繰り返されるオタク界隈の「注意喚起」
こんにちは、まちぞうです。
今回はこの件について考察します。
コミックマーケット100で、17歳の女子高校生があるサークルの売り子をして「扱いがあまりにも酷く我慢ならなかった」と訴える - Togetter
3年ぶりの夏開催となったコミックマーケットは多くの人が心待ちにしていたイベントだと思います。2日間の日程終了後、ある参加者による告発ツイートがまとめられ、Togetterに公開されました。
私が本件において問題だと感じたのは、当事者である自称17歳の女子高生「あまちゃ」さんの告発という形をとったツイートについてです。
この記事を執筆している現在、既にあまちゃさんのツイッターアカウントは削除されておりますので、此処にはTogetter記事内から発端となった当該発言を引用します。
以下、あまちゃさんが「我慢ならかったこと」が複数のツイートによって綴られますが、まずこの最初のツイートに既に問題があります。
「周囲への注意喚起も兼ねてツイート致します。」
これまでもオタク界隈の炎上事案を目にしたことのある人なら非常に既視感を覚える言い回しなのではないでしょうか。「注意喚起も兼ねて」←これ、所謂「オタク学級会」と呼ばれるオタクの炎上事案に於いて、バッシングを煽動しようとする者が好んで用いる傾向のある言葉です。
表面上の体裁としては確かに違和感はありません。しかし実態はどうでしょうか。これまでオタク界隈で注意喚起です!と言って喧伝され、拡散された事が結果的に炎上に発展した事は幾度となくありました。
「この人にこんなことをされました!皆同じ被害に遭わないよう気を付けて!」と名指しされた人物(当事者)は、その「注意喚起」を目にした人達に「非常識な人物・加害者」として認識され、なんて酷い事をするんだ!と多くの部外者から一斉に非難されます。炎上のお約束ですが非難に便乗したただの罵倒、誹謗中傷、人格攻撃、素性の特定・晒し行為を行う者まで現れます。
当事者は非常に憔悴し謝罪を余儀なくされますが、謝ったところで叩き行為に及んだ大勢の部外者が溜飲を下げることはありません。謝罪の内容にケチをつけ、更にバッシングは続きます。遂には当事者はアカウント削除、更には創作活動からの撤退に追い込まれることもしばしばです。所謂「筆を折る」というやつです。そこまでして漸く一連の「オタク学級会」は収束へ向かっていくのです。
本来純粋に注意喚起が目的だったのであれば、自分の告発により相手が炎上してしまったらその事に対して罪悪感を持つ筈です。しかしこれまで「そんなつもりはなかった、このような炎上は望まないのでこれ以上相手を叩かないで欲しい」と訴え、結果的に炎上を煽動した事を詫びた告発者を私はこれまで一度も見たことがありません。
つまり彼ら告発者は皆「確信犯」なのです。自分の発する「注意喚起」が炎上に発展し、相手が叩き行為に遭うことをはじめから分かっている。
あまつさえ相手が垢消し、活動撤退に追い込まれる事を良しとしている。更にはっきり言ってしまえば、彼らははじめから炎上を煽動する事が目的なのです。相手がムカついたから燃やしてやろうという意図をもって「注意喚起」を発するのです。
ですから本件に関しても、あまちゃさんの発端となるツイートを目にした時、私は「またか」と思いました。趣味の活動で個人的に揉めた相手にネットリンチで報復する、幾度となく取られてきた卑劣な手法。最近少しずつではありますがネットリンチだと認識されてきたこの手法をこの期に及んで用いる人間がまた現れたのか、と暗澹とした気持ちになりました。
結果として告発された常盤つばめ氏は謝罪に追い込まれ、同人活動を自粛することになりました。正にここまでは定石通りですから、告発者のあまちゃさんとしても思惑通りに進んだと言えるのではないでしょうか。
ところが告発内容(最初のツイートの後に続く内容)を見たコミケの常連者達から、寧ろあまちゃさんの方がコミケの常識・ルールを理解していないのではないかという非難が噴出し、あまちゃさんもまたバッシングを受ける形となりました。
そしてどういう訳が若い女性を不当に扱った相手を非難したいフェミニストと、コミケの常識も理解していない癖に被害者面した告発者を非難したいオタク側の対立という構図が生まれたのです。これに関しては全くの蛇足であり、非常に馬鹿げていると言わざるを得ません。
告発の後、話し合いをした後に相手をブロックしたと言っていたあまちゃさんですが、数日後、突如長文スクショと共に謝罪ツイートを投稿しました。告発者であった筈の彼女もまた、予想外の自分へのバッシングに耐えかねたものと思われます。
「あまちゃ」氏と「常盤つばめ」氏の間で起きたトラブルの続報。 - Togetter
(謝罪の詳細については上記まとめをご確認下さい)
この長文スクショの中で、更に我が目を疑うような告白がありました。
サラっととんでもない事を仰っていますが、つまり「注意喚起と称した告発」に、はじめから複数人の大人が関わっていたというのです。
まさかその複数人の大人も、「注意喚起がネットリンチを誘発する」事を理解していなかったと言うのでしょうか。これまで何度も何度も同じような事が起こってきたのに、それを誰も知らなかったというのは、到底考えにくいことです。
17歳の少女が単独で行ったことであれば、もしかしたら過去の数々の事案を知らなかったのかも知れない、注意喚起がネットリンチに発展するなんて思いもしなかったのかも知れないと考える余地は(一万歩ぐらい譲って)あるかも知れません。しかしそうではなかったのです。数人の大人がこのような形で告発をしようとした彼女を止めようともせずそれに加担した。それどころか彼女に対して告発をけしかけた可能性すらある。
あまちゃさんは複数の大人に炎上を煽動することを唆された可能性がある事を、この告白は示唆しているのです。
数人のいい大人が未成年の女性を矢面に立たせて、告発と称したネットリンチを仕組んだのだとしたらこんな卑劣な話があるでしょうか。
よくそんな事が出来るものです。
結果的にこの正体不明の大人達と大勢の部外者によって、2人のネットリンチ被害者が生まれてしまった訳です。
個人的な揉め事を炎上で解決してはならない
本件であまちゃさんが告発した内容は非常に個人的な事であり、不特定多数の人間が注意をすべき事ではありませんでした。相手に同じような事を繰り返させたくなかったのであれば直接本人と話し合い、私はこれが嫌だった、こんな事はして欲しくなかったと伝えるべきだったのです。
今回のことであまちゃさんも非難を受け、辛い思いをされたことでしょう。彼女には「自分は一方的な被害者」と捉えるのではなく炎上を煽動したからこうなった、ある意味報いを受けたのだと理解し、揉め事の解決にこのような手法を用いるべきではないと今回の事から学んで欲しい、そう願ってやみません。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?