OSFS炎上問題から考える、ツイフェミとアンチフェミの抗争について
ツイッターでは、所謂フェミニストとそれに反発する「アンチフェミ」の諍いが絶えず繰り返されています。
一部の悪質なアンチフェミから嫌がらせを受け続けている石川優実さん、車椅子の鉄道乗車問題で炎上した伊是名夏子さんらが、ネットハラスメント被害者の当事者団体を設立しました。
活動の趣旨は「女性が安心してインターネットを使える社会を目指す」だそうです。
正直何故女性だけに限定するのか?という疑問はあります。ネットハラスメントの被害を受けるのは女性だけに限りません。性別に関係なく、炎上・ネットリンチの被害に遭う人を無くさなければいけないのですが、当該団体は女性だけがネットリンチ被害に遭わなければいい、とお考えなのでしょうか。であれば考えを改めて頂く必要があると思いますが、その件については今回は割愛いたします。
さて、Online Safety For Sisters(以下OSFSと表記します)発足に際して発表された声明について、木村響子さんが言及した事から今回炎上が発生しました。
発端は以下の木村響子さんのツイートです。
木村響子さんは昨年亡くなられた木村花さんのお母さんです。現在はREMEMBER HANAというNPO法人を立ち上げ、ネットの誹謗中傷を無くす活動をされています。
『SNS上の誹謗中傷によって、自ら命を絶った人もいます。
孤立させ、助けてあげられなかったことが、くやしくてたまりません。』
現在は該当箇所が修正されていますが、当初は声明文に上記の一文が記されており、設立会見においては実際に木村花さんの名前が挙げられたということです。
響子さんが上記のツイートをされた事により、アンチフェミから当該団体に対する非難が殺到する事態となりました。
当記事ではこの件について考察していきます。
響子さんが訴えたかったこと
とても近しい存在である肉親の自分でさえ、花さんを救うことが出来なかった。その苦しみ、自責の念に今でも苛まれている響子さんの立場からしてみれば、石川さん達の「助けてあげられなかったことがくやしい」という言葉は、あまりにも軽率なものに感じられたのだと思います。もし花さんが苦しんでいた事を知っていたら、石川さん達は本当に助けようと動いたのか、どのようにして助けるのか、実際助けることが出来たのか。
響子さんがそう問いたくなるのも無理はないことです。それ程に響子さんが失った存在は大きく、かけがえのないものだったのです。そして仮に上記の問いに石川さん達が答えられたとしても、時を巻き戻すことは出来ないのです。
後に続くツイートで響子さんは「誹謗中傷やハラスメントを減らす活動には賛同したい」と仰っています。活動は否定しない、ただ、軽はずみに「助けられなくて悔しいです」なんて言って欲しくない、その言葉が遺族にとっては苦しいと、響子さんは訴えたかったのだと推察します。
ところがアンチフェミ達はこの響子さんの発言を拡大解釈し、花さんを引き合いに出した事それ自体が無神経であり非常識だといって叩く訳です。
上記は明らかに「無許可で名前を出した」ことを非難する意見ですが、あくまでも今回の問題は「助けてあげられなくて悔しい」←この配慮を欠いた発言であり、名前を出す事自体に問題はありません。名前を出す事自体を悪質だとする論点のすり替えですが、であれば石川さんや伊是名さんに対する批判も、すべて本人の許可を得てから発言すべきという事になります。
被害者を叩き棒に使う行為
この事案の最大の問題は上記のような「木村さん親子を石川さん達を叩く為の道具として利用する」ような発言です。
木村響子さんの思いは勿論尊重されるべきですが、本件を利用して当該団体および石川さん達を叩く事は、誹謗中傷の撲滅活動をなさっている木村さんへの冒涜であり侮辱と言えます。勿論木村さんご本人もこのような事を決して望んでいないでしょう。
「不快感」という表現・立場を弁えない謝罪要求…そして侮辱
一部ネットニュースの記事にも用いられていましたが、上記のような「不快感」という言い回しも不適切だと思います。
木村さんにとっては痛み・苦しみである思いを「気に食わない」「気分がわるい」などという意味にもとれるような「不快感」という表現をするのは失礼ではないでしょうか。
このように石川さん達に謝罪を要求する意見も散見されますが、勘違いしてはいけません。謝罪を求める権利があるのは木村響子さんただ一人です。
謝罪に限らず当該発言を「出した」「消した」これに対し物申す権利はがあるのは木村さんご本人だけです。
「無能」「ゴミ」←こういった意見に至っては最早ただの侮辱でしかないので話になりません。このような言い回しで相手を見下さないと発言出来ないのでしょうか?であればそもそも他者を批判する権利などありません。恥を知るべきです。
おそらく木村響子さんはこれ以上本件には言及されないのではないかと思います。ご自身の「苦しみの吐露」によって石川さん達に対するネットリンチが起こることは木村さんにとって不本意極まりないことでしょう。その思いを理解し、これ以上本件で石川さん達を非難する事は慎むべきです。
ツイフェミVSアンチフェミ
もう何年も続いているツイッターフェミニストの言動を巡る論争についても、この機会に筆者の考えを述べておきたいと思います。
所謂「ツイフェミ」は自分達の主張を押し通すために、これまでに何度も炎上・ネットリンチという手段を用いてきました。筆者がnoteを始めた初期の頃に記事で取り上げたタピオカミルクティーのアートを公開した女性や、有名な「宇崎ちゃん問題」の赤十字、タイツメーカーのアツギ、タレントの岡村隆史さん、最近ではVチューバ―の戸定梨香さんなど…数えればキリがない程多くの人や企業がツイフェミによって燃やされてきました。
如何なる理由があろうともネットリンチは許されないと考えている私は、当然こういった手段に訴えるツイフェミには批判的な立場でした。
ですからこれまで散々他人を叩いてきた石川さん達フェミニストが「私達はネットハラスメントの被害者だ」と訴える事に違和感を感じなくもありません。
しかしこういった炎上を繰り返す毎に次第に数が増えていくアンチフェミもツイフェミと同じ、またはそれ以上に素行が悪く、目に余る粘着行為が散見されます。
アンチフェミの中には、おそらくツイフェミによって自分の好きなものや自分が属するカテゴリを燃やされた人…所謂オタクの人が多いと推察します。事実有名な青識亜論氏をはじめ、露骨な二次元美少女やアニメキャラのアイコンを用いたアカウントが多数見られます。
自分にとって大切なものを叩かれ不当に燃やされることに対して、黙っていろとは言いません。当然反発していいし反論する権利もあります。
しかしその件にとどまらず、以後継続してフェミニストを非難し続けることはただの粘着行為です。非難を継続的、恒常的に続けるアカウントが存在し、その賛同者が増えることで尻馬に乗って侮辱や悪質な嫌がらせをする者も現れます。誹謗中傷を含まなくても、執拗に非難を繰り返す事で結果的に相手を精神的に追い詰め苦しめることがあればそれはネットハラスメントなのです。
現在のツイフェミ対アンチフェミの争いはどちらが一方が全面的に悪い訳ではなく、どちらも悪質であると考えます。いつまでもこのようなリンチの応酬を繰り返すべきではありません。
解決策の提案~キッパリ住み分け、一切関わらない~
はっきりと言いますが私は「フェミニストはツイッターを発信の拠点とすべきではない」と思います。
フェミニズムという思想それ自体は勿論尊重されるべきですが、これまでのような「叩く・燃やす」やり方を続ける以上、それは只の「個人の価値観」でしかなく、そこから発展することは絶対にあり得ません。
決して啓蒙できるようなものではなく、もちろん他人に強要すべきものでもありません。
ツイッターを利用して自分達のフェミニズムを他人に植え付け、社会を変えようなどという目論見は、「叩く・燃やす」を止められるようになるまで一旦諦めるべきでしょう。
「啓蒙の仕方」を見つめ直すことが出来るまで、私がフェミニストの人達におすすめしたいのは分散型SNSです。
分散型SNSは、最近では保守SNSというものが立ち上げられ話題になりました。「特定のカテゴリに属する人達に特化した場所を作る」には非常に適していると思います。現状ツイフェミは「特定の思想に固執し、外部の人々とのトラブルが絶えない」のですから、分散型SNSに移行することで双方敵対者の発言を目にする事が無くなり、間違いなくネット上のトラブルを減らす事が出来るのです。
勿論お互い敵対者が発信している場所をわざわざ見に行かない事が大切です。ある意味フェミニスト側による「自主的な隔離」であることを理解し、双方ともこれ以上関わる必要はないし関わるべきでない、という認識をしっかり持つべきです。敢えて見に行くということは即ち相手に粘着するつもりである事を意味します。
分散型SNSにはツイッターには無いメリットが沢山あります。何よりも双方が争うことなく、快適にSNSを利用することが出来る非常に有効な手段であると筆者は考えています。
※みんなのフォトギャラリーより、ふるりさんのイラストをお借りしました。ありがとうございます。