乃木坂46 30thシングル『好きというのはロックだぜ!』収録曲感想
※約7000文字
その前からちょっとずつ気になってはいたんだけど、ちゃんと乃木坂にハマったのは6年前ぐらい。
だから古き良き乃木坂の空気感もある程度は知っているつもりだけど、単純接触効果とかでも説明がつかないほどになぜか今の乃木坂が好き。
昔はあんまり活動全体を把握できてなかった?リソースを割いてなかった? あるいは4期生ちゃんに自分が触れてきたのと同じような音楽やテレビ、ネットなどの文化に触れてるんだなぁと感じてる?
でも乃木坂の人たちも今の乃木坂が好きと言っていたし、案外定量的に説明できることなのかも
1.好きというのはロックだぜ!
「好きになってくれ!」
※表題曲は書いてたらうっかり7500字ぐらい行ってしまったので下のnoteでお願いします。
京都銀行ぐらい長いのですが結論から読んでも大丈夫だと思います。
好きロック、結構アリかもです。
2.Under's Love
八重歯めっちゃ白い
・まあやさん(和田まあや)センターのアンダー曲
・フラメンコっぽい情熱的な曲 カスタネットもカチャカチャ鳴ってる感じ。
・コードの展開は全体的にゆったりめ
・Bメロなし構成だけど意外と4分19秒もある
・サビでFマイナー(A♭メジャー)からDマイナー(Fメジャー)に短三度転調。
フレーズ頭で鳴ってる金管系?の音と下降系コード(Ⅵm→Ⅴ→Ⅳ→Ⅲm→Ⅰ)がゴシックなラスボス戦BGM系のゲーム音楽っぽくてかっこいい
・Cメロはサビと同じメロディでコードが違う
→ハラハラ感のあるサビからの少し穏やかなCメロ
・落ちサビでF#マイナー(Aメジャー)に半音上転調して勢いよく
・歌詞は、よくあるポジションなぞらえ系のやつ。シチュエーションはちょっと特殊な感じ。「私」たちはもちろん「あなた」も踊ってる?
→2番でなんか割とすんなり結ばれてる。
〈私たちはUnder's World〉とか言ってるし「あなた」もUnderなんかな~とか想像。
(でも途中からUnderあんまり関係なくない?)
・英語の発音はご愛嬌と甘受している
・29thアンダー曲よりは好き
・MV ヴァンパイアがいっぱい住んでる洋館のお話。「ごめんねFingerscrossed」MVの東市篤憲監督がクリエイティブ・ディレクター(何その役職)を務めたらしい。雰囲気で楽しむ感じのやつなのかな
→永遠の命のヴァンパイアと人間のまあやさんのお話らしい
(乃木坂ちゃんから食べ物を奪ってはいけない!)
3.僕が手を叩く方へ
風に乗って飛んでゆけ
・久保ちゃん(久保史織里)センターの3期生楽曲。後輩の後輩から先輩の先輩になった3期生たち
・イントロ、Aメロ コード進行がⅣ→Ⅴ→Ⅵmみたくマイナーの響きで終わってるので、とてつもなく物悲しい。寂しくなっちゃう。
(対照的に『君の名は希望』とかはⅣ→Ⅴ→Ⅰみたくメジャーに進行するので明るくて希望がある)
・Bメロで久保ちゃんに歌割り戻ってくるし何なら歌唱人数がどんどん増えていく、そんな歌
・Bメロ〈誰かの気配〉のところメロディ(ミファソラシーソファミ(帰りがヨナ抜き音階)が割とサビより気持ちいい
・サビのメロディはコード進行が近いこともあって『価値あるもの』にちょっと似てる
→個人的に『サヨナラの意味』とか『最後のTight Hug』の杉山さんメロディが強すぎてあんまり耳に残らなかったかもしれない
・サビの馬が駆けるようなビート心地よい
・山下(山下美月)がのぎおびで言ってたけど仮歌の段階ではサビ終わりの〈頑張れ〉がファンの人たちイメージの「「頑張れ~!」」だったらしい。おダサが過ぎるから絶対やめといた方がいい
→2番Aメロ終わりに苦悶の表情のギターソロ入れる人のセンスな感じがする
(ギターソロ別に嫌いじゃないけど)
・最後の方のアカペラパート 3期生の歌声まとまりが良いような気もする
・Bメロ終わりのカモンカモンとサビ8小節目だけ2拍少なくて(2/4拍子)疾走感、アカペラパートでは4/4のままでゆったり
・歌詞 もちろん手を叩く方へ導きます。
「Sing Out!」みたいなこと言ってる
→ Sing Out!と違ってこっちは明確に〈僕〉が正義の高みにいるから乃木坂としては変化球寄り?
(歌われ方によってはちょっと怖さもありそうな)
・クラップからバタフライエフェクトのように形成された風?〈風の中で感じるだろう〉
→いちおう「光」とか「絶望」も出てくるけど大きく通った意味はないと思う
・『ジャンピングジョーカーフラッシュ』『夢を見る筋肉』でもそうだけど今シングル「がむしゃら」とか「全力」「情熱」みたいな単語を無闇に使いすぎてる気がする。秋元先生乃木坂にあんまり興味ない感じ?
・伊藤衆人監督のMV 乃木坂乃木坂してる。撮影当日に最終決定の歌詞届いて急遽路線変更したらしいけどそんなことあっていいのか
・タイトルロゴの出し方が好き
・YouTubeあんまり回ってないけどそういえば乃木坂って他の坂道とかのMVと比べて別にYouTubeで強かったわけでもなかったなぁと思った
4.ジャンピングジョーカーフラッシュ
「世界大会だよ!」
・あやめちゃん(筒井あやめ)センターの4期生曲
・初めてタイトル見たときポーカーのえげつない役とかなんかなと思った。
「ジャンピング」「フラッシュ」はどっちも刹那的な輝きで、この「ジョーカー」は「最強」ワイルドカードで「何者にでもなれる」みたいなニュアンスなのかしら
・音源が初解禁された8月14日賀喜ちゃんゲスト回の乃木ののでも言っていた「ジャンピングジョーカーフラッシュは合言葉」
・歌詞 視界の端っこでステレオタイプな青春の終わりを認めながら衝動的に今を生きている。先輩になった4期生たち。
→2サビ 〈ああ青春の日々よ 輝けるのはいつまでか?~〉が一番響く。全力で現実逃避。
・青春系ワード詰め込み。言語化なんてものはいらない。腕を振り上げてジャンプ
・トラック たびたび出てくる、上昇していくフレーズの高揚感(Em Gm Am Bm D B/D#Emのところ)
・Aメロ ほぼほぼ1コードでロックっぽい感じ。キーとかコード的にいきものがかりの『じょいふる』みたいな。ライブに向きそう。見たいよ~
・芯があって軸になりがち 林ちゃん(林瑠奈)の歌声
・Bメロ オルガンっぽい音とメロディで使われてるブルーススケールの音(シ♭)とで往年のポップで青春ロックな名曲の感がある。北川悠理ちゃんの声質も味良し。
(そういえばこの曲の最高音BメロのhihiEなんですね)
・Bメロ後にご機嫌に「ジャンピングジョーカーフラッシュでGO! GO! 最高!」とコール&レスポンスをブチ決めて楽しい楽しいカノン進行のサビへ。畳みかけます。
・サビ 1~4小節目と9~12小節目で同じメロディが使われてるけどサビ前半がカノン進行で後半が王道進行なので響きが違う。
→カノン進行は基本的にずっと楽しくて王道進行はちょっと切ない感じなので、ただただ楽しかった時間の終わり、夕暮れ空のようなイメージを抱く。
ジャンピングジョーカーフラッシュだよ!
→サビのカノン進行はたぶんⅠ→Ⅴ/Ⅶ→ⅥmではなくⅠ→Ⅲ→ⅥmとノンダイアトニックコードでエモいⅢを経由するタイプのカノン進行、のⅢを展開してベースラインを滑らかにしたⅠ→Ⅲ/Ⅶ→Ⅵm→…のやつなので結局カノン進行部分もエモありかも
・サビ 賀喜ちゃん(賀喜遥香)の歌声が印象的。
〈ジャンジャン〉とか
・GメジャーからAメジャーに転調、ギターソロに突入して、またGメジャーに戻ってきて落ちサビ
・落ちサビで〈ジャンピングジョーカーフラッシュでGO! GO!〉のメロディが転用されてるところ なぜか綺麗にエンディング感を感じる。
なんでやろなぁ…
→「真面目にやってきたからよ」「笑笑」
作曲者の方のギター動画より メロディとぶつからないよう落ちサビだけカノン進行の2個目のコードが違うらしい(全然気づかなかった)
→1、2サビ(Ⅰ→Ⅲ/Ⅶ→Ⅵm)はエモめで落ちサビ(Ⅰ→Ⅴ/Ⅶ→Ⅵm)の方はよりプレーンな感じ?
・「洗う部」のあわあわなMV 4期ちゃん何かとMVでまみれがち。
→いや芝浜高校の部活かいと思ったけれど、高圧洗浄機で掃除する「PowerWash Simulator」みたいなゲームもあることだし割と理には適ってる活動なのかも?
→全体的にユーモアがあって好みな感じ。ビブラスラップ(ハンバーグ師匠)の音が合ってる。画面も明るくてキャッチー
・登場人物が何かにつけてちょっとキレる感じが少年アシベみたいで好きなところ。
・金川ちゃん(金川紗耶)どんな髪型でも顔の作画に安定感ある
・弓木ちゃん(弓木奈於)のスタイリングが個人的ベストドレッサー賞だったかも。松尾ちゃん(松尾美佑)のとかも好きだったけどうまく撮れませんでした
・賀喜ちゃんのドロー!のとこ、もし聖来ちゃん(早川聖来)がいたら、きっと新喜劇仕込みの大ズッコケを披露していたでしょうに
5.バンドエイド剝がすような別れ方
関西の神童
・菅原咲月ちゃんセンターの5期生曲
・メロディ低めな中で憂いを帯びた歌唱にびっくり。がっぷり四つで歌ってる感じする
→和ちゃん(井上和)の歌声ってカヌレみたいじゃないですか? なんか充填力があるというか、ビターさもあって〈いつの間にか〉とか
(乃木坂スター誕生見れてない地域外雑魚なのであんまり詳しくは分かりませんが)
・カノン進行のイントロ〜サビで同主調(?)転調して小室進行のど真ん中アイドルソング
(A、Bメロのは分かりやすい呼び名知らない)
・サビのメロディシンプルだけど結構満足感ある
・DメロでEメジャーに転調して落ちサビでFメジャーに戻る
・歌詞 秋元先生十八番の視線と心の動きが見える系の詞で夏に恋して秋に去っていく
→『逃げ水』とか『ひと夏の長さより・・・』とか『二人セゾン』とか、「夏の幻」「夏と恋の終わり」「ナヨナヨ」の人だなぁと思う。
(評価されがちで実際クオリティ安定して見える)
(ちゃんとしてほしい)
→秋元先生は5期生にお熱みたい(ちゃんとしてほしい)
・〈毎日会ってたのに三日おきになって〉の乗り方が珍しく気持ちいい。
・「バンドエイド」が「君」に貼ってもらったものだったら可愛らしいけどそんな長持ちしないだろうから違いそう
・「フェードアウト」って絆創膏が痛みなく勝手に剥がれちゃうこと?
でも、だとしたら剥がしてないよなぁと思う
・てか結構「別れのようなバンドエイドの剥がし方」寄りの歌ですよね
・MV 暗~い教室から青空のようなステージへ
→ステージがあんまりキラキラしてないのが5期生っぽい早熟な感じ
・中間テスト見た感じ900点満点っぽいけど進学校にしては定期テストぬるすぎん?
知らないだけで灘とか東大寺こんな感じなんかな
(MV内の黒板で解説してたのは昔の東大数学だ、みたいなツイート見たような気がするし進学校なんだろうけどこんな全教科安定せんやろ〜と思う)
6.パッションフルーツの食べ方
忿懣やるかたない
・梅澤美波、遠藤さくら、久保史緒里、与田祐希の4人のユニット曲
→マジでどういうユニット?あまりに意図が読めなさすぎる。31stで"やまかき"楽曲が予定されてて補集合的に集められたんかなとか考えてしまう。
(個人的に梅と与田ちゃんはバリバリにコメディの人だと思っちゃってるのでいまいちピンと来ない)
・トラック まさかの丸サ進行シンセベースエレクトロポップで結構かっこいい
→杉山勝彦さん作曲らしい(意外だった)
『ごめんねFingers crossed』でも思ったけど杉山さんこういう丸サ系のコードにメロディ乗せても絶品なんですね
→とか思ってたら杉山さん共作のトラックメイカー側だったらしい(メロディ違う人らしい)
・『もしも心が透明になったら』というチャレンジングだけどファンにハマれなくてほぼ無かったことになった歌がありますが、その反省を踏まえて万人ウケするようチューニングされてる感があります
・サビ頭 久保ちゃん?の猟奇性をまとった息づかいの歌唱が良い
・聴いてるとさくちゃん(遠藤さくら)にThe Maríasみたいなの歌ってほしいなと思えてくる吐息
(自分の好みを押し付けるんじゃありません!)
・組み合わせが謎ではあるけれど、間奏のシンセとか曲調も『Rewindあの日』っぽくて(サビで出てくるⅥ7も似てる)人気出そうだし、歌詞が じゃない限りそれと同じぐらいファンに評価してもらえそう。逆に、歌詞が だったら無かったことになりそう。
・無かったことになりそう
・そもそも秋元先生がこういう曲に良い詞を当ててるの想像できないけど、比喩にも靱性がないし合いの手もしっくり来ない。
(制作の過程で誰も忌憚のない意見とか言えないんだろうな)
・『Rewindあの日』とかのパッチ(詞)入れたい
・お中元とかで冴えない親戚から貰ったんかな パッションフルーツ調べてみたら集合体っぽくて無理だったよ
・パッションフルーツぐらい無理だったよ
7.夢を見る筋肉
そういえば乃木團ってどうなったんですか ボーカルの人朝ドラ出るんですよね 俳優に転向しましたか
・伊藤理々杏、林瑠奈、松尾美佑、向井葉月、矢久保美緒の5人(+キーボードまあやさん)によるバンド「乃木坂軽音部」の楽曲
・絶対コレで、のやつじゃん
・ツインボーカルはどっちもいいですね
・透き通った感じのギターサウンドはそこまで嫌いじゃない 『泥だらけ』とかよりは後の時代の曲
(てか『泥だらけ』無かったことになってない?)
・Cメロ(落ちサビ前)のBlackadder Chord(というすごいエモいコード)みたいな響き 汗がほとばしってそうな感じ
・間奏のギターソロとか好きだけど弾くの難しいでしょう 知らんけど
・歌詞、タイトル含めもう浮かばなくなっちゃったのかな とりあえず「全力」とか「青春」とか言って「坂を上って」る
・内容をまとめると、筋肉は希望だと言っている?
(ミームっぽくてあんまり好きじゃないけど)
・林ちゃんがブログで高校の軽音部時代に丸の内サディスティックを歌っていたと書いてたけれど、そっち寄りの方が見たかったな…とも思う
(より詞書けなさそうな気がするけど)
→どれぐらいメンバーの希望が反映されてるんだろうか 知りたい
→軽音部になってくるとメンバー作詞作曲とかも良くない?と思ってくる
譚(掛橋沙耶香・北川悠理)の『空の泣きまね』みたく。オリジナル曲を持つのって結構良い音楽体験だと思う
(・そういえば書いてなかった『空の泣きまね』のnoteいつか書きます。賀喜ちゃんの「全部やる‼︎」予定の中の一つとして書きます)
やはり、30thシングルは専守防衛的な姿勢の楽曲が多かったような気がします。表題曲、アンダー曲、期生別曲はそれぞれ「ありそう」の延長線上に位置している感じで、個人的にはユニット曲ももうひと声ほしいな…と思いました。(歌詞とか)
自分の好みにどストライクな曲はなかったかなぁ
「30枚目タイトルのクセ強い曲多くないですか?」みたいな婉曲的なことをメンバーに言わせないでほしいんです。ラップが書けないのも枷になっているでしょうし。
特典映像である個人PVが、制約の多いテレビに対するYouTubeのように思えてきますが、何とか楽曲制作に関する改善が行われたら安定してロバストな作品を生み出せそうなのになぁ…と思います。
やっぱり、聴いたときの満足感は欲しくなります。
これから色んな番組で『好きというのはロックだぜ!』の披露があると思いますが、理論的な最大値に肉薄したCDTVライブライブの映像を超えるのは難しそう。でもMステの全ツを経た選抜だけのまとまった群舞も割りかし良かったし、音楽番組は結構楽しみでもあります。
移ろいゆく乃木坂を見ているようで、賀喜ちゃんの口角が自然と上がって、歯のエナメル質が人畜無害に輝き続けている限りは、生じゃない、例えば葛藤混じりの微妙な「好き」でも、残り続けるものがあるのではと思います。
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