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ワインには適温がある?温度帯による変化の違い・種類別の適温とは?

ワインを飲用する際、どの温度帯で飲むのかも重要です。

ワインには、赤・白・ロゼといった色の違いだけでなく、スパークリングワインかスティルワイか、ライトボディかフルボディかといったかたちで、さまざまな種類が存在します。

それらワインには、“適温”が存在し、その温度帯で飲むとより美味しくワインを楽しむことができるのです。

ここでは、ワインにおける適温について学んでいきましょう。

ワインには適温がある


ワインと一口に言ってもその種類はさまざまです。

一般的に赤ワインはベリーやスパイスの香り、豊富なタンニンで力強い味わい。

白ワインは、アロマティックな香りと繊細な口当たり、渋みを感じない軽快でフレッシュな味わいのものが多い傾向です。

さらに、赤ワイン(白ワインでも使用される)には、下記の3つのボディが存在します。

  • ライトボディ

  • ミディアムボディ

  • フルボディ

ライトボディは渋みの少ない果実味が豊かな軽快なスタイル、フルボディは豊満な質感とパワフルな渋みがある構造の大きなスタイル、ミディアムボディはそれら2つの中間的なバランススタイルと考えるとわかりやすいでしょう。(アルコール度数が高いものも、ミディアムボディになる傾向です)

これらワインの持つ個性を最大限引き出すためには、“ワインに合わせた温度帯”で飲む必要があります。

例えば、タンニンがパワフルなフルボディタイプの赤ワインをキンキンに冷やすと香りが取りにくくなるだけでなく、渋みが増して飲みにくくなってしまうでしょう。

一方、温度帯をあげることで香りがしっかりと取れるようになり、味わいもまろやか、渋みも全体を引き締める要素としてバランスの良い味わいで飲むことができます。

上記のように、ワインには適温があることをまずは理解しておきましょう。

温度によって変わる味わいの違い


ワインの適温について、まず理解しておきたいポイントが、“温度帯による味わいの違い”です。

温度が下がっていくにつれて、下記の要素が強くなります。

  • フレッシュ感が増す

  • 引き締まったタイトな印象

  • 酸味がよりシャープになる

  • 渋みが強調されていく

  • 味わいがドライに感じられる

一方、温度帯が高くなると下記の要素が強くなります。

  • 味わいに複雑性が生まれる

  • ふくよか、豊満な印象

  • 酸味が抑えられ、やわらかなになる

  • 渋みがやや抑えられた、まろやかな印象になる

  • 甘み、とろみなどが強調される

上記要素を理解した上で、ワインをどの温度帯で飲むべきか考える必要があります。

一例として、アルコール度数14%のフルボディの赤ワインを参考に当てはめていきましょう。

フルボディの赤ワインの適温は、一般的に「12から14℃」と言われています。

10℃以下にまで冷やした場合、口当たりはシャープになり果実味も抑えられた印象、さらに渋みもグッと強くなり引き締まった印象へと変化していくでしょう。

場合によっては、飲みにくさを感じるかもしれません。

一方、少しだけ適温に戻してこの赤ワインを飲むと、口当たりがまろやかになるだけでなく風味も口中により広がり、渋みも適度に感じられるのでバランスの良いワインといった印象になります。

ただし、これ以上温度帯を上げると味わいの輪郭がなくなり、全体がぼやけた印象になってしまうため、やはり適温で飲用すべきでしょう。

ワインの種類における適温

ワインの種類における適温を下記にまとめました。

赤ワイン(ボディ別)

  • ライトボディ→10から12℃

  • ミディアムボディ→13から16℃

  • フルボディ→16から18℃

例えば、カベルネ・ソーヴィニヨンを主体としたボルドーワインやフルボディなタイプの赤ワインであれば18℃、熟成タイプは17℃がおすすめです。

一方、ピノ・ノワールから造られているブルゴーニュタイプの赤ワインは16℃前後、ボージョレ・ヌーヴォーやマスカット・ベーリーA、さらにドイツなど冷涼産地のライトボディな赤ワインであれば12から15℃が適温と言われています。

白ワイン

  • 辛口タイプ→7から14℃

  • 甘口タイプ→5から8℃

白ワインは冷やして美味しいといったイメージがありますが、冷やしすぎると酸味が強くなりすぎるほか、香りも感じにくくなってしまいます。

例えば、ミュスカのような酸味が強く軽快な白ワインは7℃、フレッシュ&フルーティーなソーヴィニヨン・ブランのような白ワインは9から10℃、ブルゴーニュ地方のプルミエ・クリュレベル以上の樽熟成を経た高級白ワイン、またそれに匹敵するものは18℃で香りとまろやかさを楽しむといった感じで、スタイルに合わせる必要があるでしょう。

基本的に甘口ワインは温度帯を上げすぎると甘さだけが強調されるため、酸味と香りのバランスをとって5から8℃、貴腐ワインなど高級なものは10℃といったかたちで調整してみてください。

そのほかのワイン

  • ロゼワイン辛口→8から10℃

  • ロゼワイン甘口→6から8℃

  • スパークリングワイン→6から8℃

  • シャンパーニュなどの高級スパークリングワイン→6から10℃以上

ロゼ、スパークリングワイン、またシャンパーニュも上記温度はあくまで目安であり、スタイルや熟成年数によって調整する必要があるでしょう。

ワインの温度を調整する方法


ワインを適温で飲むためには、ワインの温度を調整しなければなりません。

まず、ワインを温めたい場合は、常温の部屋に置いておくという方法があります。

23℃の温度の部屋にワインを置いておくと15分で1℃温度が上がると言われており、3℃以上温度を上げたい場合は30分から60分間を目安にすると良いでしょう。(ワインの種類や置く場所などによって違うため絶対ではありません)

また、デキャンタにワインを移すでキャンタージュによってワインが空気中の酸素に触れ、より温度が高くなるといった方法もあります。

一方、ワインの温度を下げる際はワインクーラーなど氷水が入れられるアイスバケツを利用すれば15分以内に2℃以上温度を下げることができます。

さらにしっかりとワインを冷やしたい場合などは、抜栓する2から3時間に冷蔵庫で保管しておくといった手段もあるでしょう。

適温でワインを飲む際、飲む時間を想定した上で調整することをおすすめします。

ワインに合わせた適温で楽しもう

ワインには適温がありますが、1℃単位で調整していくということではなく、“そのワインを美味しく飲める温度帯”を意識するというところがポイントです。

温度帯によってワインの香りや口当たり、風味、後味にどのような変化がもたらされるかを理解しておくことで、ご自身でワインを飲む時だけでなく、提供側になった際にもその知識を役立てることができるでしょう。

ワインの適温、そして温度帯による違いをしっかりと押さえた上でワインを楽しんでください。