夢のマトリョーシカの夢
この作品を私はずっと紹介したいと思っていました。
でもなかなかできずにいました。
私のスタイルとして思いついたところで引用に頼ります。
しかしこの作品はじつに引用しにくいのです。
夢の中で夢をみているようにして話がつながっています。
ときどき夢の中で「これは夢だ!」と気づきます。しかし夢は続き、覚めることはありません。
夢からさめる古典的な方法に「ほっぺたをつねってみる」というのがありますね。
フジモトマサルさんの漫画ではよく「ほっぺたつねり罪」で告発されます。
『夢みごこち』では他にも「イカの飼育」が「夢刑法第56条」で禁止されています。それを破ったアライグマのような男が「夢警察」に逮捕されます。
アライグマのような男は禁固12年の判決をうけますが納得できずに脱獄します。しかし運悪く狙撃されたところで目が覚めます。夢をみていたのはイヌでした。
榮造さんというイヌは飛行機に乗って眠っていたのです。目をさました彼は病的な心配性で家の鍵をかけた動画を旅先で確認せずにはいられません。
キチンと施錠した画面を見てホッとするのもつかの間、ウトウトしかけたところで「小さな棒ニンゲン」が現れます。その「棒ニンゲン」たちは勝手にガスコンロにティッシュペーパーをかぶせて家を火事にしてしまうのです。