心のコンパスを取り戻す:心理学で見つける自分らしい生き方 第2章
第2章: 自分を知るための心理学ツール
2-1 自己分析のための質問
「自分が本当に求めているものは何か?」を見つける問いかけ例
自分が「本当に求めているもの」を見つけるのは、思った以上に難しいものです。
特に、家庭や仕事で忙しい40代男性にとって、日々の雑事に追われ、自分と向き合う時間を取るのは至難の業。
ですが、その「忙しい」を言い訳にしていては、いつまでたっても心のモヤモヤは晴れません。
ここで役立つのが「自己分析の問いかけ」です。
問いかけに答えることで、あなたの中に埋もれている答えを引き出します。
以下の質問をじっくり考えてみてください:
1. 「もし明日、何も制約がなかったら、何をしたいですか?」
お金、家族、仕事のしがらみがないと仮定して、自分の本音を探ります。
2. 「子どもの頃、時間を忘れて熱中していたことは何ですか?」
過去の経験には、あなたの内的動機を示すヒントが隠されています。
3. 「最近、『羨ましい』と感じた人や出来事はありますか?」
羨望の感情は、あなたが心の底で望んでいることを映し出します。
これらの問いに正直に答えることが、心の奥に潜む「やりたいこと」を見つける第一歩です。
「嫌いなもの・苦手なこと」を通じて本音を知る方法
自分の「好きなもの」を考えるのが難しい場合は、逆に「嫌いなもの」や「苦手なこと」からアプローチしてみましょう。
たとえば:
・あなたが苦手なこと:満員電車で通勤 → あなたが求めていること:自由な時間やリモートワーク
・あなたが嫌いなこと:上司の細かい指示 → あなたが求めていること:自主性を持った働き方
「嫌いなもの」は、あなたが何を求めているかを示す重要なヒントです。この視点を持つことで、自分の価値観や目標が明確になっていきます。
ワーク: 自分の本音を掘り起こす
次の質問に答えてみてください。できれば紙やノートに書き出すことをおすすめします。
1. 「自分が大好きなことは何か?」(5つ以上)
2. 「嫌いなこと、苦手なことは何か?」(5つ以上)
3. 「その理由は何か?」
これらをリストアップした後、それぞれの理由を深掘りしてみましょう。
たとえば、「料理が好き」と書いた場合、その理由が「家族が喜ぶ顔を見るのが好き」ということであれば、あなたの内的動機は「他人を喜ばせること」にあるかもしれません。
2-2 パーソナリティ診断と性格特性
Big Five(ビッグファイブ理論)を活用した自分の特性理解
次に、自分の性格を深く理解するために役立つのが、心理学の「Big Five(ビッグファイブ理論)」です。
この理論では、性格を以下の5つの特性で捉えます:
1. 外向性(社交的でエネルギッシュか)
2. 情緒安定性(ストレスへの耐性)
3. 開放性(新しいアイデアや経験への興味)
4. 協調性(他者との調和を重視するか)
5. 誠実性(計画性や責任感)
たとえば、あなたが「開放性」が高い場合、新しい趣味や学びに挑戦することがやりたいことの発見につながるかもしれません。
一方、「誠実性」が高いなら、長期的な目標を立ててコツコツ取り組むスタイルが向いています。
性格に合った目標設定の方法
性格を理解することで、現実的かつ達成可能な目標を設定することができます。
以下の例を参考にしてください:
・外向性が高い人の場合:人と関わる活動(例えばコミュニティイベントへの参加)
・協調性が高い人の場合:家族や友人と共通のプロジェクトに取り組む
・開放性が高い人の場合:新しい分野のスキルを学ぶ
あなたの性格特性に合った方法を選ぶことで、無理なく行動に移すことができます。
ワーク: Big Five診断で自分の性格を知る
オンラインで利用できる「Big Five診断」を試してみましょう(無料のツールも多く存在します)。
診断結果をもとに、自分の特性に合った活動や目標をリストアップしてください。
以下のフォーマットを使うと整理しやすくなります:
・特性(例:外向性が高い)
・向いている活動(例:グループで行う趣味やイベントの企画)
・次にやってみること(例:地域のボランティア活動に参加する)
メッセージ
自分を知ることは、自分の「やりたいこと」を見つけるための必須ステップです。
心理学ツールを使えば、漠然とした感覚を具体的な言葉に変え、行動のヒントを得ることができます。
この章の内容を通じて、あなた自身をより深く理解し、次の行動につなげていきましょう。
次章では、「やりたいこと」を具体的に形にするプロセスについて解説します。
自分の心の声に耳を傾けながら、一緒に進んでいきましょう。