📘 Book Club ＃デザイン学習 #キャリア – デザイナーのキャリア・パスについて考えてみました。

最近、社内のミーティングでプロダクト・デザイナーたちが、自分たちの職種、キャリア・パスについて語り合う場面がありました。

💡キャリア・パスとは目指す職位や職務等に到達するための経験の積み重ね、能力を高めていくための道筋や順序のことです。一つの企業の中で、成長していくためのスキルアップやキャリアアップしていくためには何が必要で、どういうステップを踏んでいく必要があるのかなどを示したもののことです。

Illustrations: Diana Thai 

私たちのクリエーティブ・チームには、ユーザー・リサーチ、UX、またビジュアル・デザインを得意としているメンバーさまざまなバックグラウンドをもつメンバーが揃っています。各自助け合い、お互いのスキルを伸ばし合っていくように、最近はコラボをしながら仕事をしています。

デザイン業界は過去10年間で大幅に進化し続けました。デザイン分野が広く理解され、受け入れられるまでには道のりがあります。ただ私たちが理解していることは、人々は、便利で使いやすく、快適なユーザー体験を期待していることと、デザイナーはこれまで以上に需要が高まっていることです。

とはいえ、デザイナーの役割は条件によって動きが変わります。とても流動的です。実際のところ使い捨てのような感じがし、重要性の点で確かに疑わしいものがあります。AR（拡張現実）、VR（仮想現実）、人工知能、マシーン・ラーニング、音声駆動型インターフェースなどなど、常に新しい分野が出現しているので、今日のデザイナーは、10年前に比べてはるかに安定したキャリア・パスを持っています。デザイナーが影響を与えている範囲は爆発的に拡大しています。

今日は、デザイナーのキャリア・パスについての記事をまとめてみたいと思います。参考にした記事は「デザイナーのためのより良いキャリア・パスのデザイン」です。
 Designing a Better Career Path for Designers by Siva Sabaretnam

デザイン業界におけるさまざまな変化に伴い、デザイナーたちは下記のような質問をすることが重要です。

→デザイナーとして成功するための準備をしていますか？
→この進化を利用する立場に立っていますか？
→多様でありながら補完的なスキルを活用および成長を手伝ってくれる、適切な場所で適切な役割を担っていますか？
→何が私たちの成長を導いているのかを理解していますか？
→あなたの強みと情熱につながるさまざまなキャリア・パスを理解していますか？

デザイナーのキャリア・パスを考える上で、シニアの役割を明確にすることは、私たちの分野の進化における重要なステップです。

業界として、経験豊富なデザイナーの役割を、管理者に押し付けたり、成功するには管理者になる必要があると思わせたりせずに、成長し続ける方法を理解する必要があります。 経験豊富な人材の成長経路を計画する必要があります。

プリンシパル・デザイナー（またはプリンシパル・リサーチャーまたはコンテンツ戦略リーダー）の一般的なキャリアパスでは、管理職にシフトする必要があります。 

チームを通じて物事を成し遂げ、他の人が成長できるようにするための自然な才能を持ち、他の人の成果から充実感を得るデザイナーにとって、それは論理的な進歩です。 しかし、すべてのデザイナーが管理職につく必要があるわけではありません。 特定のスキル・セットのマスターである人々は、上級の個人貢献者として繁栄し、非常に複雑な大規模プロジェクトに取り組み、複数の分野にわたって正確かつ精通して作業することができます。

そのようなデザイナーたちは、普通に管理職の仕事をこなせるかもしれませんが、彼らは日々の仕事に満足したり、強化されたりすることはなく、会社はおそらく彼ら、また彼らのチームを最大限に活用することはできません。

企業は人々に自身の強みと能力に合ったキャリア・パスを与えることが必要です。

マネージャー・トラックへの自己選択

デザイン・マネージャーとシニア・デザイナーの独自の特性を視覚化することで、個人のスキル・セットがどこで繁栄するかを理解するのに役立ちます。 

幅広い範囲のリストではありませんが、すべてのデザイナーが持つべき特定のスキルがあります。デザイン・プロセスの深く微妙な理解、問題を組み立てる強力な能力、鋭い感覚、戦略と実行の両方の強さ、 優れたコミュニケーション・スタイルと説得力。 これらに加えて、特定のスキルを次のアーキタイプにマッピングできます。

Illustrations: Diana Thai 

大切なことは全てのデザイナーが、マネージャーになる意欲や能力を持っているわけではないことを認識することが重要です。

実際のところは、ほとんどのデザイナーは他人のキャリアに投資したり、構築したりすることを意識的に考えていないということです。それは通常、定められた目標ではありません。 

Google、Microsoft、Square、Facebookなどの先進的な企業は、個人がマネージャー・トラックまたはスキル・トラックに自己選択できるようにすることで、キャリア成長のための多大な努力を払ってきました。従業員は、昇進におおじて報酬も上がっていくなど、各パスでの成長の可能性を可視化することで恩恵を受けます。 また、会社のニーズが変化し、キャリアが発展するにつれて、キャリアを移動する柔軟性もあります。 デザイナーは自分の強みに合わせて自由に行動できるようになり、間違ったはしごを上に移動するというプレッシャーがなくなります。

デザイナーのキャリア・パス

ステージ1：個別のプロダクトで働きます。 チームのガイダンス下で働きます。
ステージ2：エンドツーエンドの複雑なワークフローを主導します。 ほとんどが自主的に機能し、経験豊富な人にサポートされています。
ステージ3：いくつかのワークフローを備えた複雑なサーフェスを担当します。 自律的に動作します。
ステージ4：いくつかの機能、ワークフロー、および探索またはピボットの新しい領域を含むプロダクト領域全体を担当します。 他のデザイナーをガイドしています。
ステージ5：いくつかの問題をすばやく理解し、行動計画を定義し、チームが結果を達成するのをサポートします。
ステージ6：いくつかチームの他の分野を横断し、スコープが緩く、よく理解されていない問題領域に取り組みます。 ハイステークスの状況や戦略的領域（新しいビジネスドメイン、新しい規制、国固有の問題など）で機能し、さらなる投資に関するガイダンスを会社に提供します。

シニアデザイナーは、経験の少ないマネージャーに報告することもありますが、デザイナーがスキルを伸ばし続けたり、会社の複雑な問題を解決したりできる領域を特定するのは得意です。 そのマネージャーは、非常に曖昧な領域でプロジェクトを引き渡すか、デザイナーに挑戦して自由形式の問題を解決するか、シニアデザイナーが見つけたプロジェクトの構造を作成するだけかもしれません。 この場合、マネージャーの役割は、マネージャーとデザイナーの両方の長所を活用して、デザイナーに仕事のやり方を教えるのではなく、ブロックを解除することです。 それは、スキルがあるデザイナーを継続的に成長させ、直接の組織を超えて、会社のより大きな戦略にとって重要なことに向かってバーを上下に動かす次のレベルの課題を見つけることです。

社内でこれにどれだけうまく取り組んでも、この慣習が広く採用されるまで、個々の貢献者は、会社を辞めた場合、または辞めたときに、自分の年功序列がどのように認識されるかを疑問視します。

→シニア・デザイナーを積極的に育成している会社を辞めるとどうなるだろうか？
→業界はその才能を吸収する準備ができていますか、それとも彼らは不利になりえるだろうか？
→彼らが率いる過去のチームの規模が年功序列と報酬に直接関係している会社に行く場合、報告構造はどのようになりますか？
→シニア・デザイナーは仕事に対する批評に積極的に参加し、スキルの構築に貢献したとしても、正式なレビュープロセスに取り組んでいない場合、不利になりますか？

これらは正当な懸念事項です。 私たちは岐路に立っています。シニア・デザイナーの役割を採用している企業もあれば、まだ採用していない企業もあります。 この高レバレッジの役割を理解し、スペースを作成する必要があります。 

これは選択の自由から、デザイナー、リサーチャー、コンテンツ・ストラテジストに利益をもたらし、企業に戦略的に利益をもたらしながら、個人の強みの影響を最大化する立場にいるため、業界全体に利益をもたらします。

少数の企業がシニア・デザイナーの役割を高めるだけでは十分ではありません。 私たちが望んでいるのは、私たちのデザインの才能を理解することです。より良い基準を一緒にデザインしましょう。

あなたの考えは何ですか？ シニア・デザイナーの場合、自分の役割を定義する上で役立ったベストプラクティスは何ですか？ 5年後のこの役割に対するあなたの希望と願望は何ですか？ あなたがマネージャーの場合、どのようにしてシニア・デザイナーを成長させましたか？

今日は、デザイナーのキャリア・パスについて考えてみました。私の場合は、ビジュアル・デザイナーとしてキャリア積んできました。そして、あまりマネジャー気質がないので、デザイン・マスターの道を進んでいくのがいいのかなと思いましたが、これから5年先を考えもう一度考え直してみたいと思いました。

私も、色々勉強中なので、皆さまの、ご意見・ご感想をお聞かせください。お読み頂きまして、ありがとうございました。

メルボルンを拠点にシニア・プロダクト・デザイナーとして働いています。 主にデジタル・プロダクトの制作に携わっています。