心のコンパスを取り戻す:心理学で見つける自分らしい生き方 第3章
第3章: やりたいことを見つけるプロセス
3-1 心理学に基づく目標設定
SMART目標の活用で実現可能なプランを立てる
「やりたいこと」を見つけるだけでは不十分です。それを現実の行動に落とし込まなければ、夢のままで終わってしまいます。
ここで役立つのが心理学でも活用されるSMART目標のフレームワークです。SMARTは以下の頭文字をとったもの:
1. Specific(具体的)
目標を曖昧にせず具体的にする。
・悪い例:「もっと運動したい」
・良い例:「週に3回、30分ジョギングする」
2. Measurable(測定可能)
進捗を確認できる基準を設ける。
良い例:「体重を3ヶ月で3kg減らす」
3. Achievable(達成可能)
実現可能な範囲の目標にする。背伸びしすぎず、現実的に。
4. Relevant(関連性がある)
自分の価値観や人生の目的に合致しているか確認する。
5. Time-bound(期限がある)
期限を明確にすることで行動を促進する。
たとえば、Aさんが「仕事の合間に趣味を増やしたい」と思った場合、SMART目標に基づいてこう設定できます:
「3ヶ月以内にギターで1曲弾けるようになるため、週2回の練習を始める」
行動するための小さなステップの重要性
大きな目標を設定すると、途中で圧倒されることがあります。だからこそ、「小さなステップ」に分解することが大切です。
例:
目標:「3ヶ月で5km走れるようになる」
ステップ1:最初の1週間は毎日10分だけウォーキングする
ステップ2:2週間目からはウォーキングに1分だけランニングを加える
ステップ3:徐々にランニングの時間を増やしていく
小さな達成感を積み重ねることで、モチベーションが持続します。
ワーク: あなたのSMART目標を立てる
以下のテンプレートを埋めて、自分に合った目標を作りましょう。
目標(例:3ヶ月で新しい資格を取得する)
具体的内容(例:週3回、1時間勉強する)
測定基準(例:毎週の進捗をチェックリストに記録する)
達成可能性(例:仕事後に1時間の勉強時間を確保する)
期限(例:来年3月末までに試験を受ける)
3-2 自己実現に向けた行動計画
過去の経験を振り返り、価値観を明確化するワーク
過去の成功体験や失敗経験には、あなたが大切にしている価値観が表れています。それを振り返ることで、「自分らしい行動計画」を作る基盤ができます。
以下の質問を自分に問いかけてみてください:
1. 「これまでの人生で最も達成感を感じた瞬間は?」
例:新人賞を取ったとき、初めて家族旅行を企画したとき
あなたが達成感を感じた理由に、価値観が隠れています。
2. 「これまでの人生で最も挫折した経験は?」
例:昇進を逃したとき、大事な試合で負けたとき
その挫折があなたにとってなぜ辛かったのかを考えると、重要なヒントが得られます。
3. 「その経験から何を学んだか?」
例:挫折を乗り越える力、家族の支えの重要性
自分の強みと弱みを知り、それを活かす方法
心理学者のマーティン・セリグマンによる「ストレングス・ファインダー」などのツールを活用するのも有効です。自分の強みを知ることで、それを活かした目標設定ができます。
たとえば:
強み:創造力 → 新しいアイデアを形にするプロジェクトを始める
弱み:時間管理が苦手 → タスク管理ツールを使って行動を効率化
ワーク: 自分の価値観と強みを掘り下げる
以下のリストを埋めてみてください:
1. 自分の価値観(例:自由、家族、挑戦)
2. これまでの成功体験(例:大事なプレゼンで成功した)
3. これまでの失敗体験(例:時間管理が甘くて締切に遅れた)
4. 自分の強み(例:コミュニケーション力)
5. 自分の弱み(例:計画性の不足)
これを書き出すだけで、自分が何を大切にしているのかが見えてきます。
メッセージ
「やりたいことを見つける」には、自分の心を知り、小さな行動から始めることが鍵です。この章を通じて、具体的な目標設定と行動計画を学びました。次章では、見つけた目標をどう持続させるか、そして行動を習慣化する方法について解説します。
あなたの新しい一歩を応援しています!