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ペンギンのお尻は可愛いだけじゃない件〜ユーモアあふれる科学研究たち〜

ペンギンといえばベンチャースピリッツを体現する生物。

勇気を持って海に飛び込んだ最初の一羽が口火を切る形で、群れが次々と飛び込んでいく様から
"The First Penguin"という言葉が、市場を切り拓く気鋭の姿勢を喩えたものとして親しまれています。

さて、そんなペンギンさんが何やら意外なスキルを持つと判明したそうです。

なんだこりゃw

記事内で紹介されている先行研究曰く、糞を30-40cm射出する場合、10-60kPaの圧力をかけている計算になるのだとか。文中のコメントによると

この圧力は、人間が排便時に加える平均的な圧力よりもずっと高い数値だとのこと。マイヤーロホ氏は (中略)「人間よりもずっと小さな生き物にしては悪くない数値です」と述べました。

真面目な顔して何言ってんだw

なお、同じく真面目な顔した別の研究報告(名古屋大学)によれば人間の排便時の圧力は最大でも9.3kPaー平均では6.7kPa程度とのことですので、10-60kPaとは、なるほど確かに悪くない数値です。

しかも今回の記事の報告では、前提条件が3倍強の1.34mに伸びていますので「ええい!ペンギン軍の排便圧は化け物か!」とばかりに驚きなワケです。

彗星のごとく噴出する様はこちらからどうぞ。


ーー

と、これまた真面目な顔して書いてきたワケですが、記事タイトルにもある"イグノーベル賞"についてお話しましょう。

お察しの通り、ご本家"ノーベル賞"のパロディ、映画界で言うところの"ゴールデンラズベリー賞(通称・ラジー賞)"に当たります。

受賞の公式基準は「人々を笑わせ、そして考えさせてくれる業績」とされ、ラジー賞同様、栄誉とまではいかずとも大切に扱われている賞です。
本家・ノーベル賞受賞者も多数参加し、通例となっている"お決まり"の演出もある由緒正しき(?)式典です。

なんと、直近2019年までに日本人が13年連続受賞という快挙を続けており、最新の受賞は明海大学・渡部茂教授らによる「5歳児が1日に分泌する唾液量の測定」です。子供は涎でベチャベチャになりますよね、たしかに気になる。(5歳が妥当かは置いておいたとして)

※最新2019年のレポートはこちらから。


僕の印象に強く残っているのは2017年に同じく日本人代表の研究チームが受賞したこちら。

いや、性器の大発見てwww

これは、メスが突起状の性器・オスが穴状の性器を持った昆虫が発見されたというもの。身体的特徴で性別を語れない世界です、なんと興味深い。

同じ年の「猫は液体説」は有名かもしれませんね。


ーー

1991年の設立以来、クスリと笑えて興味深い研究たちが受賞してきていますので、お暇ならチラリとご覧くださいませませ。

なお、小馬鹿にしているような皮肉っているような印象を受けるやもしれませぬが、これは決してそういった類のものではありません。
科学者達はいつだって大真面目に自分の分野を研究し、それは人類・社会の未来のためであると、心の奥底に刻まれた誇りを持っています。

極めて先進的な研究成果だけに注目を集めるのではなく、多くの科学者が持つユーモアを含めて人類進歩への貢献を讃え、皆で楽しもうという、小粋な企画なのです。


と、一方で、本格的に皮肉った"ダーウィン賞"というものもありまして、、、Wikipediaいわく、

愚かな行為により死亡する、もしくは生殖能力を無くすことによって自らの劣った遺伝子を抹消し、人類の進化に貢献した人に贈られる賞である。

こちらは完全にブラックユーモア、詳細への言及は避けますが、歴代の受賞理由は錚々たるリストです。

あくまでも、彼らの犠牲によって人類が学びを得て、また一歩前進できることを目的にしていますので、その点はご注意を。

こちらは末尾にリンクを貼ります。ご興味あればどうぞ。


アカデミックの世界って堅苦しいと思われがちですが、なかなか面白いものだったりするんです。大御所の先生方も、話してみるとユーモアの塊だったりして、実に話しやすい (直接の研究指導を受けない限りは) 方々です。

そんなこんなで、科学のちょっと変な側面のご紹介でした。
イグノーベル賞はネタの宝庫ですので、もしかしたらまた登場するかもしれません笑

なんてね。


ということで、お付き合いいただきありがとうございました。

お相手は わたくし
納木 まもる  でした。

次回も楽しんでもらえますように。

末尾ハンコ

<編集後記>
真面目な顔して「人間の排便時直腸内圧力はどのくらいなんだ・・・?」と言いながら文献検索していた僕は完全に科学者の顔をしていました。

いやはや、イグノーベル賞リストは沼ですよ、延々と眺めて笑ってを繰り返してしまいます笑
合わせてご紹介したダーウィン賞も、なかなか笑撃の記載が散見されます。

ちなみに、僕はこの2つをWikipedia上でハシゴしたあと"珍しい死の一覧"というページに飛んでしまい、合計3時間くらい持っていかれた気がします笑
こちらも合わせてリンク貼っておきます。

なお、これらは人の死が絡んでいるので、一部衝撃的・刺激的な記述もあります。苦手な方はスルー推奨です。


読んでいただいてありがとうございます。貴重な時間をいただいていることは自覚しつつ、窮屈にならない程度にやっていきます。