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「書いて覚える」はなぜダメかーそのカギは「リトリーバル」にあり
ブロッサム利用者のMです。
美術鑑賞に並んで学びをテーマにして記事を書いていますが、避けては通れないのが「知識を覚える」ことについての話です。メタ学習、つまり学習についての学習の中では記憶は一大トピックとして扱われますし、YouTubeの学習系動画でも度々扱われるテーマです。その中でも「書いて覚える」の是非はよく語られますね。本記事では知識の記憶が重要な理由と効率的な記憶の方法とともに「書いて覚える」の是非について考えていきます。
Sakiのポストからわかる知能の本質
Sakiさんは東京大学理学部から東京大学大学院情報理工学系研究科を経て東大理Ⅲを再受験で合格、現在はエンジニアと医学生の二足の草鞋を履きつつ、リスキリングや大学受験についての発信をしています。彼が言うには、
頭が良い人、理解が異様に早いように見えるけど、それは彼らが頭の中に既にコンテキストを搭載していて、「もう知っている」から。そして、単なる一対一対応の「辞書」ではなく、抽象的な体系を構築して、その中での具体例という位置付けで知識を蓄えるので、「知っていること」の範囲が異様に広い。
— Saki@外資系東大理三エンジニア (@Saki_reset) February 10, 2024
つまり、頭が良い人は知識の詰め込みと詰め込んだ知識を秩序や規則に基づいてまとめわかりやすくする作業を繰り返して「知っていること」の範囲を広げ続けた人なのです。そのためには記憶を活用して知識を多く蓄える必要があります。
効率的な記憶のために
前章では知識を蓄えておくことの重要性を示しました。本章では記憶のメカニズムを簡単に示したあと効率的な記憶の方法を説明します。
ドイツの心理学者エビングハウスは意味を持たない音節を覚えてある期間どれだけ記憶を保持しているかというテストを行い、1回の学習で学んだことは復習をしなければ1時間後には44%記憶に残り、1日後には34%、1週間後には25%、1ヶ月後には21%しか残らないという結果を得ました。通常の学習では意味を持つことを理解して覚えることが大多数であるため記憶の忘却は緩やかになりますが、それでも何もしなければ一度覚えても詳細は忘れてしまうということは代わりありません。
記憶を定着させるには復習をする必要があります。忘却期間と忘却する割合に合わせ1日後・1週間後・1ヶ月後に行うと忘却が緩やかになります。
学習にはリトリーバル
記憶のさらなる定着のために、1回目の学習に一手間加えてみましょう。それはこの記事の題や見出しに出した「リトリーバル」です。リトリーバルとは、学習したものについて自分の頭だけを使って関連した記憶を取り出す活動のことです。次の動画ではリトリーバルという言葉こそ使っていないものの、参考書で学習する際にリトリーバルを行う手順を説明しているので見てみてください。
なぜ「書いて覚える」がダメか
英単語を覚えるときにこんな事をした人はいますか?sometimes(副詞、意味は「ときどき」等)の綴を覚えるとき単語帳を見ながら「そめてぃめす、そめてぃめす…」とつぶやきながらsometimesを書きまくる。このプロセスに学習に効果的な何かが欠けています。そう、リトリーバルです。sometimesの綴を覚えるとき何をすればいいか、単語帳を閉じて一度自分の力で綴りを書いてみるのです。合っていれば覚えたことになるし、間違っていればまた覚え直して再度何も見ずに綴りを書いて確認すればいいのです。
「書いて覚える」にはリトリーバルが欠けているので学習効果は低いのです。
みなさんも、なにかを学ぶ際は学んだ事柄を何も見ずに自分の力で再現することを心がけてみましょう。
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