あけましておめでとうございます。新年ご挨拶がわりに山を買った話をします!
あけましておめでとうございます
本年もよろしくお願いします。去年は古民家のリノベと意気込んだものの、GWくらいから体調を崩して、計画は全然進まず、noteの更新も進まず、ほんとに残念な一年でした。秋くらいより復調して古民家を使ってのアスレチック(普通に住んで修理すれば運動です)に励んだ結果、今は元気です。今年こそはリノベも着々と進めようかと思っております。
で、のっけからなんですが、山を買った話です。
富豪ではないので領主になったとかいうレベルではないですが、そこそこ大きいです。東京ドームが1.5個ほど入ります。なのにかなり衝動買いでした。
何で山を買おうと思ったのか?
実は買ったのは2年前です。空き家買うより前の話になります。まだキャンピングカーを作っていた頃のことです。
まあ、ご多分に漏れずキャンピングカーに乗ると、ベースキャンプ的なものが欲しくなるわけですよ。山買ってソロキャンプしている動画とかついYouTubeで見てしまいますしね。
千葉のマンションでは自作キャンピングカーを作る場所がほんとになくて、貸ピットやら、車中泊施設、平日のキャンプ場、時には川原とあちこちジプシーのように工具と材料抱えてさまよっていた私には、広い土地で大きな音を出せる環境が心底羨ましかったんです。
そこで、ちょっと山を買う勉強をしてみたわけです。
で、もちろんすぐに壁にぶち当たります。100坪とか買ったところで、そもそも境界線さえ曖昧でどこが自分の土地かもわからないし、道路に接続してなかったら、経路の所有者の許可もないのに車の乗り入れすら不可能(っていうか物理的にも無理だけど)なんですからね。
安いからって素人が簡単に手を出していいものじゃないってことはすぐわかりました。おまけに山の値段なんてあってないようなもの。100坪で50万とか言うところもあれば、5000坪で50万とか言うところもある、しかも両者の距離はさして離れていない。家の土地と違って何を基準にすればいいかもさっぱりわからない。
だんだん思考は迷走してゆきます。
そもそも、なんで私は山が欲しいのか?キャンピングカーのベースなのか?
いや、山の中の土地を買っても結局車の水補給もトイレ問題も風呂問題も片付かない。
男のロマン? まあ、それはあるけど、隣近所に気兼ねしながら分け入った森の先の100坪は果たしてロマンと言えるのか?
そんな事を考えているうちに、結局行き着く先は「老後の心配」だったんだということに気づきました。
千葉のマンションは賃貸、もしも家賃が払えなくなったら出なくてはなりません。金沢の自宅は前の年に売ってしまい、手元に残る不動産はゼロ。
貯金はないわけではないけど、円の価値なんて今だってフラフラと下降路線なのに20年後はどうなるかわからない。年金だって…。
自分に稼ぐ力があるうちには全然心配にならないことが、65歳から先を考えると甚だ不安になってくるわけです。
行き着く先が、「広い土地と木があれば、体が動くうちは自給自足で死ぬことはないんじゃないか」というとっても安易な結論でした。
ほとんど縄文人の発想ですよね、イノシシ狩ってあばら家に住んで焚き木して肉焼いて、山菜採ってみたいな…。
ただまあ、なんとなく広い土地持ってたら、最終のセーフティネット(最終すぎるけど)として、心の平穏に繋がりそうな気がしたんです。
都会のサラリーマンが買う山の条件
で、再度山の勉強を進めました。心の平穏のはずの山が心の負債になってしまったらどうしようもありません。
いろいろ調べた結果、なんとなくわかってきました。
今売られている山の多くは、先祖代々分割相続で細かく刻まれた破片みたいな土地か、原野商法の処分品、急傾斜地など問題を抱えている山が多いです。ある程度の面積で条件のいい山は今でも滅多に市場には出てこないのです。
なるほど、山は負債とか世間で騒がれているけど、つまりは負債にならない山はみんな手放してはいないのですね。
ということで、自分なりに条件を絞ってみました。
少なくとも地続きで5,000坪以上の面積(自給自足を考えるとミニマムでこの程度の面積は必要)
境界線が明確であること(買ってから隣人と協議とかムリ!)
舗装された道路に隣接していること(誰に気兼ねも許可もなく車で行けます)
土砂災害警戒区域ではないこと、境界線が急傾斜地など隣地に土砂を垂れ流す心配がないこと(災害だけでなく、自分が何かするにしても力量的に無理です)
皆伐されたはげ山ではないこと(木が育つには最低50年はかかります、薪が取れない)
もしできれば水が確保できること(これは井戸を掘るという手もあるので
絶対ではない)金沢の自宅を売ったお金で買えること(借金するのは本末転倒)
地目が「山林」であること(税金とかその後の利用を考えると畑になっていたり宅地になっているとすごく面倒なんです)
都市計画地域ではない(活用に制限が大きくなります、まあそもそも価格的に買えませんけどね)
と条件を挙げて、石川県内(今後どこに住むか当時は考えてなかったけど、せめて生まれ育った実家から通えることは最低条件)で探し始めました。
ところがないんですよ、売ってる山。つまりそういう山は誰も手放さないってことなんでしょうね。
そのうちに過去の土地取引の概要が記録されているサイトを見つけました。
国土交通省不動産取引価格情報検索というやつです。
全部ではないのですが、これでおおよその傾向と相場はわかります。ネットも便利になったものですね。ちょっと使いにくいけど。
で、調べた結果としては、石川県内で過去数年間で、上記に上げた条件で取引された記録はほぼなし。
やっぱり山買うのもまじめに考えるとそんなに簡単にはいかないものですね。
売っているものも細切れの土地か道路に接してない飛び地がほとんどです。
そして、そのときは来た
そんなこんなで、週に一度程度、不動産サイトサーフィンをしていた何周目かのときに、運命の女神(悪魔かもしれませんが)がこっちを向きました。
上記の条件の半分以上を満たす土地が能登に出てきたんです。(残り半分は書いてあった事項ではわからなかった)
想定より面積的には大きかったんで躊躇はしたものの、とりあえずメールで問い合わせです。
上記の条件を書いて返答を待ったところ、なんと全部クリア!
そんなことがあってもいいものか!というほどラッキーでした。
で、引き合い状況を聞くと、すでに3件の問い合わせがあって、来週に2件下見に来るらしい。みんな早い!
不動産屋さんのセールストークの可能性は否定できないものの、いくらなんでも嘘は言わないだろうということと、個人でやっている金沢の不動産屋さんですが、私が20代の頃から名前を知っている人で、信用はできると思い、返信のメールでいきなり仮押さえしてしまいました。
まさか見つけて一日で東京ドーム以上の広さの山を買うとか人生何が起きるかわかりません。
不動産屋さんの話では、この山は競売に出ていたのを落札したものだそうです。なので境界線がだいたいわかっていた模様。
不動産屋さん自身も山を扱うのは慣れていなくて、勉強代わりに落札したとのこと。売れるかどうかもわからなかったけど、放っておいても問題ない山で、あんまり出てこない規模の土地だったからと、だいたい私と同じこと考えているんですね。
でも、そこはさすがプロ、敷地境界線を現地で確認して、三方が町有地だったので役場の担当と確認、もう一方は所有者と現地で確認して書面までもらってくれました。この価格(プリウスより安い東京ドーム)でそれで儲かるんだろうかと心配になってきます。(まあ勉強だと言ってたし)
場所は能登空港から車で15分程度、2車線の舗装道路に100m程度面しています。アクセスは抜群。
川は流れていませんが、隣接の町有林を10mほど進むと川です。水も問題なし。
現況は50年前に植林された杉9割ヒノキ1割の放置林で、経年的にはいい感じなのですが、一度も手入れされた痕跡がなく、間伐されていないのでもやし畑です。薪にしかなりません。
まあ、もともとの目的には合致するのでいいんですが、山菜も採れないのはちょっと寂しいですね。(針葉樹林は山菜はほとんどなく野鳥もあまりいないんです、獣害もすくないけど)
そんなわけで山主になっちゃいました
当初の予定より規模が大きいし、里山里海を守る能登SDGsラボの研究員の肩書もあるのですから、さすがに山も活用しないといけないなと思っていますが、それはまた次の機会で。
山持つと、妙にワクワクするのは男のロマンでしょうか、やっぱり。
台風の時はドキドキしますけどね。
一年後(去年)に輪島の古民家(元郵便局)を買うのですが、実は古民家探しの条件では、この山に通えることと軽トラや山林関係の道具を置く場所があることが絶対条件だったんですよね。
というわけで古民家リノベと並行して、今年はこの山も少しいじろうかと思っています。
このnoteめっちゃ更新が遅くて(やることが多すぎるんです、一応本業は会社員ですから)申し訳ないのですが、あんまり期待せずにお待ち下さい。
本年もよろしくお願いします。
元郵便局を買った話はこちらです。