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完璧主義は大抵マイナスに働く

映像制作会社の新人研修の話をしたい。

新人が入るとまずは、過去の撮影データを使用して映像を作らせる。

うちの会社はブライダルの映像なので披露宴の最後に流れるエンドロールを作ってもらい、実際に納品した映像と新人が制作した映像を見比べてフィードバックするのだが、

その際の判断基準はただ一つ。

「定時までに完成させられるか」

どういうことか。
まず、「今日中に完成させて下さい」という納期的な制約は"""伝えずに"""映像を作ってもらう。平均的に制作にかかる時間は4時間くらいなのだが、人によって行動のバラツキが発生する。簡単な心理テスト感覚だ。

A.まずは過去の映像を何時間も見て勉強する人
B.サクッと何本か映像を見て始める人
C.とりあえず作りながら質問しまくる人
D.3時間で完成させるけどクオリティが低い
E.8時間こだわりすぎて全然完成させられない人

本当に様々だった。その人の性格がモロに出ているなぁと感じながらも、やはり会社として好ましいのは、B、C、Dだ。

AとEに関して、確かに「今日中に完成させてくれ」と伝えていないので、別に悪いわけではないし、責めもしないが、いわゆる完璧主義チェックだ。

AとEにはもちろん前向きなフィードバックをしつつも、

「まずはクオリティよりも"完成"させましょう」「こだわりすぎて時間がありませんでしたはNG」

そもそも論的には、エンドロールという商品の性質上、時間までに完成しませんでしたは許されない。披露宴は「待った」が出来ないからだ。(実際にはちょっとだけ出来るけど)

本質的に伝えたかったことは、100点を目指すのは良いが、100点を目指すあまり完成させられないのでは全く意味がないということ。

さて、クリエイティブの分野に限らず、最初から細かいことを考えすぎて、初めの一歩が慎重になりすぎる人が多い。

完璧主義にはほとんど意味がない。むしろ、「質より量」を重視した方が成長と経験を積める。なぜなら、「質の向上」は常に「量の先」にしか存在しないから。

特に完璧主義がマイナスに働く理由の一つは、「行動を始められない」こと。

「環境が整ったら」
「お金に余裕が出来たら」
「時間に余裕が出来たら」

と、自分が思い描く「完璧な状態」になるまで待ってしまう。

絵を描き始めたいなら今すぐ描き始めれば良い。
文章を書きたいなら今すぐ書けば良い。
新しい趣味を始めたいなら今すぐやれば良い。

特に、物や環境が揃うまで待つのは結局揃えるだけ揃えてやらなくなる。そういう人を何人も見てきた。

先にも書いたが、100点を目指すことそのものは悪いことではない。
ただし、「出来るならね」という枕詞がつく。

出来ないんだったら70点でも50点でも20点でも、やらないよりは遥かにマシだし、やってれば質は上がる。

最初から質なんて考えるだけ時間の無駄である。

と、言い聞かせて今日もnoteを書き続けている。今日は30点くらいかな〜。

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