デザインのライティングにAIを活用している話
ソーシャルPLUS のデザイナー、のもち(@nomo_017)です🙋♀️ 最近は歯磨きにハマっています🦷
ソーシャルPLUSのデザインチームでは、AIを活用してデザインの品質向上を目指す取り組みを進めています。主にライティングに関してAIを活用して良かった点をまとめていきます。✍️
課題になっていたこと
デザインチームというか私個人の課題です😇
UIやクリエイティブを作成するときに、他職種の方から日本語や英語に関するフィードバックをいただく機会がありました。
日本語についていただいたフィードバック
文法について曖昧に理解していたことが多く、下記のようなフィードバックをいただきました。
英語についていただいたフィードバック
英語に翻訳する作業は DeepL でとても助かっていたのですが、細かいニュアンスの違いが判断つかず、下記のようなフィードバックをいただきました。
ソーシャルPLUSでは、ライティングはデザイナーが責任を持つ領域です。そのため、デザイナーだけで文法の添削ができる状態や、プロダクトでライティングが統一されている状態を目指して改善に取り組んでいます。
生成系AIの利用について
ソーシャルPLUSでは、関連会社であるフィードフォース社が定めた「生成系 AIを業務利用に関するガイドライン」を元に、「学習しないAI」で許可された範囲についてAIを利用しています。
ソーシャルPLUSのデザインチームでは、AIやツールをこのように使い分けています。
- Notion AI(日本語の改善)
- DeepL(日本語→英語)
- ChatGPT Plus(文章の洗練)
Notion AI(日本語の改善)
UIの文章を改善するためにNotion AIを利用しています。改善された文章をそのまま使用するのではなく、文法として問題ないか、ソーシャルPLUSではどのような言い回しが適切か、プロダクト全体の統一感は保たれているかを考慮した後、UIに反映していきます。
DeepL(日本語→英語)
ソーシャルPLUSのShopifyアプリ「CRM PLUS on LINE」では英語も対応しているため、英語版のUIやクリエイティブを用意する必要があります。
日本語を英訳するときにDeepLを利用しています。日本語をそのまま英語に直訳すると、文章が長くなったりニュアンスが異なったりする場合があるため、英訳用の日本語を用意することもあります。
ChatGPT Plus(文章の洗練)
文章を洗練させたり、UI用に短くしたり、ニュアンスを確認したりするために、ChatGPT Plusを利用しています。
どのように改善されたか
より読みやすく理解しやすい文章を作成できるようになりました。実装の仕様で文章を変更することはありますが、文法についてフィードバックいただくことは今のところなくなりました。
① UIにAIやツールを活用した例
下記のUIの赤枠の文章を改善した例です。
伝えたい文章の大枠ができたら、下記のようにNotion AIに改善を依頼していきます。赤枠の部分が改善されました。
「お客様」という単語が2つ出てきてややこしかったので、読点で区切るのが良さそうです。「作成」「編集」の繋げ方もより自然になりましたね。
「お客様セグメントのうち」というニュアンスは残したいので、下記のように、良い言い回しがないかChatGPT Plusに提案を依頼します。「おいて」「中の(で)」という表現がありそうです。
下記のようにChatGPT Plusで「うち」「おいて」「中で」のニュアンスの違いを確認しました。今回伝えたいニュアンスは「中で」が近そうなので、「中で」を採用していきます。
最後に、プロダクト全体のトンマナに合わせて文章を微調整していきます。下記の赤枠の部分を調整しました。
改善した文章をUIに反映して完成です!
※ 仕様変更により、現在はこちらのUIの文章が変更されています。
② クリエイティブにAIやツールを活用した例
下記のクリエイティブの赤枠の文章を改善した例です。
伝えたい文章の大枠ができたら、下記のようにNotion AIに改善を依頼していきます。赤枠の部分が改善されました。
「6種類のソーシャルログイン」「1タップでの自動ログイン」「LINEのデジタル会員証」の3つの要素が自然に繋がりました。「キープ」は「維持」にした方が、分かりやすく短くて良いですね。
「6種類のソーシャルログイン」「1タップでの自動ログイン」を繋ぐ並列助詞は、「と」より「や」の方がソーシャルPLUSの利用シーンに合っていると感じたので、下記のように「や」に置き換えてからもう一度Notion AIに見てもらいました。「や」でも大丈夫そうです。
最後に、DeepLで英訳を依頼していきます。下記のように、作成された英語を日本語訳してみましたがニュアンスは大丈夫そうです。
改善した文章をクリエイティブに反映して完成です!
[おまけ]ライティングのルール化が進んだ
AIやツールで生成された文章を元に、ソーシャルPLUSではどのような表現を使用するのが適切かをデザインチームで議論し、いくつかルールが作成されました。
このルールは厳密に守らなければいけないものではなく、判断に迷ったときに立ち寄れる場所にできればと思います。いずれは外部公開していきたいです。
まとめ
読んでいただきありがとうございます!
今回の例の他にも、Slackでレビュー依頼をするときの文章やフィードバックの文章、インタビュー記事の文章など、さまざまな文章にAIを活用し、コミュニケーションの促進や成果物の品質向上を図っています。
まだまだ細かいところで判断に悩むこともありますが、フィードバックいただく回数を減らすことと、スピード感をもってデザインを進めることの両立ができるような仕組み作りを進めていければと思います💪