自然のこと82 | 立秋、霧とミシャクジと高ボッチ高原。
長野県塩尻市と岡谷市にまたがる「高ボッチ高原」は、標高1,665mに広がる八ヶ岳中信高原国定公園内に位置する高原。
晴れていれば諏訪湖から富士山を眺めることができ、八ヶ岳、南アルプス、御嶽山、北アルプスまで360度のパノラマが広がる絶景だが、この日は夜明け前から深い霧が立ち込めており直近の道もしっかりと見えぬほどの視界の中、高ボッチ高原に足を踏み入れた。ホワイトアウトした世界では、ここだけが現界からすっかりと切り離され、別の世界へと抜き取られてしまったかのような感覚だった。この場所は、巨人でいだらぼっちがかつて腰を下ろしたとされる伝説が残る地でもあり、太古からの霊的存在であるミシャクジが土地を守る場所でもある。鳥たちの声がこれまで聴いたこともないような響きをしながら山間にこだましている。この声たちに耳を側立てるだけで、意識が遠のいていくような感覚に見舞われる。この異質な氣配にミシャクジの存在を重ねながら霧の中で日の出を待ち続けた。やがて、霧の中から淡くひと筋の光が現れる。その閃光は草花を飾り付けた霧の宝石たちを煌びやかに輝かせる。この輝きに満ちた美しさをみた時、これはこの異世界の守護神であるミシャクジの伊吹だと直感的にわかる。無限にも感じる時が一瞬で過ぎ去り、ミシャクジはまた霧の中へ消えていった。時間を超え霊性と現性の境にある中今で視た精霊たちの存在に、諏訪に息づく信仰をみた氣がした。
▷Location Data:
緯度経度: 36° 7’ 44” N / 138° 2’ 8 "E
カメラ角度: 140° SE / 標高: 1620m / 気温: 18℃ / 湿度: 95%
時空間: 2024.08.07.4:40〜6:53 AM
▷Access:
▽Production Cooperation
HELIO COMPASS 地球暦®
▽Snap:
本節も、最後までご覧いただきありがとうございます。
All for the next Dimension.
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