乱筆感想「ステラーブレイド」
前置き
今回は今年の4月26日にリリースされ、未だに"快進撃"を続けている「ステラーブレイド」について書いていきます。
まず今作を開発したのは、イラストレーターとして有名なキム・ヒョンテ氏が率いる開発会社「SHIFT UP」であり、最近ではソシャゲの「NIKKE」で名を馳せているのでご存じの方も多いのではないだろうか?
キム・ヒョンテ氏というと、PS2・XB360時代に発売された「マグナカルタ」シリーズも有名であり、「NIKKE」で久々に同氏の描く美しいキャラを見た際は、彼の溢れ出る才能に改めて感心させられたものです。
ちなみ冒頭で"快進撃"といった単語を使いましたが、実際に世界的に好調なようでファミ通調べでの3週連続セールス1位(国内)やCircana調べでの北米セールス1位といった景気の良い報道が立て続いていたりします。
セールスの好調もあってか、早くも続編開発の始動やDLCの開発など、まさに快進撃と言っても良いでしょう。
さて前置きはここまでにしておき、ここからはゲームの内容紹介に入っていきます。
物語や登場人物
まずストーリーの内容としては、
"ポストアポカリプス×SF"ものであり、世界観の雰囲気としては「NieR:Automata」に近いものがあるかもしれません。
事実、某雑誌によるインタビュー内で影響を受けているとキム・ヒョンテ氏が言及していたりもします。
あらすじ
本作の舞台は未来の地球。
地球では異形の存在"ネイティブ"がばっこし荒廃していた。
地球外のコロニーに追いやられた人類は、ネイティブを殲滅し地球を取り戻すため、空挺舞台を送り込んでは失敗を繰り返していた。
主人公のイヴはその空挺舞台の一隊員であり、先遣隊と同じく地球を取り戻す任務を帯び地上へと降り立つ。
地上へ降り立ったイヴは、仲間の喪失や新たな仲間との出会い、任務の真実と向き合い戦っていく事となる…
基本的に上記の三人が中心となり、各地を巡りネイティブの討伐や補佐をしながら物語が進む事となります。
その他に登場するキャラクター達もキム・ヒョンテ氏の手腕が存分に発揮されており、サイバーパンクチックな住人や可愛い系から美女系までの女性キャラ達、絶妙なグロテスク加減のキモ格好良いネイティブ達が揃っているのも魅力の一つでもあるといえます。
アクション面について
この記事を読まれている方で、体験版を遊ばれた方はいらっしゃるだろうか?
正直なところ体験版ではモッサリとした反応速度で、「これはやっちまったか?」と思ってしまったのですが、製品版ではしっかりと手触りの良い機敏な操作感に修正されていたのでご安心頂きたい。
まず今作のアクション面に関してですが、様々なアクションゲームの要素が詰め込まれいる作品だと感じました。
例を挙げると「SEKIRO」の"パリィ、体幹システム、体幹削りからのフィニッシュアクション"や「ゴッドオブウォー」のL3+R3同時押しの"スパルタンレイジモード"などです。
他にもL2ボタンを入力する事で肩越し視点での射撃が出来たりします。
ちなみにアクションの手触りとしては、「スターウォーズ:ジェダイサバイバー」(以下SWJS)に近いでしょうか。
色々と作品を並べさせてもらいましたが、他作品の美味しいとこ取りをしていて、それをバランス良く調理し良アクションとして昇華しているといった印象です。
アクションゲームとしては、いわゆる"ソウルライク"に属する作品だと思うのですが、難易度設定が可能であったり、敵の攻撃の苛烈さもそこまでではないので、比較的アクションが苦手な方でも手が出せる難易度だと思います。
近接攻撃以外のTPS部分も細かく作り込まれており、「通常弾、ショットガン、レーザー、ホーミングミサイル」などの様々な弾薬が用意されています。
アクションゲームによくある弱々ダメージのお飾り遠距離武器というわけではなく、十分に通用するダメージを与えられるので気持ちの良いTPS戦闘が味わえるのも評価したいところです。
ただ弾薬に限りがあるので、基本的には近接の補助としての立ち回りで使うことになります。
名作アクション達の優れた部分を抽出・融合した近接戦闘に加え、肩越しTPSとしての魅力も備えたアクションゲーム、それが「ステラーブレイド」だといえます。
寄り道要素について
メインクエストで地球を蝕むネイティブを殲滅していく傍らで、街の住民からの依頼(サブクエスト)や各地に散りばめられた収集物集め、釣りを嗜むことも可能です。
サブクエストをクリアする事でイヴの強化アイテムの入手や、キャラの好感度が上昇しエンディングに影響を及ぼしたりと重要な要素の一つとなっています。
内容も単純な物語性のない「◯◯を◯個集めてこい」というような物ではなく、姉妹関係や愛からの自己犠牲を描いたものなどがあり、それぞれ最終的な展開もメリハリの効いたものとなっているため、だれずにサブクエスト消化をすることが出来ました。
収集物に関しては、物語の背景が読み取れるログから、イヴが気に入り収集しだしたジュース缶、空挺部隊先遣隊の亡骸からの強化パーツ、消耗品・貴重品のつまった宝箱などがあります。
今作は"セミオープンワールド"で比較的広いマップの作りとなっているので、上記の豊富な収集物回収が探索をする上での丁度良いスパイスになっているといえます。
ただ一つ惜しいかな…宝箱に関しては店売りで安価で買える物ばかりがつまっているので、中盤からは宝箱=ガッカリといった印象になってしまっていました。
続編では、店売りアイテムの価格改訂での消耗品の価値向上や貴重品の配分を増やすなどの調整は必要だろうと感じます。
釣りに関しては、至って普通の魚種からアタオカレベルの魚種まで釣ることが出来るのが◎
ありきたりの魚ばかりじゃつまらないですからね。
個人的にこういった作品での魚釣りは基本的に楽しめない方なのですが、今作の釣りに関しては比較的楽しめた方でした。
丁度良い塩梅の難易度に加え、トリガーの微調整を求められる操作性が個人的壺にハマり楽しめたのだと思います。
サウンド面について
全体的な曲調がもうNieR:Automataその物といった感想でした(笑)
キム・ヒョンテ氏が影響を受けたと発言をしていますし、なによりNieR:Automataで楽曲製作を担当した「MONACA」が"40%"ほどの楽曲を手掛けたとの事なので納得の出来です。
勿論、ただ模倣したわけではなく、作品の雰囲気にマッチしたハイクオリティな楽曲達に仕上がっている印象でした。
最後に
今回、トロコンまで遊んでみての感想としては、グラフィック、アクション、音楽面など全体的に高いレベルで纏まったアクションゲームだと感じました。
本当にCS機初のタイトルなのかと疑いたくなるほどの出来で、開発「SHIFT UP」の底力を見た気がします。
さて、ここまで予想以上に長い記事となってしまいましたが、最後まで読んで下さった方、ありがとうございました!