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FX相場の見通しについて(2020年6月20日)

「円高再燃のリスクに注意!!」
ドル円相場の見通し

引き続き、投資判断をする上で必ず見ておくべき指標、
(1)一目均衡表
(2)MACD
(3)RSI
(4)投機筋ポジション
の4つから、まずドル円相場を見てみましょう。

【ドル円チャート】

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まず一目均衡表を見てみましょう。
上図のように直近の日足は、先行スパンの雲の内部に入り込んでの狭い値動きとなっています。
まだ先行スパンの帯(雲)の下限にサポートされている形となっていますが、転換線が基準線を上から下に抜けており、ドルの勢いは完全に失速しています。

現状の一目均衡表上は円安ドル高基調を示唆していますが、サポートラインである先行スパンの帯(雲)の下限である106円43銭を割れてしまうと、一気に円高が進行する形になります。
また、しばらく現状の水準で推移したとしても、来週の6月25日以降は先行スパンの帯(雲)の下限が107円20銭に引き上がりますので、円高ドル安の形になります。

日足の並びも、「弱気の三角形」を形成しており、(円高方向への)下放れの前兆ともみられる形となっています。

次にMACD を見てみましょう
これをつい私はマクドと言ってしまうのですが、これはマクドではなく、マックディーと呼ばれている指標です。
これは短期の移動平均線と中長期の移動平均線を使用することで、買いと売りを判断する手法で、基本線「MACD」とその移動平均値である「シグナル」との位置関係で相場の強弱を判断します。

上図のチャートの通り、先週MACDがシグナルに対して上から下に交差(デッドクロス)しており、ドル売りのシグナルとなっています。

次に RSI を見てみましょう。
RSIは、過去一定期間の上げ幅(前日比)の合計を、同じ期間の上げ幅の合計と下げ幅の合計を足した数字で割って、100を掛けたものです。
数値は0~100で表され、一般的に75%以上で買われすぎ、25%以下で売られ過ぎと判断されます。

上図のチャートの通り、直近では RSI は43近辺と中立ゾーンにあります。

次に投機筋のポジションについて見てみましょう。
シカゴ・マーカンタイル取引所(CME)の「インターナショナル・マネタリー・マーケット(IMM)」と呼ばれる通貨先物市場では毎週投機筋のポジションが毎週発表されています。IMMには、円、ユーロ、ポンド、豪ドルの4通貨が上場しています。

その投機筋ポジション(下図)を見ると、ドル円の投機筋のポジションは直近(6月15日)で約22,000枚の円ロング(買い越し)となっています。(1枚の取引単位は1,250万円。)

これは何を意味してるかと言うと、投機筋においては、今後円のロング(買い越し)ポジションの清算に伴うドル買いが発生する可能性があります。
が、22,000枚という建玉の水準はそれほど積み上がっている(パンパンである)というほどのレベルではなく、今後のドルの買戻し買い圧力も限定的であると考えられます。

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(出所:インターナショナル・マネタリー・マーケット(IMM)、外為どっとこむ)

以上、ドル円相場についてまとめてみると次のようになります。

(1)一目均衡表ではドルは円に対してまだ優位ですが、勢いはかなり落ちてきている状況にあります。
(2)MACD ではドル売りのシグナルが点灯しました。
(3)RSI はニュートラルです。
(4)投機筋ポジションは今後はややドル買いが優位になる可能性を示しています。

以上より、一目均衡表上の先行スパンの帯蜘蛛の下限106円43銭の水準が維持され、かつ来週には先行スパンの帯(雲)の下限が107円20銭に引き上がりますのでそれに追随する形でドルが上昇するのであれば、相場はしばらく106円台半ば~110円のレンジ相場が続く可能性があります。

ただ、この106円台半ばを抜けて円高が進んでくる、もしくは、来週以降の先行スパンの帯(雲)の上昇についていけないようであれば、RSI、投機筋ポジションともにまだ円買い余地がありますので、一気に円高ドル安が進む可能性もあります。

**「ドルは対ユーロでは強そう!!」

ユーロドル相場の見通し**

ユーロドル相場では、今年5月上旬から6月初旬まではユーロ高が進行し、その後はユーロの上値も重くなってきています。

では現状でのユーロドルチャートを見てみましょう。

【ユーロドルチャート】

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まず一目均衡表上は日足は先行スパンの帯(雲)の上にあり、引き続きユーロが強い形を維持しています。
一方で、転換線は基準線の上にあるものの、下向きに転じています。
また、サポート水準であった1ユーロ=1.124ドルを割り込み、レンジ相場から(ユーロの)下げ相場に入った形です。

日足ベースで、5月末から今週までの値動きで小さなヘッド&ショルダーを作り、そのネックラインが切れてきた形になっていることからも、目先はドル高ユーロ安が継続しそうです。

先行スパンの帯(雲)の上限が現在1ユーロ=1.106ドルでそこがまずサポートラインとなると思われます。
ただ、雲の上限は来週以降は下落(ユーロ安)してきます。
1ユーロ=1.106ドルが割れた場合は、1.097、1.088、1.079がそれぞれサポートとなる水準かと思われます。

次に MACD については、基準線 MACD はシグナル線を上から下に抜けてデッドクロスし、ユーロ売りシグナルが点灯しています。

RSI については一時75%を超えており、ユーロが買われ過ぎという状態になっていしたが、現在は52と中立の水準にあります。

投機筋のポジションを見てみましょう。

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(出所:インターナショナル・マネタリー・マーケット(IMM)、外為どっとこむ)

ドルユーロについてはユーロ買い越しポジションが引き続き優勢となっています。
直近ではユーロの買い越しポジションがネット(買いー売り)で117,000枚にまで膨らんできました。
今後の投機筋のユーロの買い越し余力はかなり少なくなりつつあるように思われます。

以上ユーロドル相場についてまとめますと次のようになります。

(1)一目均衡表ではユーロはドルに対して強いという状況にありますが、日足の形は下降トレンドを示唆しています。
(2)MACD では売りシグナルが点灯しました。
(3)RSI では中立となっています。
(4)投機筋のポジションではユーロ買い越しポジションが積み上がっており、今後のさらなるユーロの買い越し余力は少なくなっています。

これらのことより、「ユーロ売りドル買い」のポジションは継続したいと思います。
思惑が外れて、ユーロが反転した場合の損切ポイントは、直近のレンジ下限である1ユーロ=1.124ドルになります。

ドル円については、106円台半ばから110円のレンジ相場をメインシナリオとして考えていましたが、下放れ(円高)の可能性が高まってきました。

つまり、ドルは円に対してはドル安方向、ユーロに対してはドル高方向を想定しています。

5月はユーロ、ドル、円の順に強かったのが、今後は逆に円が最強、ユーロが最弱に転じそうな気配です。

ここまでお読みいただきありがとうございます。
投資はあくまで自己責任でお願いいたします。

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