妄想酒場 足が痛かった日
いらっしゃい
あ痛!
え、あぁ、大丈夫よ全然。
何お飲みになる?
はーい、よろこんで。
はーい、おまちどうさま。
タコとトマトのマリネね。
え?そう?
あたし歩き方おかしい?
ううん、大したことないの、大丈夫よ。
じつは昨日ね、久しぶりに親しい友達の
美女会があったのよ。
あら、だってさ
この年で女子会なんて、気恥ずかしいじゃない。
美女会くらいしか言いようがないのよ。
でもね、お友達はみんなホントに美女なのよ、
もし会ったら、からかったこときっと後悔するわよ。
こんどウチに彼女たちが来ても紹介してあげないから。
そうそう、そんなことはどうでもいいのよ、
足の話だったでしょ。
あ、やきとりね?はいはい。
はい、どうぞ。
それでね、彼女たちに久しぶりに会うために、
新しいサンダルを買ってはいて行ったのよ。
ええそうなの、
そしたら三か所も靴ずれができて
全部血が出てるのよ。
それがもう痛くって痛くって。
だってぇ、とりあえずそりゃあ大丈夫って
言わないと、ダメじゃない?
まあ、結局何が言いたいかというとね、
あたしはやっぱり足袋に下駄が
一番好きだってこと。