【能登半島地震】DX化してる会社のみなし仮設の契約は超早かった
あなたの待ち順番は40番目です
地震発生から2週間経った頃の話です。日々山のように飛び交うメッセの波をかき分けながら進み、初対面の人たちばっかりなのにいきなりのシリアスな支援プロジェクトがどんどん動く中、そんな中すっかり忘れていたことがありました。自分の新たな住まいの確保です。
支援に懸命になっていて、気がついたら金沢から北にある賃貸物件がキレイさっぱり消えていました。
まだ水道すら復旧していないような地域の物件すら激戦です。問い合わせが殺到していたようです。
遅ればせながら、私もみなし仮設住宅※の手配しようと不動産屋さんへWEBから問い合わせしたら「あなたの待ち順40番目」って言われました。物件というより不動産屋さんがパンク状態になっているんですよね。
※みなし仮設住宅って何?と言う方はこちらをどうぞ。
確かに1500件も問い合わせが殺到したらさばくのは大変です。
物件管理を今どき紙でやっている不動産屋はないと思いますが、それ以外のフローはどうでしょうか?
みなし仮設住宅の手配に再アタック!!
40番も順番を待っているのは困るので、自分の中の要件を整理して再度アタックしてみました。
まず私の場合は実家に寝るだけの場所ならあります。居候なので仏間のタンスの隙間で寝るだけですが。
今ないのは仕事場所と荷物を置く場所です。
被災した家は屋根に穴が開いており2階の床に雪がつもります。
貴重品等は既に持ち出していますが、多くの電化製品や撮影機材はまだそのまま残っています。これを出来る限り早く移さなければいけません。
一戸建て用に揃えてあるものなので、ワンルームマンションの間取りではスペース的に無理です。
そこで引っ越し先を、水道の復旧までそんなに時間はかからないと思うが、今現在では復旧できていなく、物件が比較的残っている志賀町の1LDK以上の耐震基準以降の物件に絞りました。
そして不動産屋の中で、現地物件の扱いが多く、Webページの更新が最も早いところを探しました。 この場合、物件が出てくるスピードではなく、物件を消すスピードが早いところです。
不動産屋のWebサイトはたくさんあり、複数のサイトで同じ物件がたくさん出てきます。毎日数百件単位で契約されていますが、サイトごとに契約済み物件を消すスピードにかなり差があります。
なので、真っ先に消している会社が1番DXが進んでいるんじゃないかと目星をつけました。
最後は物理アタックのハイブリッド攻撃
で、最後は開店待ちです。ここはITではなく物理攻撃です。
店のドアの鍵を開けに来たお姉さんに「すみません。この物件もし空いてたらこのまま現地で自分で内覧してきますので鍵とかもらえませんでしょうか?」 とアタックしました。
お姉さんはすぐ端末で空き具合を確認、「空いていることが確認できました」と私に言いながら、その場で物件情報をプリントアウト、プリントアウトした紙にキーボックスの場所と暗証番号を書いてくれました。この間たった3分。
清掃の状況などもその時に教えてもらいました。50km以上離れた場所の物件なのにちゃんと管理できてるんですね。
おかげで、その日のうちに内覧して帰り道に不動産屋で仮契約を終わらせることができました。 契約を終えて家に帰ってWebサイトを見たらすでに申し込み済みになってました。素晴らしい。
同じ方法が通用するかどうか分かりませんが、不動産屋さんのDX活用具合によって、物件の処理スピードに相当差が出てきそうな気がします。
もし40年前だったら、不動産屋さんが指を舐めながら物件ファイルを探して、
「あーこれね、これ今どうなっとるやろ?ちょっと大家さんに電話してみるわ」
「いないみたいやね。 ちょっと私の車に乗って一緒に行ってみますか?」
みたいなやりとりになっていることでしょうね。大学の頃はこんな感じだったわ。これで1500件処理するのに、何ヶ月かかることやら。
能登方面のみなし仮設住宅の申し込みは早めがオススメ
そんな感じで金沢以北のみなし仮設住宅の申し込みはかなりの競争状態です。
被災者さんの中には、震災の混乱がまだ収まらず、物件申し込みに迷ってる方がたくさんいらっしゃいますが、特に2部屋以上の耐震物件は正直迷ってる時間はありません。
Web上に情報あっても既に埋まっている物件が多いので、早めにえいや!がオススメです。
子供の教育の件もありますから、考える項目が多くて大変だとは思いますが2年限りですし、みなしから被災地の公営仮設に入居できるように制度も変わっています。
みなし仮設住宅は新耐震以上でないと適用されないし、 対応できる不動産屋さんとできない不動産屋さんがあるのでちゃんと聞きましょう。
金沢市及び金沢市郊外の海沿いの物件で、津波の心配をされる方が多いのですが、海沿いは意外と市内より高台にあって安全なところも多いので、そういう物件を探すのもオススメです。
DX化されていたら震災支援全体が全然違っただろうなあ
軽めの不動産の話にしてみましたが、被災地支援で思うのはITの活用具合の低さです。現在支援中の案件が多くて書けないことばっかりなのですが、もし◯◯だったらと思うことが毎日毎日本当に本当にたくさん出てきます。
今さら言っても仕方ないんですけどね。
特に混成チームできめ細かい対応をしようと思うとDX化は不可欠です。好きとか嫌いとかじゃなくて、2万人を超える被災者を現地にいる毎週入れ替わる数百人の混成チームで支えるのはアナログでは無理なんです。
この話はまた落ち着いてから書いてみたいと思います。
水のない被災地でも支援する覚悟をお持ちの方へ
公式のボランティアの受入も始まりましたが、まだバスでの往復で人数もかなり限られます。現状奥能登はすごい渋滞で乗用車で勝手に来られても困るのは事実です。
とはいえ、障害物で入ることもできない家、雨で濡れてゆく家財、動けない身体に忍び寄るエコノミークラス症候群と被災者の支援も急を要しています。
自伐林業仲間である福井の団体が私の町を拠点に震災ボランティアとして活動してくれています。泊まるところ(寝袋ですが)もありますのでぜひご応募ください。
現場はとても厳しいので条件は多いです。よく読んで応募くださいね。
スキ!は遠慮なくお願いします。拡散されることが励みになります!
今は寄付ページへの寄付をお願いしていますが、こちらも気に留めていただきありがとうございます。 この先どうなるかわかりませんが、サポートいただけましたら、被災地支援活動がおちついたら自分自身の生活再建に使わせていただきます。