『百尺の平屋』墨付け
百尺の平屋では墨付け作業が進んでいます。墨付けとは?大工さんが構造材の柱や梁に加工する位置や方法などを書き込んでいくことです。最近はプレカットという機械加工の技術や精度もかなり進んでいるので、大工さんが手作業で刻むことはかなり稀です。
大工さんの考え方も大切ですし、材料の見立て、技術の継承など、できることなら私も手刻みは残していきたい考えています。そして今回は施主様の意向も得られたので、協働作業となりました。私も数年ぶりの刻み現場です。
墨付けが終わるといよいよ刻み作業が始まります。プレカットでは見られない仕口や継手に大工の腕の見せ所とでもいうような様々な加工が現れてきます。
そして作業小屋に積まれた材料は、大工さんが在庫している地元材でよく乾燥しています。色艶のことも考え、切る時期やタイミング、製材のサイズ、保管の条件など、伝統的な方法で管理されています。また他にも魅力的な部材があるので、それらもひとつの見せ場にしたいと企んでいます。
それぞれの建物にいろいろな物語があり、楽しいです。
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