トーキョー・パラレルワールド あとがき
まずはこの「トーキョー・パラレルワールド」を最後まで読んでいただき、本当にありがとうございました。
僕は基本的には音楽を作っている人間でして、そんな人間が、何故か突然「小説を書こう!」と思い立ち、全体の構想も物語の終着点も、全てがノープランのまま執筆を開始しました。
最初の数ページを書いた段階で、その先どうしていったらいいのかが全く分からんということに気づき、何故自分は「小説を書く宣言」なんてしてしまったんだろう?と激しく後悔もしておりました。
それでも約束は守りたいし、最後まで走り切りたいという思いもあり、自分なりにではありますが試行錯誤してみたつもりです。
とりあえず何か「テーマ」的なものが必要だと感じ、
「世の中には"言った言わない"の揉め事」がいつもどこかで繰り広げられていて、それで得をする人と損をする人がいる・・というのをテーマにしようと最初は考えていました。
なので物語の最初の方はとても陰気な始まり方でした。
記録の存在しない街トーキョーで、「記録」という商品を売り出したレコード・マンがその「記録」によって苦しめられるような物語を書くつもりでした当初は。
でもやっぱり僕が描きたいのはそういうのじゃないなと思い始め、あとは登場するキャラクターたちが勝手にひとり歩きして・・(笑)ということもあり、「記録」されることで登場人物たちの未来が良い方向に変わっていく・・という物語になりました。
冷静にこの物語を見てみると、レコード・マンがやっていたのは「(前向きな情報の)SNSでの拡散」みたいなもので、フェスティバルというのは「何かを決断した時のあのゾワゾワ感」みたいなもので、書き終えてみるとそんな大層な話は書いてなかったということに気づき、まあそんなもんだよなと一人苦笑いしています(笑)
それでも本当に、「小説を書く」ということにチャレンジしてみて良かったと心の底から思っていますし、なんとか完結させることができたのは読んでくださった方たちのおかげです。
とても不格好な小説ではありますが、それでも自分の分身であることに変わりはなく、生まれてきたその姿をとても可愛らしく思っております。
こうしてnoteという場を借りて外にも出してもらえて、そしてどこかの誰かに可愛がってもらえたらそれはそれはもう最高であります。
そして「未来を信じて歩いていく力」というものが、この小説を読むことで少しでも皆さまの心の中に湧いてきたなら、これほどの幸せはありません。
あと、どうしても物語を展開していく関係上、「未来を切り開こうとして」登場人物たちは物理的に移動したり新しいことを始めたりしていますが、場合によっては「そこにとどまること」も未来を切り開く手段の1つになるということはここに書いておきたいです。
なにはともあれ、やはり僕は創作することが好きです。
このnoteという場で、僕と同じように小説を執筆したり音楽を作っている方と巡り会えたことはとても大きな財産であります。
「オリジナル作品を産み出していくこと」に対してのこだわりはこれからも持ち続けていくつもりですし、同じように頑張っている人がいるという事を知れたということこそが、今回小説を書ききったことに対する最高のご褒美だったのかもしれませんね。
これからも、音楽ももちろんですし文章でもオリジナル作品を産み出していくことを続けていきたいなあと思っています。
ここから僕自身の課題はきちんと「商品」として成立するレベルまでクオリティを高めること、「聴いてもらう・読んでもらうための導線作り」であるなあと感じています。
そういったいくつもの課題をクリアしながら、また小説家として皆さまにお会いできる日を楽しみにしています!(音楽も聴いてみてね)
小説「トーキョー・パラレルワールド」を読んでいただき本当にありがとうございました!
頑張っていきましょう!
全ての人にとって未来が輝かしいものでありますよう願いを込めて。
2020.2.21 野村泰史
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