夜景の真実
きみに伝えたいことなんて何もなかった。誰かに何かを伝えようとすること自体が伝わらない証なんだと知った日から、きっと、諦めていた。
朝が好きなのに夜に生きてしまうもどかしさが、愛だったかもしれない。高層ビルに反射して溢れた落ちた絶望ってやつ。鳩が拾っている夢のカケラを踏みつけていた。
きみが孤独なのは愛を持っているからだよ。
愛が孤独をなくしてくれると信じている彼は愛を売っていた。
言葉に希望を託せば揺れる世界の音。
コーヒーの苦味に共感する人間のちっぽけさを、僕は、馬鹿にしていました。
インスタ映えに縋りついた感性を、僕は、馬鹿にしていました。
お金に変わる価値に価値はないから、きみの、あなたの、お前の、僕の感情に価値がある、意味がある、認められる。
僕が読み取りたいきみの感情、一つ残らず感じたいその感性。
朝も夜も風景も思い出も感情も、値段をつけた瞬間にただの物となって、死ぬ。
いくつもの墓標が夜景となって美しさに誤魔化されていた。
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心の瞬間の共鳴にぼくは文字をそっと添える。無力な言葉に抗って、きみと、ぼくと、せかい。応援してくれる方、サポートしてくれたら嬉しいです……お願いします