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私が見た、日本とはちょっと違う中国の職業観

コロナ禍になって、それら以前から社会問題になってたことがさらに明るみになり、今まさに時代の転換期というのを肌で実感する日々が続いてます。
それらの一つに先日以下のニュースが飛び込んできました。

コロナ禍が長期的になり深刻さが増す、日本人女性の非正規雇用や、シングルマザーの貧困化がありますが、まさにこの問題の原因として、『雇用条件の格差』『給与の男女格差』が大きいとあります。

私自身、その格差は実感している側で、過去に『転職活動中に結婚予定があるとわかった瞬間にその企業の代表者が退室した』『面談中に妊娠予定はあるのか、夫は転勤予定があるのかと毎回聞かれる』『職歴はあるのに自分は契約社員、職歴なしの男性は正社員採用』など、自分の努力・実力不足もあるのだが、なんとなく自分自身それでは納得がいかないような壁を感じることが多々ありました。
少しずつ変わっていっているとはいえ、今だにこの国は女性が家事育児、男性が一生懸命働くというモデルが一番理想というべきか、その方が上手いこといきやすいというシステム運用されていることが多いです。

実際、増税や物価上昇に伴う実質的な収入の低下により結婚しても共働き前提になってきているので、時代の変化と国の考えてる制度が合わず、様々な箇所で『歪み』として出てきているのが現状です。
家庭内での役割以外でも、職種でも日本は比較的性別の固定化があり、なかなか保育士にしても営業などにしてもメインとなる性別以外の人が参入するのに慣れていない現場も多く、苦戦しているという話も聞きます。

そのような話を聞くたびに、私が約10年前に2年間留学していた中国のことを思い出すのです。中国自体も「ジェンダー・ギャップ指数2021」では107位なので正直日本の120位とはどんぐりの背比べなのですが、10年前にみた中国では職業に関して『その仕事男性がしているの?!女性がしているの!?』という驚きがあったので、覚えているうちにまとめておこうと思い立ったのであります。

①バスの運転手は女性の方が安心

私が留学していた中国の都市では女性のバスの運転手は大人気でした。何故かというと、女性の方が『運転が丁寧だから』と国から表彰されたからと聞きました。日本だと女性は運転が下手だといわれることもありますが、この都市では『女性運転手は運転が丁寧だ』という価値観があるのです。
これに関しては、中国の道路状況が大きいと思うのですが、基本的に中国人の運転は荒いし、当時タクシーを乗っていた時道が渋滞していたら歩道を突っ切って渋滞を抜けるというとんでもない運転手がゴロゴロいました。また、我先にという国民性なので、渋滞でも突っ込んでいってクラクション鳴らしまくって、ドライバー同士が車から出て大喧嘩なんぞ日常茶飯事なのです。
そんな状況なので、『国も認めた丁寧な運転ができる女性ドライバー』は大変貴重で人気なのは当たり前なのかもしれません。
ただ、日本で慣れている我ら日本人からしたら、正直男女どっちが運転したとしても、そりゃ日本で運転してるバス運転手の方が運転技術もサービスも丁寧だと感じます。
10年前の中国でのバスの状況は、朝の通勤通学時間だと京都の観光シーズン時の市バス以上の乗車率で、バスに乗って身体が浮く。浮きすぎて運転手が運転するスペースに入り込んでしまう。運賃を入れる箱の上に乗らざる得ない状況とでしたね。(運転手の人は降りろ!と言われるのですが人が多すぎて身動き一切できない)カオスです。

②ネイルサロンで一番技術がある腹出しおじさん

中国でもネイルサロンはあります。今はどうかわかりませんが、大学の構内に小さい商店が集まった場所に小さなネイルサロンがありました。中国の重点大学レベルになると敷地が広く、中に大学校舎以外にも寮や、商店など大学内が一つの街になってるところもあり、私が留学していたところもまさにそんな街を作り上げている北海道大学レベルで敷地が広い大学でした。

話は戻して、小さい商店の集まりの中にあった小さいネイルサロンで安いので、留学生と一緒に初ジェルネイルに挑戦しました。日本だとネイルサロンとだと女性ばかり、男性が担当するイメージはほぼないのでは。
そこも基本的にやる気がなさそうな女性スタッフばかりだったのですが、一人その辺にいそうな肥満体型のTシャツを着た腹だしおじさんがいました。中国の男性すぐお腹出すんですよね。暑かったりすると、飲食店で高確率で腹をだしはじめます。あれなんでなんしょうね。
自分はてっきりこの店のオーナーおじさんだと思ってたのですが、実はこの店で一番ネイルの技術力のあるスタッフだったのでした。
私の爪は申し訳ないことに大変小さいので大苦戦していた若い女性スタッフに変わって出てきたのがこのおじさん。担当がおじさんに変わった瞬間パパっと塗って終わらせたのであった。しかも塗りも綺麗。話を聞くと一番ネイルが上手い人がこのおじさんだという…
それ以前にも小さな商店が集まって店で化粧品を売っている店主が化粧とは無縁そうな痩せたその辺のおじちゃんだったりしてるので、『中国って基本的にお金になりそうならあまり男性はこれ、女性はこれという縛りがないのかな』とは思っていましたが、このネイル技術ある腹出しおじさんの存在はいろんな意味で衝撃的でした。

色々あったはずなんですが、なにせ10年前でパッと思いだせないのがつらいところ。同じアジアでジェンダーギャップでさして差はないにしてもやはり日本とはちょっと違う中国という国。
今はどうかわかりませんが、日本は割りと普通なマツコデラックスさんやIKKOさんのようなオネエ枠(といっていいのか)の方が芸能界で活躍されていることにびっくりしたという声も聞いたことあるので、一概にどっちのほうが絶対いいというわけではないのですが、順位的には近くても実情は日本とはちょっと違うところも多いのはないでしょうか。

需要があれば中国留学時の思い出話もまとめたいなと思います。

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