高齢になると家を借りにくくなると言うけれど
家は賃貸派か購入派かというのは永遠のテーマですよね。
うちは今のところ家を購入する予定はなく、賃貸派に落ち着いています。
都心から比較的近いところに住んでいるので(主に夫の通勤時間を短縮するため)、今住んでいる場所の近くに今住んでいる物件と同じ広さの物件を購入すれば今の家賃どころの金額では済みませんし、その上管理費や固定資産税が上乗せされた場合、いくら子無し共働きとはいえ、住宅コストが明らかに家計を圧迫してしまうからです。
しかし、老後は部屋を貸してくれなくなるから買っておいた方がいいよと言われることがあります。
確かに現時点では、65歳以上の人が部屋を借りようとするといくらしっかりした保証人を立てられたとしても入居を断られることが多いと聞きます。所有する物件での孤独死を恐れてのことだそうです。
では果たして、次の人口ボリュームゾーンである私たち団塊ジュニアが65歳を迎える15年後はどうでしょうか?
団塊世代は大部分が亡くなっているであろう15年後、持ち家率の高かった団塊世代が残した不動産が世にたくさん出ているはずです。
私たち夫婦も例外ではなく、私の親も夫の親もそれぞれ持ち家があります。
仮に私たち夫婦がそれぞれの実家を相続したとしても、家は何個もいりません。
そのうちの1軒に自分たちが住むことにしたとしても、1軒は余るわけですからそれを賃貸に出すなり売りに出そうとするなりしているはずです。
そして、そのような物件が市場に山ほど溢れていることは想像に難くありません。
明らかに供給過多の状況です。
果たしてそのような状況で65歳以上に部屋を貸したくないなどと言える状況でしょうか?
さらには、「住む」という行為も多様化しており、現在でさえ、アドレスホッピングなど、家の所有どころか定住にさえこだわらない選択をしている人たちも増えています。
家のサブスクなるものも存在します。
これに加えて、その頃には多くのことをテクノロジーの助けを借りて解決できるようになっているはずです。
センサーやカメラ、ガスや電気のメーターを利用した高齢者の見守りサービスはすでに存在しています。
そして、その頃には制度やシステムも時代に合うように変更されているはずです。
現に、政府は今年、「住宅弱者」を支える「住宅セーフティーネット制度」を拡充する法改正を行っています。
これらのことを総合すると、確かに現時点では高齢者が部屋を借りにくい状況なのは事実ではありますが、団塊ジュニアが高齢者になる15年後には需給の変化、テクノロジー、政府のサポート、制度やシステムの変更などに伴って、必ずしもそのようなことは当てはまらなくなっている、すなわち少なくとも消費者側の選択肢は増えているのではないかと考えます。
やはり、家は賃貸派という私の考えは今のところ変わりそうにありません。