フィギュアスケート:今でも忘れられないトリノオリンピック荒川静香さんのスケーティング
北京オリンピックでの熱戦が繰り広げられていますが、北京オリンピックで起きている出来事について色々と思うところはあるものの、今回は私が大好きなフィギュアスケートについて書き残しておきたいなと思います。
女性スケーターとして世界で初めてトリプルアクセルを成功させた伊藤みどりさん(ここで私の年齢がある程度ばれそうですがw)は、恐らく私のぼんやり覚えているフィギュアスケート。145cmの身長にも関わらずパワフルなトリプルアクセスをされている姿が、子供ながらに「すごい!!!私も回転して飛びたい!」と心動かされました。
それ以降、オリンピック以外にも全日本選手権、世界選手権、グランプリファイナルなどフィギュアを見続けています。スポーツでありながらスキル面だけでなく芸術的な面を問われる競技であるフィギュアにとても魅了され続けています。
今まで感動した戦いは色々とありますが、私史上のBEST3をあげるなら、2006年トリノオリンピックの荒川静香さんのフリープログラムは本当に忘れられません。
▼2006年トリノオリンピック、荒川静香さんフリー
サーシャ・コーエン、イリーナ・スルツカヤとショートプログラムでは僅差で3位という大接戦の中でのフリープログラム。客観的には緊張感の中でのフリーだったはずなのですが、彼女のフリープログラムは余裕と優雅さを感じさせる空気感。何よりスケーティング中に笑顔が見られる瞬間もあり、あの時の荒川静香さんは神がかっていました。丁寧で正確なスケーティング、細部まで神経が行き届いている振る舞い、衣装や楽曲のトーランドットも含めて、そのプログラムを愛おしく丁寧にスケーティングしている彼女の姿が本当に今でも心に残っています。
▼当時の荒川静香さんが考えていたこと
後のインタビュー等で、もともとトリノオリンピックは視野に入れていなかったとか。2004年で世界選手権1位となりアマチュア引退とも考えていたけれど、彼女の思いとは裏腹に世界選手権1位となったことでオリンピック候補者となり状況が変わったようです。なんとなく1年過ごしオリンピックまで1年となった頃、最後の1年間はスケートと正面からしっかり向き合って引退しようと思い直し、そして真剣に向き合いトリノオリンピックを迎えた。
メダルを取るかどうかは重要ではなく、自分自身がどれだけ真剣に物事に向き合えて日々進めたかどうか、その結果として何を得られたのかが大切だったと。フリープログラムでの演技の最後のポーズをした時には、安心感や達成感、そして今まで支えてくれた人々に対しての感謝の気持ちでいっぱいだったと語っています。
このコメントに触れて、あの時の演技に流れていた丁寧で余裕のある優雅な優しさ溢れる空気感に納得しました。勝負に絶対勝つという強い気持ちは勝負をする以上は必要だとは思いますが、自分自身とどこまで向き合えるのか、自分自身がどこまで納得できるのか、そして周囲に感謝できるのかというマインドセットは結局のところ成功する人の共通点のような気がします。
他者から見て成功しているかではなく、自分自身が納得できているのかという軸で物事を捉えると、人生が豊かで幸せなものになるように思います。自分自身の人生は、誰かのものではなく自分のものでしかないですからね!
最後に、2006年トリノオリンピックの荒川静香さんの演技を観たことがない方はぜひご覧下さい。おすすめです。