#1 ウクライナ出身のミラがデジタルノマドになったきっかけ
Nomad Universityへようこそ!
世界を旅するデジタルノマドのあきな(@beakinaself)です。
わたしは旅の途中で出会った世界中のデジタルノマドにインタビューして、彼らが旅の途中で遭遇した「とんでもない体験」や「おもしろい体験」などをお伺いしています。彼らの非日常体験はとってもおもしろいので、興味あるひとはぜひこの記事を読み進めてくださいね。
最近デジタルノマドという言葉を耳にすることが増えてきましたが、2000年代にも旅をしながらパソコン1台で仕事をする人はいました。今回の記事では、その頃からノマドとして仕事をしていたウクライナ出身のミラにこれまでの体験を話していただきました。
本インタビュー記事は、3回の連載でお届けしています
#1 ウクライナ出身のミラがデジタルノマドになったきっかけ(今この記事を読んでいます)
#2 旅をするときに困ること
#3 結婚しないと思っていたデジタルノマドが結婚した理由
この記事の目次は以下の通り。
1. ミラは一体何もの?
今回のゲストは数えきれないほどの国を訪れているデジタルノマドのミラです。これまでに何カ国行ったことがあるんでしょうか?自己紹介と合わせて教えてください!
こんにちは。ウクライナにいるミラです。もともと旅行が好きでこれまでに旅した国は50カ国くらいだと思います。
今から15年ほど前にいろんな国に行きはじめ、同時にアメリカの人材派遣会社の人事マネージャーとしてオンラインでの仕事を始めました。
当時はオンラインでの仕事は実体がなく詐欺のようなものだと思っていたんですが、実際にやってみると自分に合っていたんですね。
どこにいても仕事ができるので行きたいところに行けるんです。
なので、さまざまなプロジェクトを担当しながら旅と仕事を両立し、気がつけば人生の4分の1をデジタルノマドとして過ごしています。
それと、2ヶ月半前に結婚をしたんです!
おかげでこの1年は目まぐるしい変化ばかりの日々を送っています。
さらに、NGOの団体を立ち上げもして親がいない子どもたちやこじを支援することにも情熱を注いでいます。
2.成功までの苦労と強い愛国心
ミラのように旅をしながら仕事をしたい人は多いと思うのですが、仕事についてもう少し教えてください。はじめはオンラインでの仕事は詐欺だと思っていたと言っていましたが、どんな仕事だったのでしょうか。
大学を卒業するときに学費のローンを抱えたまま社会人生活を始めたくなかったので、アメリカでの1年間のワーキングプログラムに参加し、食料品店のレジ係をして学費の返済に充てようとしていました。
アメリカにはたくさんのチャンスがあり自分が成長できる国だと感じていたので、1年経ってこのままアメリカにいたいとも思っていました。でも、心のどこかでウクライナに帰らなければならないとも感じていました。
2000年代初めのウクライナは正直に言って良い状況ではありませんでした。だからこそ「まだ自分の国での使命を全うできていない」という気持ちがあったんです。
それからウクライナに帰国し、再度高等教育を受け、成績はオールAで卒業。英語も話せるし海外での勤務経験もあったのに、ウクライナで一番良い職業として提示されたのは夜勤のスーパーのレジ係で、給料は月100ドルでした。
3.オンラインでの仕事は詐欺なのか?
たったの100ドル?!
アメリカでは月100ドルの給料で生活するのは無理な話ですね。
ウクライナの中でも小さな街で人口も20万人くらいのところだったのでそんな感じだったんです。
少しでも稼げるように英語の家庭教師や翻訳の仕事もしながらオンラインの仕事も探していると、あるアメリカの会社からパーソナルアシスタントのオファーがあったので、これならできるんじゃないかと応募してみました。
でも、当時はパーソナルアシスタントがオンラインでできる仕事だとは想像ができなかったので、この仕事のオファーは詐欺なのではないかと半信半疑なところもありました。
4.人生が変わった面接
どうやってそのオファーを見つけたんですか?
ウクライナでの仕事とか、自分の町での仕事とか、インターネット上の求人サイトなどで検索して見つけました。
応募した中で、電話面接をした会社から「英語が上手ですね、面接に来てください。」と言われたのですが、面接の場所が私の住んでいる町から電車で12時間かかるところだったんです。面接を受けるだけで電車賃が高くつくなあと思ったのを覚えています。
これからデジタルノマドになろうとしているひとは新しい仕事のために12時間の移動の覚悟もしなくてはならないということでしょうか。
そうかもしれません。
面接を受けに行くための移動時間も長く、チケット代も高いので「こんなに時間とお金かけて面接が受からなかったら損をするだけだ」と会社に伝えたら「チケット代は負担するからとりあえず一度面接受けてみて欲しい」と言われました。
それなら失うものもないからやってみようと思って面接を受けに行きました。面接はオフィスの会議室で行われると思っていたら、まさかのレストラン。面接官は60代のアメリカ人の男性でした。
面接がはじまって、とりあえず彼の目を見ていれば何かを感じるかもしれないと思っていたんですが、約1時間ただただ人生についての話していただけ。
そして彼は「あなたはほぼ採用です」と言ってくれました。
その一言に驚いて思わず「どうやって人材を選んでいるんですか?履歴書も全く見ていないですし、仕事についても話していません。私について何もわかっていないのにオンラインで仕事を任せるというのですか?」と聞いてしまいました。
彼は「ミラはとても正直なひとだと感じました。それに英語も上手い。残りは我々が教えればいい」と、面白いことを言ってくれました。
これがオンラインでの仕事のスタートです。
それから3ヶ月パーソナルアシスタントとしてメールの仕分けなどをして働いていると「人事の仕事が向いてるかもしてない」と言われました。当時は、人事がどんな仕事をするのかわからなかったので、まずインターネットで調べたのを覚えています。
5.オンラインでつかんだチャンス
ミラの話を聞くと、多くの人が憧れるノマド生活も実はそんな簡単なものじゃないと改めて思いますね。たくさん苦労しながら働き、知らないことに挑戦するのが大事だと思わせるような話でした。
また、アメリカの会社で受けた面接も非常に独特でとても面白かったです。当時「人事」の意味さえ知らないミラはもう数十年も人事の仕事をしているわけですが、さらに詳しくお話を伺ったのでぜひ次の記事もチェックしてみてください!
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