「毎日1500字が書けるか?」ではなく「今日1500字が書けるか?」
原稿を書くのはいつでも「今日」のはずです。
「原稿を明日書きました」とウソ偽りなく言える人というのは、地球人ではないと思います。
毎日1500字ずつ書けば、30日で45000字の計算になる。3ヶ月で13万字を超えるから、だから本は3ヶ月で書きあがる、というのがいわゆる「逆算」です。
しかしこうした空想を、そのまま実現できる人を、私はほぼまったく知りません。
昨日できたことだからといって、今日も同じようにでき、そして明日も同じようにできるといった保証はまったくないはずです。
昨日は5000字書けた人でも、今日は150字も書けないことだってあります。
時間がないとは限りません。朝から晩まで、計算すれば10時間をまるまる使えたとしても、それでも100文字も書けないのはなんら不思議ではありません。
そもそも「特別な予定」がないからといって、その分をすべて空き時間にするというわけにはいかないものです。
今日の朝9時頃までのタスクシュートの記録です。
今朝は5時40分に起きました。それから3時間が経過しても「仕事」などひとつもやれていません。
妻子を駅まで送迎し、そのあいまに食事の準備をして、その片づけついでにゴミを捨ててトイレに行っていたら3時間が経ちました。
そんなものです。
これを「残念だ」と思ってもしようがありません。決して残念なことではないのです。「残念だ」と思うとすれば「お金を稼ぐこと」や「クリエイティブな時間」を何かたいそうなものと考えすぎています。
1時間の仕事をしたり、1500字を書いたりするのは、どんな日であろうと簡単ではないのです。
問うべきは「今日、1500字書けるだろうか?」だけです。
私はタスクシュートでそれを毎時間ごとに問い、それ以外はなにも考えないようにしています。
タスクシュートを知る以前には「10万字を1500字で割って」いました。締め切りが迫るにつれ、2000字で割り、2500字で割るようになっていました。
そういうのはけっきょくなんの役にも立たず、最終的には3万字を3日で割っていたものです。