ソフトウェア開発と資本提携と隷属的関係

典型的な昭和の父親の理屈を耳にしました。
「なぜ家事負担をしないのかというと、それぞれの分担を邪魔しちゃ悪いからだ」
昭和の父親は家庭内ではだいたいのことを「やりっぱなし」にしている。
使った食器を少々すすいでシンクに置いただけで「自分は手伝った」気になっているのだから始末が悪い。
「ロジ」サイクルの最後のところまでやって初めて家庭内で自立してるというもので、やりっぱなしはその続き作業をするひとを隷属的に扱っているに等しい。しかも「昭和」という時代はその「分担」を「本人の同意なし」に決めていた。いや、分担者当人は「好きなのよ」くらいのことで望んでやっていたのかもしれないが「ワンオペ」だったのだ。百歩譲って「同意があった」にしても昭和の父親にも「ワークシェア」する義務はあったのだ。ほとんど自分から押し付けた「分担の定義」を振りかざして「だから家事負担しないのだ」という理屈に呆れた。

さて、前置きが長くなってしまいました。
S/W開発と協業の形」でソフトウェア(S/W)開発委託の「発注者側の事業」と「受託側事業体の事業継続性」との折り合いとして「発注者側が出資することで一定期間一定割合で受託側の事業継続性に直接主体的に参画する」という方法があると書きました。
これはこれで有力な方策のひとつだと考えているのですが、実体験から、とても注意しなければならない点がいくつかあるとも考えています。
まず、著作物(開発成果物)の権利について「常に」注意深く配慮すること。
次に、受注額の妥当性について、前述の権利の取り扱いを含めて、出資者だからといってゆるがせにしないこと。
そして、財務諸表では見えにくい雇用と技術力の維持・向上にあてる努力の評価を忘れないこと。
これらは、出資者にとってはまったく無関心であるかむしろ「利害が対立」しているポイントです。
資本関係を結ぶ前に、これらについて合理的な主張をして良好な関係を継続できる相手かどうか慎重に見極める必要があります。

「資本提携」は結婚のようなものですから。

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