【ショートショート】せっかくならハッピーエンドにしてあげよう
「あかり…僕たち、お別れしよう」
「…うん」
切ない音楽とともに二人は最後に手を繋ぎ、そしてエンドロールが流れ始める。
主演は駆け出しの新米俳優さんたちだった。
その二人をもってしても、この映画はつまらないと思った。
「ねえ、あの映画面白かった?」
吉祥寺にある小洒落た喫茶店で、アイスティーにガムシロップを入れて混ぜながら、不機嫌に私は準君に尋ねた。
「うーん、あの二人は合わなそうじゃない?そうするしかなかったのかも」
準君はホットコーヒーをすすりながら、のんきにそんなこ