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8月10日の日記「そのタップには何の意味があるか」
Twitterで、「renal summer」というアプリが話題になっているのを見かけた。
現実と同じ時間を生きる、老人と病気の犬の生活を見守るアプリ。プレイヤーは犬の腎臓になって(?)、パズルを解くことで血液の循環を良くし、犬の寿命を延ばすことができる。
「なんか雰囲気良くていいな〜」と感じてすぐ、「いや、良いと思うならやりなさいよ」と思い立ち、DLした。良いものに対しても腰が重くなったらおしまいよ。
やってみたけど、なかなかきついですね、これ。大前提として、どれだけパズルを頑張っても、犬の病気が完治することはない。プレイヤーにできるのはあくまで、死を先延ばしにするだけの行為だ。くわえて、犬の病気が進めば進むほど、パズルを解くのが難しくなる。それも、ゲームの難易度が上がるのではなく、ただブロックを壊すのにかかるタップ数が多くなるだけ。……これで、モチベーション上がりますか?
かといって放置していたら、「犬が弱っています」という通知が来る。や、やめてくれ……。このアプリをインストールした瞬間から、「犬の死」という結末からは、絶対に逃れられない。放っておいたら犬はすぐ死んじゃうけれど、必死にプレイしたところで、いつしか死ぬ。どうしたらいいのよ、俺は……。
「ゲームをしているなんて、時間の無駄じゃん」という考え方は、賛否あると思う。「今は夢中になっているゲームでも、いつかは飽きてどうでもよくなる」ってのは真理だと思うけど、そんなのあらゆることに言えるだろう。極論、人は最終的には死ぬんだから、どんな営みも等しく無駄だ、とも言える。
しかし、少なくともゲームを作る側は、プレイヤーにそのような考えを抱かせないよう腐心するもんだと思う。あるいは、「無駄かもしれないけど、今が楽しいからいいじゃん」と思ってもらえるような、エンターテインメントを提供するか。だってそうしないと、プレイヤーは離れていくのだから。
ただこのゲームは、どれだけプレイヤーが頑張ろうとも、結局犬は死ぬことに決まっている。「犬を死から救う」という観点からすれば、プレイヤーの行為は最終的には無駄になることを、最初から明示しているのである。1%でも犬が助かるエンディングがある……とまでいかなくても、どう足掻いても犬は死ぬ、という事実を伏せさえしていれば。必死にパズルを解くのが虚しくなり、ゲームを辞めてしまうようなプレイヤーは、だいぶ減ったんじゃないかと思うのだ。
それでもゲームを続けるプレイヤーは、無駄と思える自身の行為に、自分で意味を見出すしかない。たとえ犬が死ぬ結末からは逃れられなくとも、最期の時間を延ばすことに意味はあると、こっちが思い込むしかないのである。「ゲームを続ける意味」というのをプレイヤー側に委ね、考えさせるという点で、ゲームの構造としてはだいぶ挑戦的な作品だな、と思った。
……じゃあ、俺はどうするの? という話だけど。いや、まあ、時間があるときには頑張って延命作業しようと思うけどさ。結局いつかは、犬は死んじゃうわけでしょ? いつか、「犬が亡くなりました」っていう通知が来るのかな……。最悪じゃん。その日のテンション、ガタ落ちだろ。
でも、アンインストールするのも気が引ける。犬どころか世界全てを無かったことにしてしまう行為な気がして。てか、犬が死んだ後、このアプリってどうなるんだろう。しれっと犬が復活してゲームがループし始めたら、それはそれで相当に怖い。知りたい気持ちはあるけれど、それが知れるほど展開が進んで欲しくはないのよね……。
気を取り直して、今日の夕飯のコーナー!今日の夕飯は、昔オモコロでやっていた「そうめん人気つゆレシピ決定戦」で優勝していた、いなばのチキンタイカレーそうめんを作った。
作ったといっても、そうめんを茹でてチキンタイカレーの缶詰と合体させただけだけど。
チキンタイカレーは旨味が強く、風味もややクセがある。けど、そうめんを介するとちょうどよくなってスルスルいけた。それでいて、辛味は死なずにしっかり残っている。飽きの来ないまま、あっというまに2束無くなった。うん、美味かったて。そもそもいなばのチキンタイカレーを初めて食べたけど、これがかなり美味いんだな。今度は、他の種類も買ってみよう。てか、普通にご飯にかけて食べてみたいわ。
ちなみに、一応写真は撮ったんだけど、記事でも言及されていたようにビジュアルがあまりよろしくないので、掲載は控えることにした。大雨の日の川みたいな色をしてましたね。たとえ味がお気に召さなくても、あの色を見るだけで100円出す価値はあるかもしんない。