たった一人のGACKTさんコピーバンド3赤いちょうちんを眺めながら
僕はこの北戸田に、なんとも居心地のいい居酒屋を見つけていた。
間違いない。ここはアジトだ。
店内にはわりと大きな赤ちょうちんがいくつも天井からぶら下がっている。
ホッピーの量をうまく調節して今晩の酒代を節約しながら、それでいて酩酊酩酊。
赤ちょうちんの温かい光を眺めていると、自分の中から溢れてくる感情は自然と柔らかで温かい、前向きなものになる。
引き続きカウンターでグラスを傾けていると、不意にメッセンジャーが届く。
高校時代の同級生だった。
facebookの「知り合いかも?」に僕が出てきて懐かしくなったらしい。
嬉しいね。
呑んでいるときっていうのはわりとこういう事があることが多い。
思い出さえ、赤ちょうちんに釣られてここにやって来たのだろうか?
何度かメッセージのやり取りをする。
そうか・・
君も結婚して、子供がいるんだな。
もう一回だけ、ナカをお代りすることにした(ホッピーで割る焼酎のこと)
グラスに口をつけ、何度目かの再確認をする
「自分自身を、生きよう」
叶わなかったこと、そしてこれからもう手に入ることはないであろうことも多い。
それでも、たぶん人生は美しくて最高であるはずなのだ。
赤ちょうちんを見上げる。
夢が溢れてくる。
形にしようぜ。