影武者
101作目
7月27日「お隣さんはヒトラー?」
☆☆☆☆
引っ越してきた隣人はヒトラーか否か?
家族が全員ナチスによって殺されてしまった孤独な老人ポルスキー
その隣の空き家に、隣人が引っ越してくる。
どうやら、かなり良い暮らしをしており、
時折夜中まで馬鹿騒ぎしている。
そんなある日、隣人の犬の糞が敷地内にあり、
そのせいで大事な黒いバラがいくつか枯れてしまう。
これに対しクレームをつけに行ってから、
様々なことで、隣人とトラブルになっていく。
そして、何度か目の対面を果たした時、
初めて、相手のサングラスの下の瞳を見る。
隣人の瞳を見たポルスキーは、奴は「ヒトラー」ではないか?
と疑いをもつ。
お互いチェスが好きで、揉めながらもチェスがきっかけで、
喧嘩しながらも少しずつ打ち解けていく。
そして、ある日ヒトラーだと想っていた彼は、
ヒトラーの影武者の一人であったと知る。
この作品は、ヒトラー南米逃亡説を基に作られているとのこと。
ポルスキーの家族を全て失っているが故の、
命を投げ打つような執念で、隣人の正体を暴こうとする姿勢、
隣人がヒトラーとして生きてきて、半ば壊れてしまっている様子、
ヒトラーは一切登場しないのに、ヒトラーを主軸に描かれている
という面白い作りになっていた。
また、安易な本当にヒトラーが生きていたから
気づいた奴を殺すみたいな話じゃなくて、
真相とそれが明かされていく過程が、
面白いと感じる作品だった。