりワードはそこになるよなぁと思った。
・作品としてはミュージックビデオが趣向っぽい。恋する女の子(および上村ひなの)のカオスな脳内をポップでキュートに表現したというMVは韓国からスタッフを招いて制作されたらしく、映像の色味や質感であったり、ズームイン・アウト、回転とカメラが動き続けるのも自然。
・監督自体は『青春の馬』や『アザトカワイイ』の白石監督。白石監督が手掛けるMVは一曲を通して世界観が統一されている印象で、初見時の全体絵とかテレビで紹介される分にはインパクトもある。個人的にはセンター以外の画がワンパターンですぐ退屈になってしまう。
(こんなビジュにフォーカスするんだったらセンターこしゃ+としきょんみたいな古き良き日向坂スタイルの方が合ってそう)
・Cメロのアニメーションパートは面白い。もはやオアシス。
プリキュア的変身が指すものは心の準備? グループのストーリーとしては「秘蔵っ子からエースへ」みたいなのがしっくり来そうだけど、実際どうかは知らない。金魚のキモみに対して女の子のビジュが絶妙に野暮ったいのは逆に新鮮。
(MVのコメント欄「○○ちゃん可愛い〜🫶大優勝!」みたいなのだけじゃなく結構いい視点で褒めてるのもあって意外だった)
・振付はうさぎの耳やメイクをする仕草をモチーフにした可愛らしい感じの仕上がりで、サビはちょっと盆踊りっぽくもある。楽曲のテンポやメロディの歌謡曲っぽさにも合って親しみやすい。『ドレミソラシド』や『君しか勝たん』同様、顔周りのシンプルなダンス+ステップの構成で基本的に間違いはない一方で、パッケージで「実は結構踊れるんですよ!」が見えづらく、ファンとしてはスキル持て余し感を覚えてしまう。
なっちょさんがサリマカシーラジオ(7月25日放送分)で「激しくはないけど揃えるのが難しい振付」みたいに語っていて、確かにひなリハの全体画で見てみると、フォーメーション移動と併せてそういうのを感じるところもある。振付は間奏~2番の方が好きかも。
(余談ですが、なっちょさんは他にも「盛り上がりどころ満載のTHE・夏曲ではないけど、~」みたいにも言っていたり、『One chioce』の時もそうでしたが、そういう受け取り手の空気を察知してリカバリーする能力はすごいなぁと思います)
・ただテレビ披露だと結局顔のアップが多かったりして、見てる側にいまいち伝わらない部分はある。
ついこの間も坂とNJの名前を出した的外れな分析が話題になっていましたが(なんか自分の言説に援用できそうなリアクションだけRTして、まともな反論に対してはお利口さんムーブで逃げちゃうタイプの方で残念)、そういうリソースの分配やストラテジーとかを考えることなく、安易な対立煽りに加担して一方に「真面目に努力をしてこなかったからだ」みたいなレッテルを貼ろうとしてしまう人たち(私たち)にも伝わるような「分かりやすさ」は精神衛生上あってほしいな~と思いますね。
(ただこれも『One choice』までで一切の信用を失ったのが悪いだけな気もする)
・フロントだとやっぱり松田さんのダンスが絶品。
・2Aのこさかなが可愛すぎて幸せ(ひなリハでは見れませんが)。だからこそ数年間でマネジメントしっかりできなかったものかと考えてしまう。
・サビ終わりのひなのちゃん毎回すごい肩に力入ってるのはなんなんですか。
・Cメロ終わりのキスのやつ毎回ゴチャっとしてるの気になっちゃう。手のひらの振りがダダダダダン♪と合ってないと一気に印象がチープになる気がする。
・アウトロのステップは好きなのでもっと見たい。やっぱりチャキチャキ踊ってるのが見たいんですかね。
・ランキングでは君しか勝たんの一つ下に入れてますが、系統も似てますしまぁそんなもんなんじゃないかと思います。
『見たことない魔物』
・歌い出しにもなっているサビ後半フレーズと軽快なビートが印象的なアイドルポップ。展開がはっきりした構成でサビが二段構えなのも野村曲らしい。
(たぶん「サビ後半」という表現は適切ではないんですけどこういうセクションの正しい呼称を私は知りません)
・シンセの音色が特徴的なサビ後半は昔の映画の曲のオマージュらしい。キーの主音が目立つフレーズの力強さ+元曲と異なるコード進行による微妙な違和感が〈それでも前に進む〜〉という歌詞と妙に調和して耳に残る。サビ前半はメロディのジャンプがちょっと抑え気味(乃木坂46『ロマンスのスタート』あたりと比べるのが分かりやすい)な程よい良メロで、サブドミナントマイナー的な切ない響きと合わせて逆接(?)の〈それでも〉までサッと繋ぐような感じ。サビ終わりのキメ顔選手権頑張りましょう。
・歌詞 情景→心の動き→告白みたいな王道の流れの青春っぽいお話で、ギリ友情と恋愛の両方で読めそうなのが面白い。MVは明るい感じだけど歌詞で描かれているのは割と暗闇。
タイトルの「魔物」について、いわゆる“甲子園の魔物”的な用法もあるんじゃない?みたいな解釈を見かけて、確かになぁと思った。
・〈恐ろしいもの〉←好きじゃない譜割り(「恐ろしもの」になっちゃう)
・もう藤嶌さんの歌声は完全に即戦力なんですね。本当にikuraちゃんみたいな要素持ってる。
(ちなみに個人PVをクリエイティブの場にしてもシングルが保守的になる必要はないと思います)
・ひらほちゃんの声がいいのかもしれないな。単純に好み。
・MVは『ドレミソラシド』のリバイバルで、まさに王道の夏曲〜っぽい感じ(ドレミはピンクと水色のペールカラーでより爽やかな雰囲気だった)。
ただ、スキルもナラティブもこれからな四期生が日向坂をそのままなぞって何になるんだろうという意見はある。歌詞合わせのストーリーMVの方が見てみたかった感はあるけど歌詞が間に合ってたのかは知らない。
『接触と感情』
・ミョンミョン鳴ってるシンセのリフが耳に残る丸サ進行系エレクトロポップ。ごちゃごちゃしたサウンドが少し前のボカロっぽくて、10thシングル収録曲の中では一番好み(というかこれ以外はまず聴かない)。
・みんな大好き丸サ進行が軸なので一定の満足感はある。よく2期生曲で鳴ってる謎暴れシンセも丸サに乗せたら良くなるんですね。
インスト部分ではⅢ7の根音をベースで経由する形になっていてサウンドが少し曖昧な感じ。BメロのE→D→C♯とベースラインをひっくり返したような勾配のコーラスも絶妙に妖しくて良い情感。
・楽曲の雰囲気が一変するBメロが一つポイントになりそう。櫻坂46のライブにおいて一定の重要性を持った『Dead end』や『Cool』のようなピカルディ終止系のダンスミュージックのテイストが同主調転調と共に差し込まれるセクションによって「踊れる」曲としてアピールされる感じ。こういう曲は往々にしてライブ環境で映えがち(ミニラじゃダメ)なので、直近のツアーでの披露が楽しみですね(どうせカップリング曲なんだから音源の段階でもっと重低音鳴っててもよくない?とは思う)。会場のボルテージの具合も気になる。
・もう一つ気になっているのがコレオでの解釈で、サビで同様のコード進行が部分的に使用されている『アディショナルタイム』(こっちはサウンドがロック寄りで『接触と感情』とは大きく印象が異なりますが)のチャキチャキぴょんぴょんな振付が個人的にイマイチ噛み砕けていないのもあって、振付も含めて是非ライブで見てみたい一曲なのかなと思います。
・全体的にボーカルも良い。サビは特に日向坂の歌声(ハモリも)が活かされてる感じがする。
Cメロ歌い出しだけそこまで力まなくても大丈夫なんじゃない?ってなる。
(でも今のひなのちゃんのポジション難しすぎるよなぁ…とは思う。最年少の秘蔵っ子として入ってきてからしばらく経って同期が増えて、上の世代の根強い人気に対して何とか3期で行けそうか…!というところで4期が入ってきて、グループの新陳代謝のためにもエース格にはなりたいけど、かといってそこまでたくさん経験を積ませてもらってきてるわけでもなく、だからこそドラマと写真集も合わせてここで頑張りたい……みたいな、ちょっと背負ってるものがあまりに重すぎて心配になる)
・主張しすぎないギターソロの間奏はアウトロのように聴こえる(ここで終わっても割と違和感ないと思う。実際ブレイク挟まってる)。こういうお見送りギターソロにもなぜかボカロっぽさを感じた。たぶんナユタン星人のギターポップの感じを混同してたんだと思う。
・歌詞調べて思ったんですけどこの曲リスニングの難易度高すぎないですか?〈好もうと好まざろうと〉〈誤解としても〉などなどめちゃめちゃ難解でした。
タイトルもそうですが普段より漢語的表現が多用されている(?)分、聞き取りは難しい一方で音の響きはすごい良い感じな気がします。
・恋愛における臆病さが表出する主人公くんは『Am I ready?』の相手として聴くのが楽しいかも。ボディタッチ多めアムレディちゃん?
・日向坂の場合、作詞面では飛び道具あるいはノスタルジー路線でしか歌詞に一定のクオリティを安定して持たせられていない印象なので、それら以外のコンセプトの曲では、特段クリエイティブが詰まっているわけではないかもしれないけれど、味付けの濃いコードやメロディ、サウンド感がふんだんに使用されているためにトラックだけでも既に満足できるような楽曲が、EPの当たり障りのないアイドルポップ枠では個人的に好感触なんだと思います。
・ファンのリアクションを見ているとそこまで高評価を受けているわけでもなさそう。この手の楽曲は世間一般ではいまだに程よくオシャレで聴き心地のいい曲としてもっとポジティブに受容されているイメージなんですが、ポップに寄っているのがそこまでウケていないのか、あるいは日向坂ではもっと王道のアイドルソングが聴きたいのか、正直よくわからない。音楽やってなくてよかった〜と思いました。
『骨組みだらけの夏休み』
・そういえば意外と日向坂でモータウンポップやってなかった。「HINATOWN POP」みたくオリジナルの音楽ジャンル名乗るやつやりますか。
作曲は乃木坂46『全部夢のまま』の成瀬さんで、レトロ感と肌に優しいメロディがある。坂道らしい軽量級アレンジの聴きやすい曲。
・裏の男声トゥトゥトゥコーラスが蝉のようにやかましい。夏を強烈に感じさせるギミック
・歌詞は『バンドエイド剥がすような別れ方』の出涸らしっぽい感じで新しいアイデアはなさそう。風景だけは十二分に浮かびますね。
augコードの感じと夏の終わりの物寂しさの相性は良い。これまでのnoteで「夏の終わりの〜」みたいな感想いっぱい書いてきた気がします。
・京子みーぱんの歌唱の安定感たるや。何でもそつなくリズミカルに歌い上げられる柔軟性はもう良い武器ですね。かとしが体調不良でレコーディングに参加できてない曲なんですがたぶん彼女はしっとり系の方が合いそう。
・ファンタジックなメロのイントロ/アウトロが好み。イッキサンにはディズニー(概念)をやってほしいな〜と思う。
『君は逆立ちできるか?』
・猫ミックソング(?)。2期生曲の方向性の一つとしては、割とアリな気がするような、しないような……(個人的にこれまでのはコンセプトの段階から良さを見いだせていなかった)
感覚的な話にはなりますが、レトロサウンドに逃げることなくこういう面白いことが出来たら良い2期生曲になるんだろうな〜と思います(こんなん何も言ってないのと一緒なので流し読みしてください…)。
・これだけ半音の動きで畳み掛けられたらさすがにメロディが耳に残るし、後半の高音域ゾーンもサビ終わりの三連符ゾーンもパンチがある(猫パンチ)
・ところどころゲスト声優のテンション感?むしろ誇張しすぎない感じがいい?
・歌詞は秋元康の激トガリあるある(飛び道具)のやつ。サビ終わりで風景を「猫の島」に指定されるのはビックリしちゃうけどそのままの意味で合ってるのかしら。
・〈猫じゃなかったら〉←「猫じゃなかたら」になっちゃうのは気になる。マリカで逆ハン切っちゃったときみたいな気持ち悪さがある。
・パフォーマンスで相当個性が出そうなのでそっちも楽しみではある。
『愛のひきこもり』
・一音目から古くさバラードでウケる。けど楽曲の評価自体は割と高めではある。
マイナー調のBメロ→SDMを挟んだツーファイブワンで力強く転調→ウィスパーボイスで優しくエモなサビ、の流れは歌詞とも噛み合っていて好感触。歌唱がわりかし安定しているのも良い。
・やっぱりお正月に誰も合流してくれない中ひとり寂しくスプラやってた未来虹ちゃんセンターのしっとりバラードですから沁みますよねぇ。
・3期生曲としての『愛のひきこもり』について、これまでのポップネス路線からのギャップが新鮮!みたいな気持ちは分かるけれど、個人的に他に目指す先が懐メロである必要はないと思う(それ以外にも音楽が発展しているので)。もちろんクオリティ次第ではこういう懐メロにも意義は出てくる(響く曲もある)けれど、「懐メロでいっか」が選択肢として存在していることがあまりにクリエイティブを阻害しすぎている気がするんです。
・てか日向坂(というか坂道グループ)にはもっとたくさん「今」ないし「今風」の音楽をやってほしいです。
(記事のタイトル考えるのめんどいから適当に過去曲の歌詞引っ張っとけばいいやでやってる人間が言えたことではありませんが)
『ガラス窓が汚れてる』
・けやき坂っぽい歌詞+キャッチーなリフや耳に残るメロディで聴きごたえのある杉山曲。
『心にもないこと』をⅢ7で整えたようなサビメロが美しい。個人的に『心にもないこと』のサビ5-8小節目のわちゃわちゃする感じが好みではなかったので……
・1サビ前の〈ないよ〜〉からサビ終わりの小室進行に乗せた〈そんな日常を生きている〉の流れも、けやき坂時代の作品に通底する力強さがあり良いシナジー。
わりかし陰鬱なサウンドで前進し、Dメロの〈責めるのでしょうか〉の感じは『黒い羊』の間奏ぐらい仰々しく感じる。けどそれも良いのかもしれない
・楽曲制作チーム日向坂をいまだに2019年頃の全力!HINABINGO!の感じで見てそう。メンバーの年齢に対して楽曲の主人公が高校卒業してなさすぎる
・お説教よりも小気味良いリズムに重点が置かれた詞が日向坂には欲しいんだろうなぁと今シングル収録曲を聴いて思った(運ゲー)
・MVもけやき坂の系譜で、アナーキーな世界観でそれぞれ生きるメンバーたちの力強さがいい感じ。映像の質感も好感触。
喋らない河田さんものすごいクールビューティ。
・2サビ前のつぶやくように歌うこさかなが堪らない。好き演出。
・ラスサビのダンスは見応えがあって必見。こういうのが見たかった。やっぱりパフォーマンスが主張点であるべき。
【ワガママ】日向坂でこういうの見たい
じゃあ最後にこういうの見たいよね〜のワガママを書き連ねて終わります。
・爆イケ姉さんズで有名なきくとしちゃんのインスタ投稿ですが、こういうのを見るともっとファッショナブルな感じも出来るんじゃないかなぁと思います(ガラス窓MVがちょっと近いことをやっていましたね)。
乃木坂46『おひとりさま天国』MVでは構造上どうしても欠けてしまうクリエイティブの新規性(ノルマ)としてY2Kファッションが取り入れられていて、そっちはそっちでみんな似合っていて芳醇な喜びがあった。
・可愛い系ポップならSHE IS SUMMERみたいのが聴けたら嬉しい。
・日向坂のカップリング枠ではいつからかノルタルジッカー狙い撃ち曲しか歌わせてもらえなくなりましたが、ドローン旋回中が日向曲だったらマジで手放しで褒めてたと思います。ワードもメロもキャッチーで、ブラスも愉快で良いじゃないですか。
MVは、星野源『異世界混合大舞踏会』系のやつの櫻坂46的解釈として完成度が高くて、そこは櫻坂の良さが出てる部分なのかなと思います。あと保乃ちゃんが可愛い。
・キツネリさんという方の曲でジャンルとしては渋谷系?グランジポップ? 私はその辺よく知らないのでアレなんですけどゴーフルができるなら3期ちゃんにはここまでやってほしいんです。
ボカロで広げていくと、40mPとかナユタン星人とかは自然に合いそうな気がします。
(あれ? 普段こういう音楽聴いてますのコーナーになってない?)
・京子さんが何度かお世話になっているリョクシャカさん。最初は『Mela!』とかをいわゆる「ドラマ主題歌の感じ」で聴いてしまってたけど、楽曲の作り込みに気づいてからは楽しくなった。
種花の偉い人たちが曲書いてください!って徒党でお願いしないといけない。徒党で。手繋いで。
・セカオワのエレクトロ・スウィング。ヘイオヒとかやるぐらいならもっと安直にエレクトロ・スウィングに手出してもいいと思うんですけどね。いちおう本命は乃木坂で、歌声に芯のある井上和ちゃんセンターで妄想してるんですが、日向坂でもこの路線は行けるんじゃないかと思います。
セカオワおよびEnd of the WorldではEDM的アプローチの楽曲が割とあったりもして、そういう曲は普通に聴きたい(『ハッピーオーラ』みたいな)。
・TLでちょこちょこ見かけた曲。ボサノヴァっぽい感じに日本語が自然に乗ってるのすごいな〜と聴いていたらBメロで丸サ進行ねじ込まれててちょっと笑った。どっからでもいけるんだ!って思った。
実際問題声質とかを考えるとこういうのをそのままやるのは遠回りになりそうですが、比重としてクリエイティブに割くリソースをなんとか増やして、しゃんと胸を張れる作品を作ってほしいなぁと思う(それは誰でもそう)。
(あと、個人的にはパフォーマンスに特化するために選抜もコンパクトにしてほしいと思っているんですが、こういうのはいま追っているメンバーが選抜に残れそうだから気軽に言えるわけで、しかも、そもそも本当に完成度が高まるかどうかみたいな議論から選抜制の導入によるグループへの影響や効果、選抜落ちしたメンバーの活躍の機会はどうする?みたいなことまでセットで考えて発言しないといけないんですよね)
・どうせレトロやるならこれぐらいのクオリティで聴きたいよね〜という実現可能性ほぼゼロの意見も。
もう完全に楽曲紹介コーナーになってしまったので終わりです。
もうすぐツアーも始まりますが、どうせ大してタイトルに意味もないんだろうなと現状では思っています。接触と感情は楽しみ。
メンバーのコネで海外公演とか無理なんですかね??
(ガムランの音がうるさいインドネシア公演)